島渡り 久々現場を 思い出し

作業は進む　時代も進む

てるおですけど、何か？

「あれ、これ入れ替わったんですね！」

が非常に多かった。

そりゃそうだ。

あれからもう５、６年は経ってしまった。

もっとか…


人間が老朽化するに伴って、建造物も老朽化するのは、
至極当然のことである。

そして、
思い出も徐々に色褪せ薄れていくのも
致し方ないのである。

ただ、

押入れの上に空調機の本体があって、
押入れに潜り込んで、
更にその天井を開けて、
天井に入り込んで、寝っ転がって
狭い中で数台分の部品交換のアシスタントをしたことが、
忘れられない。


あの当時は…

先輩がその狭い中で作業していて、

「ちょっとモンキー取って」

って言われたらモンキーレンチを手渡す。

「ラチェ取って」って言われたら
ラチェットレンチを手渡す。

だけど、そんな道具に触れあったことがなかったから、

「どれですか？」

って聞き返してた。


そうでなくても、狭くてやり辛くて、ストレスがたまるのに、

「そんなんも知らんでこの会社来たんか？」と、

更にだいぶイライラさせてしまっていた。


懐かしいダメダメな頃の思い出です。

この思い出は、忘れられんのぉ～忘れたいけど…

そんなことを思いながら、

あ～この部屋、修理で入ったな…とか、

この部屋あの当時、リフォームしていて、
入れんかったなぁ…こうなったんだ…とか。


時代を行き来しながら作業を進めた。

気が付けば夕方だった。

頭がずっとなにかしらを思い出していたから、
時間がたつのが早かった。

帰るときに、鹿を轢かないように、気を付けて帰れば、
ミッション完了だな…って思いながら、
フェリー乗り場まで車を走らせたのだった。

仕事じゃなくて、家族で遊びに来たい場所である。


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