先日、NHKでハーバード白熱教室というタイトルでマイケル・サンデルの講義が12回に亘り放映された。
テーマは「正義」である。
民主党の代表選に見られるように、政治に哲学が欠如している現今、政治哲学という原点に回帰してみるのも悪くないとも思った。放映が深夜であり、1回1時間で12回・12時間という長丁場であるので、録画をして見ることとした。政治哲学ということで、無味乾燥で、とっつきにくいものと思っていたが、現実的で分かり易い問題提起をし、学生に意見を聞き、議論させる講義は非常に面白い。
哲学というと抽象的で分かりずらいという既成概念があったが、サンデルの講義はその点違っている。
政治哲学である以上、現実の政策課題や立法が何らかの哲学的な裏付けもつのは当然であろう。例えば、規制緩和や民間委託なども表面上は気がつかないが、分析すればいずれかの思想家の考えを根拠としている。
日本人の解説者が「JUSTICE]と題する教科書を持っているので、日本語版も出版されていると考え、書名と出版社を調べたうえで、オリオン書房に行った。
書名は「これからの「正義」の話しよう」で出版社は早川書房。サブタイトルは「いまを生き延びるための哲学。
驚いたことに、エレベーターを上がった一番目につくところに平積みされていた。
まさかベストセラーになっているとは思わなかった。
東大で行われた講義がNHKで今月下旬に放映されるということである。時間はハーバードで行われた三分の一の4時間であるが、期待している。
本を先に読むかVTRを先にみるか迷っているが、とりあえず、時間が長いのでVTRを先にすることとした。