とても寒い日だった
風も冷たく
凍えてしまいそうな日
ダウンを着て出かけた
改札を抜けて
ホームで電車を待っていると
半袖短パン
素足にスニーカー
の男が、近くに来た
50才くらいだろうか
もう少し、若いのかもしれない
違和感を感じたので
彼から、少し離れた
リュックを背負い
髪は肩より長く
薄い
半袖のTシャツはピチピチで
お腹は丸く膨れ上がり
裾は託し上がっていた
電車が来て
彼が乗る車両を避けて乗る
電車が動き出すと
彼は僕が乗っている
車両に移ってきた
僕の前に来て
何か叫んでいる
僕はただじっと
彼が立ち去るまで待とうとした
換気のため
少し開いていた窓に
てを翳す
ゴミを捨てたのかも知れないし
何かの呪術のようなものかも知れない
彼の膨らんだお腹が
僕の鼻先にある
恐ろしくて、身が縮こまる
大きな声をあげて
彼は、僕の前から去った
何て言っているのかはわからない
水木しげるの漫画にでてくる
妖怪に似ていて
自分がいる場所が
現実でないようにも思われた
病気なのかもしれない
だけど
病気だとしたら
身近な方がフォローして欲しい
申し訳ないけど
ちょっと、恐い