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糸乃こまりのストーリー

川柳と俳句と小説〜下町とチワワはhttps://plaza.rakuten.co.jp/daigotyokotan

33  サラーラ

2025-01-07 16:51:35 | 世界一周ひとり旅
サラーラはアラビア半島南部の港町でオマーン南部のドファール特別行政区の行政中心都市である。
 サラーラの資料がテーブルに置いてあった裕子の部屋。化粧を終えて洗面所から出てきた裕子。
 サウジアラビア半島の南東部を占めるオマーンは日本の約3/4の広さである。長らく半鎖国状態が続き、1970年に現カブース国王が王位につき石油の自由輸出が始まった。サラーラはアラビア半島で唯一ハリーファと呼ばれるモンスーンの恵みを受けていたそうだ。(平成10年以前資料)
 部屋のドアでノックの音がした。
「はい」
 ドアを開く裕子。立っていたのはスタッフ。
32 ライブラリー
に登場した29番だ。
「あっ スタッフさん でもまだお名前も聞いてなかったわ」
「そんなことはいいんです」
「わたくし今日わね」
「片山さんは今日オプショナルツアー半日観光ですよね」
「何でもご存知ね」
「船長のアナウンスでもお気をつけて下さいと言ったのですが」
「えっ! なになに? 怖いところ?」
「ではなくて ただ宗教はいくつかの宗派があって主にイスラム教に基づく習慣伝統が守られているそうで」
「どういうことなんですか!?」
「お渡しした資料にも書いてあったんですけど洋服にも気をつけないと」
「資料って?」
「ですよね とりあえず失礼します」
 と29番が裕子の部屋に入ろうとするが
「やめて〜散らかってるから それより聡美さんと待ち合わせしてるの 遅刻したら申し訳ないわ」
「まだ早いですから大丈夫です」
「でも聡美さんは何でも知ってるから」 
「えっ」
「呼んできて」
「わかりました あと洋服は長袖と長ズボンですから」
 待ち合わせの方向に走り始めてしばらく経ってから立ち止まった29番。
「聡美さんだけでわかる?」
 戻りかけたがやめてまた走る29番。スタッフは船の中で走ってはいけないのに。



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