いわき転勤生活

いわきをおいしくいただきます。

善林庵の玄米煮物セット

2005-06-30 | 外食
所用で子どもを預かってもらったので、久しぶりに善林庵へ。
スローフードという言葉が生まれる前から、26年続くマクロビオティック(玄米菜食)・カフェレストラン。
オレンジページのムック本でもおなじみです。

落ち着く木のテーブル席にすわると、外の緑や飾られた小さなお地蔵さまが目に入ります。
シンプル玄米煮物セットは1350円(+税)。人気の日替わり定食やコーフーカツ定食は品数が増えてボリュームたっぷりなので、このくらいがちょうどいい感じ。
食前酒に白ワインかりんごジュースを選べます。

朱塗りの盆からお椀をとり具だくさんのみそ汁を一口。…おいしい。体にしみわたるよう。
玄米あずきご飯はゆっくりよくかんで食べると、もちもちとしてほんのり甘さが広がります。
ごろごろと皮のついたままのにんじんの煮物、金時豆、たくあん。
有機野菜をかかげるお店の中には、体にはよさそうだけど味はいまひとつで、修行している気分になったりするところが正直あると思う。でもここは違う。
動物性食材や砂糖を使わないシンプルな味つけが、なんでこんなにおいしいんだろう。
ごはんは楽しく食べることも大事だよね。

食後は置かれた雑誌をめくりながら、大ぶりの湯飲みに入った3年番茶をいただきます。体の奥からぽかぽか。

自然食品店とギャラリーを併設。
オランダ皿など作家ものの器、キッチン用品のほか、かまわぬのてぬぐい、ビルケンのサンダル、木のおもちゃ、ターシャ・テューダーの本などが並べられています。
マクロビについてわからない点があれば教えてもらうことも。
ワシントンホテル裏に姉妹店玄米おむすび・お惣菜の「ひらけごま」があります。こちらは土日祝定休。

☆☆☆☆☆

*善林庵
住所  :いわき市平古鍛冶町10-2
電話番号:0246-25-2952
営業時間:ランチ11:30~14:30/カフェ14:30~17:00/ショップ9:00~20:00
定休日 :第1日曜日、ランチ毎週日曜日祝日

yuko-san blog:春です


磐城平の雲-暮鳥2

2005-06-27 | 人と文学


  おうい雲よ
  ゆうゆうと
  馬鹿にのんきさうぢやないか
  どこまでゆくんだ
  ずつと磐城平の方までゆくんか

       ―――「雲」


大正7年(1918)1月暮鳥は水戸の教会へ転任となり、そこで結核に倒れます。
伝道師を休職、転地療養の生活を続ける中で、平時代から交流のあった農民詩人三野混沌の申し出を受けて好間・菊竹山中の新しい小屋に移り住んだのは、大正9年(1920)1月16日のこと。

けれど結核をわずらいキリスト教の牧師でもある暮鳥の突然の移住に、菊竹山から水を引く山ろく住民は猛反発。
騒ぎの中で混沌の母が倒れ、27日には一家は茨城・大洗へと戻ります。
「半生にもあたるくるしみを十数日で経験した」と友人に書き送ったできごとでした。

その後も貧困と病苦の中で詩や童謡・童話の創作に力をそそぎますが、大正13年(1924)12月病状が悪化し永眠。享年40才。
その死後刊行された詩集『雲』は、自然と人とに向けた慈悲深いまなざしを簡潔なわかりやすい言葉でしるしています。

好間を去った年、千行にもなる神への恨みごとをつづった長詩を書いた暮鳥。
その苦悩には背筋が凍る思いがするのに、晩年の「雲」の詩はあたたかく美しくて、のんびり雲を見上げてふと口ずさんでしまう。

この詩を斉藤千枝との相聞…恋の詩だとする見方に、
暮鳥の詩の転換に影響を与えたとされる混沌は「むしろあれは俺と見た雲の流れと、もし対象があるとすれば、千枝ではない俺だ。俺への呼びかけだ。」と妻せいに語りました。
暮鳥が混沌や千枝へ宛てた手紙は、惚れっぽいと言っていいくらいの愛情にあふれています。
雲はその人たちの住む懐かしい磐城平の地に、きっとたどり着いたでしょう。

「雲」の詩碑は平のいわき市文化センター入口にあります。暮鳥の長女土田玲子さんの揮毫。
好間町上好間の個人宅前には、状況をみかねて菊竹山から暮鳥の荷物を運ぶのを手伝った、猪狩轍弥への礼状をきざんだ山村暮鳥書簡碑が建てられています。
草野心平記念文学館では7月16日(土)~9月19日(祝)企画展「山村暮鳥展」を開催予定。

  

参考:『暮鳥と混沌』吉野せい(弥生書房)
   『山村暮鳥の世界』暮鳥会編著(筑波書林)
   つれづれの文車
   日本文学電子図書館

関連記事:いちめんのなのはな-暮鳥1

ラベンダーを摘む

2005-06-23 | 散歩
高野花見山へラベンダーを見に行きました。
炭鉱跡地に昨年春オープンした花園では、富良野から取り寄せたという約5000株のイングリッシュラベンダーが満開。
一部が摘み取り畑になっていて、1回500円で月末まで摘み取り体験を楽しめます。



ラベンダー畑って剪定した植木みたいに丸いひとかたまりが並んでできてるんだ。
紫のつぼみから淡紫の小さな花が開いてとてもきれい。ただたくさんの蜂が集まってちょっと気おくれ。
細い茎にハサミを入れて小さなブリキのじょうろに挿していきます。
夢中になって摘んでしまう…と息子逃亡。
二人で摘み取りは無謀だったかな。家に飾るだけだから少しだけ。
息子にハサミを持たせて手をそえ、パチン!と言って切るとそのたびに声を立てて笑います。
向こうの山に雲がかかる。蜂の羽音。



暑くて汗をふきつつ休憩所へ向かいます。少ないのを見かねたお店の方が「せっかくですから」と、オレンジジュース(300円)を飲んでいる間にじょうろいっぱいに摘んできてくださいました。
いい香り~。ほんとはまだまだ入るそうです。お手数かけてすみません、でもありがとうございました。

ラベンダーをビニール袋に入れてもらい、園内を一周。
ツツジ、芍薬はそろそろ終わって、アジサイ、スイレンが咲き始め。
見ごろはポピー、金宝樹。金宝樹は別名をブラシの木というとおり、哺乳瓶を洗うときのブラシに似た赤い花が不思議です。オーストラリア原産てほんと独特。
奥には子ども用の遊具もあって遊ばせながら一休み。気持ちいい風が吹いていました。





ん~よく歩いた。その夜はラベンダーの香りに包まれてぐっすり眠りました。

高野花見山
住所  :いわき市内郷高野町広萱1
電話番号:0246-27-2537
営業時間:3月~9月 9:00~17:00/ 10月~12月 10:00~16:00
休園日 :不定休
入場料 :1日券大人300円/子供(小学生)100円、年間券1500円

アクアマリンで象に会う

2005-06-10 | 散歩
映画「星になった少年」のキャンペーンで、アジアゾウのランディ25才がアクアマリンふくしまへやってきました。
前日福島市でおこなわれた試写会イベントの様子はElephants Paradiseへ。
主演の柳楽くんがランディに乗って登場したそうです。大人っぽくなったなぁ、柳楽くん。



アクアマリンの駐車場にとめられた「ランディ・トレーラー」のまわりは、子どもを中心ににぎやか。動物園のにおいだ~。
6×8mくらいの囲いの中を、右前足に鎖をつないだランディがゆっくり歩き回って、「ランディ!」「こっち向いて!」と園児たちから盛んに声援が飛んでいます。
始まったときはエサをあげられたりしたらしく、間に合わなかったのがちょっと残念。

抱いていた息子を下ろすと、ランディを指さして「わんわ!」。
ぞうさんだよ~。このまえはすずめが「わんわ」だったけど象も「わんわ」なんだ…。
長い鼻を器用に使って、地面にまかれた草を集めて口へ運びます。
小さなやさしい目、大きな耳。係の人に「おやつちょうだい」と甘えるように鼻を伸ばして、足元に転がったバナナを探りあてる。
目でエサをみるわけじゃないんだな、鼻ってあんな動きをするんだっけ。動物園なんてもうずいぶん行っていない気がする。
立入禁止のパイプをくぐろうとする息子をとめながら、今度家族3人で上野動物園でも行こうかと考えます。
わんわがいっぱいいるよ? その前に湯ノ岳の丸山公園かな。

  

象が子どもたちと触れ合うのは映画の主人公哲夢くんの夢だったそうです。
全国縦断キャンペーンは始まったばかり。がんばれランディ、と関係者のみなさん。
それほど興味もなかったのだけど、公開されたら見に行きたいと思いました。


HAHA!!:ぱおん(携帯より)
Naomi's Life ~日々の独り言~:ランディちゃん♪


ゼリーのイエのトロピカルゼリー

2005-06-09 | パン・お菓子
夏らしくなってきた今日このごろ。ここはやっぱり冷製デザートということで、小名浜にある手作りゼリー専門店、ゼリーのイエです。
鹿島街道を鹿島方面から来る場合は、ブックマーケットのある交差点を右折、パレスホテルのある角を左折して「ゼリーの家」の看板が目印。

扉を開けるとカラフルでかわいいゼリーが勢ぞろいして、ぱっと気持ちが明るくなります。
今日はこれと決めていてもショーケースをのぞくと迷う迷う。
オリジナルの15、6種のゼリーはどれも1個231円、お昼ごろにはすでに品切れのものも。
ゼラチン100%のため常温では溶けてしまうそうなので、まっすぐ帰宅して冷蔵庫へ入れます。

写真は右下から時計回りに、トロピカルゼリー、あずきムース、桜の花ゼリー、ミルクゼリー。
スプーンから伝わる弾力もしっかりぷるぷる。甘さ控えめのやさしい味わい。
防腐剤や化学調味料は使っていないので子どものおやつにもぴったりです。…ママの分も残してね、息子。

虹色のトロピカルゼリーは中にメロン、ミルク、オレンジとたくさんのゼリーが閉じ込められていて、1個でいろいろな味を楽しめます。
ミルクゼリーはシンプルなゼリーかと思えば、中にチョコレートムースが入って思いがけない味と食感。
あずきムースが好きなんだよね~。舌触りのいい上品なあずき味はやみつきになるおいしさ。
ほかには黒ごまの風味たっぷりの豆乳黒ごまゼリー、ほんのり甘酸っぱいゼリーとムース2つのいちごのいちごムースがおいしいです。

Yahoo!ショッピングでも購入可能。ゼリー各種の詳しい説明も載っているので、行く前にチェックしてみるのもいいかもしれません。
サイトやカードのデザインも素敵な、夢と遊び心にあふれたお店です。

☆☆☆☆

ゼリーのイエ
住所  :いわき市小名浜寺廻町7-16
電話番号:0246-54-2431
営業時間:平日8:30~18:00、日曜8:30~15:00
定休日 :なし(年中無休、元旦のみ休み)

うろこいちのびんちょうハラス丼

2005-06-06 | 外食
お昼は小名浜魚市場に近いうろこいち。
TBS「王様のブランチ」などTVでも紹介された有名店で、駐車場には他県ナンバーの車も目立ちます。
ヤナギカレイを干した魚屋さんに併設された食堂ののれんをくぐると、中はテーブル席が並んでいかにも港の食事どころの雰囲気。
壁には丼・刺身・煮魚と豊富なメニューの写真が貼られ、入れ代わり立ち代わり訪れるお客さんを相手にお店の人が忙しく働いています。

奥の席へ向かう親子丼(鮭+イクラ)の鮭の大きさに目を奪われていると、すぐに注文の品が自分の前に。
びんちょうハラス丼はカニ汁と塩辛、白菜の漬物がついて1050円。
ご飯は大盛・おかわりとも無料になっています。

まずはカニ汁。カニのエキスが溶けこんだみそ汁は風味よくこたえられないおいしさ。
厚切りのびんちょうまぐろのハラスは、まるで臭みがなく脂がのってやわらかくとろけます。酢飯もふっくら甘く、たまらない~。
海鮮丼というと申し訳程度に具がのっているものもあるけれど、ここはボリュームたっぷりで惜しみなく食べられるのがいい。
手造りのいかの塩辛はまろやかでこれまたご飯がすすみます。モノが新鮮なんだなぁ。

この味・量でこの値段は人気も納得。小名浜を好きになる一杯でした。
旬のうちにうにいくら丼も食べたいな。

☆☆☆☆☆

*うろこいち
住所  :いわき市小名浜字栄町66-40
電話番号:0246-54-1233
営業時間:8:00~17:00
定休日 :毎週水曜日

ちょっとだけ秘密のこと:小名浜:うろこいち

ハマヒルガオの海

2005-06-03 | 散歩
ぽっかりあいた時間をドライブに出ました。
午前9時をすぎて、海ぞいは60m先も見えないくらいの霧。
夏井川河口にかかる橋だけが霧の中に浮かんで、違う世界へ続いているかのようです。

国道6号から深い霧に包まれた久ノ浜港をまわって戻ります。
久ノ浜海水浴場が平成15年度で廃止されたことを知らせる案内板。
漁師町らしい狭い道を、浜辺に下りられるところを探して進みます。
見たかったのは福島民報で読んだ、地元の人たちが増殖をすすめたというハマエンドウとハマヒルガオの群生地。

  

砂を這うピンク色のハマヒルガオ。ヒルガオと違うのは丸い小さな葉、集まって緑のじゅうたんが続きます。
その間にちらほらみえるハマエンドウはそろそろ終わりだけれど、ふくらんだ青紫の花がかわいらしい。
踏まないように息子の手を引いて砂浜を歩きます。
こんな砂地に花が広がっているのがとても不思議。

  

海のないところに育ってこんな風にハマヒルガオを目にするのは初めてで、小学校の教科書にあった童話を思い出しました。
水だまりに取り残された魚を助けようと、ハマヒルガオは言う。「どうぞ私を摘んでください」。雨が降るように。
今西祐行作『はまひるがおの小さな海』の印象そのままの可憐な花。

  

潮風にハマヒルガオがゆれて霧が流れました。
久ノ浜駅を出た電車の音に顔を上げると、山は濃い緑。もうすぐいわきに夏が来ます。


主人の小部屋:6月になりました
久ノ浜にある高木屋旅館のご主人のブログ