2012 ルール改正について
2009年10月、ベネズエラ・マルガリータ島で第24回ISF(国際ソフトボー ル連盟)総会が開催され、その専門委員会の一つであるルール委員会では、43 のルール改正案をこの席上で承認。2010年1月1日から、この新たなISFル ールが施行され、そのルールに基づいて競技が実施されております。
JSA(財団法人日本ソフトボール協会)では、この改正されたISFルー ルの中でも、大幅に修正・変更された「投球規定」に関するルールの内容を、 すぐに採り入れるのではなく、世界選手権をはじめ、各種国際大会でどのよう に運用され、適用されているかを研究・確認し、2012年度のJSAルールへの 採用の可否について慎重に吟味・検討を重ねた結果、本年度からこの「投球規 定」に関するルールを採用することになりました。
「投球規定」の内容の主な改正点としては、ルール1「定義」16項「クロー ホップ」の内容が大幅に書き改められ、新たに「リーピング」が「合法的な投 球動作」として認められ、採用されたことが挙げられます。
「クローホップ」については、従来JSAルールでは、いわゆる「ツー・ス テップ」として不正投球とされていたものが、正しく投手板から蹴り出し、一 連の動作であれば、「フォロースルーとみなし、クローホップとはみなさない」 と、その内容が大幅に「緩和」されています。
新設された「リーピング」は、従来JSAルールでは、「ジャンピングスロ ー」(投手板を蹴る勢いでジャンプし、投球する)として不正投球とされてい たものが、こちらも正しく投手板から蹴り出していれば、投手の軸足と自由足 を含む身体全体が空中にあっても、それは「ジャンピングスロー」ではなく、 「リーピング」という合法的な投球動作であると認められました。
これに伴い、6-3項「正しい投球動作」の項目も、この改正を受け、その 内容が大幅に書き換えられておりますので、その改正内容についても、下記ル ールを熟読し、新たなルールへの理解を深め、正しく実践できるよう役立てて いただければと思っております。
この「投球規定」の改正については、「ソフトボール競技の根本に関わる大 きな問題」であると、本協会ルール委員会はもちろん、理事会でも議論が重ね られ、「このようなルール改正はソフトボール競技本来の魅力や面白さを半減させてしまうものではないか」「この投球動作が合法という解釈はあまりにも 行き過ぎではないか」と危惧する声も多く、JSAルールへの採用には慎重な 意見もありましたが、国際的な動向として「投球規定」に関する判定基準は、 大幅に「緩和」される方向で動いていることを考慮し、この度、JSAルール への採用を決定するに至りました。
2012 ルール改正内容
R1-16 クローホップ CROW HOP とは、投球時、投手板以外の地面に軸足 をずらして、その地点から投球することをいう。投手板から軸足をずらして(投手 板から離れた地点から)投球を開始し、投手板以外の地点を蹴り出して投球すれば、 これは不正投球である。 (注)投手は、投手板から蹴り出していれば、跳んで(リーピング)、着地し、一連 の動作の中で投球してもよい。軸足が投手板から蹴り出され、その後に軸足が一連 の動作として動き続けている場合は、フォロースルーとみなし、クローホップとは みなさない。 【ポイント】従来と解釈・適用が大きく異なる点は、「最初から軸足を投手板以外の 地点にずらし、投球した場合が、「クローホップ」であり、不正投球が適用されるが、 正しく投手板から蹴り出し、投球を開始すれば、軸足が前方にずれ、いわゆる「セ カンドポイント」を作り、そこから改めて蹴り出しているように見えても、それが 一連の動作であれば、それは「フォロースルー」とみなされ、「クローホップ」は適 用されず、「正しい投球動作」として認められるというところが大きな改正のポイン トとなる。
R1-41 リーピング LEAPING とは、投球動作を開始し、投手板から蹴り出し、 身体全体が空中にある状態をいう。すなわち、正しく投手板を蹴り出した後、投手 の軸足と自由足の両方を含む身体全体が空中にあって、ホームプレートに向かって 動き、着地して、一連の動きの中で投球を行うことである。これは合法的な投球動 作である。 【ポイント】従来のJSAルールでは、「軸足を引きずっていれば合法」「軸足の甲 が下を向いたままならば合法」との判断基準を用いていたが、このルール改正によ り、正しく投手板を蹴り出した後、両足が空中に浮いていても(投手板を蹴り出す 勢いでジャンプしても)、これは正しい投球動作であり、不正投球は適用されない。
6-3項 正しい投球動作
1.投手はウインドミル、スリングショットなどのモーションで投球してよいが、速やかに球を投げなければならない。
2.投手は両手で球を持って、投球姿勢に入ったのちは、球を片手から離して前後左右に 揺すったり、再び両手に戻したりしてはならない。
3.一つの投球動作でウインドミルとスリングショットを組み合わせたり、途中で停止し たり、逆回転したり、まぎらわしい投球動作をしてはならない。
4.投手は、ウインドミルで投球するとき、腕を2回転させてはならない。 (注)ウインドミルモーションをはじめる前に、腕を横あるいは後ろに落としてもよい。 このとき腕は2回腰を通過することになる。
5.打者に対して下手投げで、手と手首が体側線を通過しながら球を離さなければならな い。 (注)手は腰の下にあって、手首は肘よりも身体から遠く離れないようにしなければなら ない。
6.打者に対して自由足を一歩前方に踏み出すと同時に、投球をしなければならない。自 由足を踏み出す範囲は、投手板の両端の前方延長線内でなければならない。
7.投手の軸足は、前方へ引きずったり、跳んだりする前は、投手板に触れていな ければならない。 (注1)軸足は、投手板に触れたままであれば、投手板の上でスライドさせてもよ い。軸足を投手板から持ち上げて、再び置き直すと不正投球となる。 (注2)投手板から蹴り出していれば、軸足を引きずったり、跳んだりして着地し、 投球することは合法的である。軸足を投手板から離し、前方へ移動させ、投手板に 触れていない地点から投球すると不正投球となる。
8.投手板から軸足をずらして(投手板から離れた地点から)投球を開始し、投手 板以外の地点を蹴り出して投球すれば、これは不正投球である。(クローホップ) (注)投手は、投手板から蹴り出していれば跳んで(リーピング)、着地し、一連の 動作の中で投球してもよい。軸足が投手板から蹴り出され、その後に軸足が一連の 動作として動き続けている場合は、フォロースルーとみなし、クローホップとはみ なさない。
9.投手は球を離したのち、投球動作を続けてはならない。
10.投手は投球姿勢に入ったならば、打者の打撃を阻止するため故意に球を落としたり、 転がしたり、弾ませたりしてはならない。
11. 投手は球を受けるか、球審がプレイの指示をしたのち、20秒以内に次の投球をしなけ ればならない。
2012 競技者必携変更点(投球規定関連のみ) 10.投手板の踏み方
P120(中段・中・右図) ※右投手の場合/白・自由足 黒・軸足
(注)自由足・軸足とも、両足が投手板に触れていれば、合法的な投手板の踏み方 である。
ただし、足が投手板の側面だけに触れている場合は投手板に触れているとはみな さない。
【ポイント】軸足は触れているだけでは、投手板に触れているとはみなされなかっ た(完全に投手板に乗せていないといけなかった。逆に自由足は側面に触れてい るだけでもよかったが、今回の改正で自由足、軸足ともに投手板の側面に触れて いるだけでは、投手板に触れているとはみなされなくなった。
P121 図1
投手板に両足が触れ、正しくセットしており、軸足のつま先の位置が投球開始時と 変わらなければ、その後の一連の投球動作の中で踵が投手板から離れても不正投球 とはみなさない。
P121 図2
投手板に両足が触れ、正しくセットしており、軸足が投手板の上を前方にスライド しても合法的な投球動作である。また、軸足のつま先の位置がスライドさせた地点 と変わらなければ、その後の一連の投球動作の中で踵が投手板から離れても不正投 球とはみなさない。
P121 図3
投手板に両足が触れ、正しくセットしており、軸足が投手板の上を斜めにスライド しても合法的な投球動作である。また、軸足のつま先の位置がスライドさせた地点 と変わらなければ、その後の一連の投球動作の中で踵が投手板から離れても不正投 球とはみなさない。
2009年10月、ベネズエラ・マルガリータ島で第24回ISF(国際ソフトボー ル連盟)総会が開催され、その専門委員会の一つであるルール委員会では、43 のルール改正案をこの席上で承認。2010年1月1日から、この新たなISFル ールが施行され、そのルールに基づいて競技が実施されております。
JSA(財団法人日本ソフトボール協会)では、この改正されたISFルー ルの中でも、大幅に修正・変更された「投球規定」に関するルールの内容を、 すぐに採り入れるのではなく、世界選手権をはじめ、各種国際大会でどのよう に運用され、適用されているかを研究・確認し、2012年度のJSAルールへの 採用の可否について慎重に吟味・検討を重ねた結果、本年度からこの「投球規 定」に関するルールを採用することになりました。
「投球規定」の内容の主な改正点としては、ルール1「定義」16項「クロー ホップ」の内容が大幅に書き改められ、新たに「リーピング」が「合法的な投 球動作」として認められ、採用されたことが挙げられます。
「クローホップ」については、従来JSAルールでは、いわゆる「ツー・ス テップ」として不正投球とされていたものが、正しく投手板から蹴り出し、一 連の動作であれば、「フォロースルーとみなし、クローホップとはみなさない」 と、その内容が大幅に「緩和」されています。
新設された「リーピング」は、従来JSAルールでは、「ジャンピングスロ ー」(投手板を蹴る勢いでジャンプし、投球する)として不正投球とされてい たものが、こちらも正しく投手板から蹴り出していれば、投手の軸足と自由足 を含む身体全体が空中にあっても、それは「ジャンピングスロー」ではなく、 「リーピング」という合法的な投球動作であると認められました。
これに伴い、6-3項「正しい投球動作」の項目も、この改正を受け、その 内容が大幅に書き換えられておりますので、その改正内容についても、下記ル ールを熟読し、新たなルールへの理解を深め、正しく実践できるよう役立てて いただければと思っております。
この「投球規定」の改正については、「ソフトボール競技の根本に関わる大 きな問題」であると、本協会ルール委員会はもちろん、理事会でも議論が重ね られ、「このようなルール改正はソフトボール競技本来の魅力や面白さを半減させてしまうものではないか」「この投球動作が合法という解釈はあまりにも 行き過ぎではないか」と危惧する声も多く、JSAルールへの採用には慎重な 意見もありましたが、国際的な動向として「投球規定」に関する判定基準は、 大幅に「緩和」される方向で動いていることを考慮し、この度、JSAルール への採用を決定するに至りました。
2012 ルール改正内容
R1-16 クローホップ CROW HOP とは、投球時、投手板以外の地面に軸足 をずらして、その地点から投球することをいう。投手板から軸足をずらして(投手 板から離れた地点から)投球を開始し、投手板以外の地点を蹴り出して投球すれば、 これは不正投球である。 (注)投手は、投手板から蹴り出していれば、跳んで(リーピング)、着地し、一連 の動作の中で投球してもよい。軸足が投手板から蹴り出され、その後に軸足が一連 の動作として動き続けている場合は、フォロースルーとみなし、クローホップとは みなさない。 【ポイント】従来と解釈・適用が大きく異なる点は、「最初から軸足を投手板以外の 地点にずらし、投球した場合が、「クローホップ」であり、不正投球が適用されるが、 正しく投手板から蹴り出し、投球を開始すれば、軸足が前方にずれ、いわゆる「セ カンドポイント」を作り、そこから改めて蹴り出しているように見えても、それが 一連の動作であれば、それは「フォロースルー」とみなされ、「クローホップ」は適 用されず、「正しい投球動作」として認められるというところが大きな改正のポイン トとなる。
R1-41 リーピング LEAPING とは、投球動作を開始し、投手板から蹴り出し、 身体全体が空中にある状態をいう。すなわち、正しく投手板を蹴り出した後、投手 の軸足と自由足の両方を含む身体全体が空中にあって、ホームプレートに向かって 動き、着地して、一連の動きの中で投球を行うことである。これは合法的な投球動 作である。 【ポイント】従来のJSAルールでは、「軸足を引きずっていれば合法」「軸足の甲 が下を向いたままならば合法」との判断基準を用いていたが、このルール改正によ り、正しく投手板を蹴り出した後、両足が空中に浮いていても(投手板を蹴り出す 勢いでジャンプしても)、これは正しい投球動作であり、不正投球は適用されない。
6-3項 正しい投球動作
1.投手はウインドミル、スリングショットなどのモーションで投球してよいが、速やかに球を投げなければならない。
2.投手は両手で球を持って、投球姿勢に入ったのちは、球を片手から離して前後左右に 揺すったり、再び両手に戻したりしてはならない。
3.一つの投球動作でウインドミルとスリングショットを組み合わせたり、途中で停止し たり、逆回転したり、まぎらわしい投球動作をしてはならない。
4.投手は、ウインドミルで投球するとき、腕を2回転させてはならない。 (注)ウインドミルモーションをはじめる前に、腕を横あるいは後ろに落としてもよい。 このとき腕は2回腰を通過することになる。
5.打者に対して下手投げで、手と手首が体側線を通過しながら球を離さなければならな い。 (注)手は腰の下にあって、手首は肘よりも身体から遠く離れないようにしなければなら ない。
6.打者に対して自由足を一歩前方に踏み出すと同時に、投球をしなければならない。自 由足を踏み出す範囲は、投手板の両端の前方延長線内でなければならない。
7.投手の軸足は、前方へ引きずったり、跳んだりする前は、投手板に触れていな ければならない。 (注1)軸足は、投手板に触れたままであれば、投手板の上でスライドさせてもよ い。軸足を投手板から持ち上げて、再び置き直すと不正投球となる。 (注2)投手板から蹴り出していれば、軸足を引きずったり、跳んだりして着地し、 投球することは合法的である。軸足を投手板から離し、前方へ移動させ、投手板に 触れていない地点から投球すると不正投球となる。
8.投手板から軸足をずらして(投手板から離れた地点から)投球を開始し、投手 板以外の地点を蹴り出して投球すれば、これは不正投球である。(クローホップ) (注)投手は、投手板から蹴り出していれば跳んで(リーピング)、着地し、一連の 動作の中で投球してもよい。軸足が投手板から蹴り出され、その後に軸足が一連の 動作として動き続けている場合は、フォロースルーとみなし、クローホップとはみ なさない。
9.投手は球を離したのち、投球動作を続けてはならない。
10.投手は投球姿勢に入ったならば、打者の打撃を阻止するため故意に球を落としたり、 転がしたり、弾ませたりしてはならない。
11. 投手は球を受けるか、球審がプレイの指示をしたのち、20秒以内に次の投球をしなけ ればならない。
2012 競技者必携変更点(投球規定関連のみ) 10.投手板の踏み方
P120(中段・中・右図) ※右投手の場合/白・自由足 黒・軸足
(注)自由足・軸足とも、両足が投手板に触れていれば、合法的な投手板の踏み方 である。
ただし、足が投手板の側面だけに触れている場合は投手板に触れているとはみな さない。
【ポイント】軸足は触れているだけでは、投手板に触れているとはみなされなかっ た(完全に投手板に乗せていないといけなかった。逆に自由足は側面に触れてい るだけでもよかったが、今回の改正で自由足、軸足ともに投手板の側面に触れて いるだけでは、投手板に触れているとはみなされなくなった。
P121 図1
投手板に両足が触れ、正しくセットしており、軸足のつま先の位置が投球開始時と 変わらなければ、その後の一連の投球動作の中で踵が投手板から離れても不正投球 とはみなさない。
P121 図2
投手板に両足が触れ、正しくセットしており、軸足が投手板の上を前方にスライド しても合法的な投球動作である。また、軸足のつま先の位置がスライドさせた地点 と変わらなければ、その後の一連の投球動作の中で踵が投手板から離れても不正投 球とはみなさない。
P121 図3
投手板に両足が触れ、正しくセットしており、軸足が投手板の上を斜めにスライド しても合法的な投球動作である。また、軸足のつま先の位置がスライドさせた地点 と変わらなければ、その後の一連の投球動作の中で踵が投手板から離れても不正投 球とはみなさない。
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