日本古代史ブログ

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ショートショート

2022-04-11 08:54:06 | ショートショート

『うまい!』

「課長。今の電話の方は馬場さんでしたっけ?」

「オレも電話に出たがはっきりしなかったな。駒田さんか?」

「そんなわけないでしょ。馬坂さんじゃないですか?」

「確か食べ物に関係がある苗字だったと記憶しています」

 ここはある商社の営業課。電話で商談が成立した相手の名前をうっかり聞き忘れた。

 課長、係長、主任、新入社員は顔を見合わせる。

 誰も責任を取りたくないのでゴタゴタ問答を始める。

「課長。馬の名字が付きます」

「食べ物に関連する苗字です」

「馬坂さんに間違いありません」

「オレは馬坂さんだと思わないぞ」

 みんなで課長に向かって指をさす三人。

 課長はしぶしぶ履歴から電話をかけて「もしもし」と電話の主を呼び出す。

 課長は小声になる。うまいうまい、とばかり言葉を繰り返す。

 不安に感じる三人。課長が電話を切る。

「課長。ヨイショしてたんですね?」

「食べ物の名字じゃなかったんですね?」

「馬坂さんだったんでしょう?」

 課長が三人を「静かにしろ」と一喝する。

 静まり返る三人。課長が咳払い。

 三人が課長のそばに寄って「どんな苗字なんですか?」と尋ねる。

「馬井さんだよ。だからうまい、うまいっていっただろう? 無能な部下奴」と苦笑いした。

 

※古代史の分身たる牧野君の著作です。

よろしくお願いします。

 

 

 

 

 

 

 

※牧野君はボカロpもしてます。

 まだ駆け出しですがよろしくお願いします!

 

 

 

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