もうすぐ、父の年齢を追い越す
僕が今まで生きてきた道のり
父が生きた人生
僕は、自分以外の誰かのために
この身を捧げたことが、
あっただろうか
父は、僕が育った小さな田舎町で
リトルリーグの設立に尽力した
結局、父が監督に押され
子供達の指導にあたった
一年もしないうちに
チームは全国で一位になり
世界大会に出場した
言わば父は地域の功労者である
僕にとっては、ただの父親だけど
父親としてはどうあれ
彼は、その刹那を誰かのために生きた
その後の彼の人生はどうあれ
父は子供たちに、光の道を作った
僕はどうだろう
誰かのために命を削れてはいない
身近な人にさえ
灯火すら灯せていない
もうすぐ、僕は父の年齢を追い越す