「開場します。」スタッフの声と共に、ガラス扉は開かれた。
受付を済ませた観衆が、続々とホールへ向かっていた。
そして、ついにあの方も受付を済ませ、我々の方へゆっくりとした足取りで向かっていた。
「みんな、長官をお迎えに行くぞ!」ケンチャンの一声で一行は長官のもとへ足早に向かった。
「長官、ご無沙汰しております。今日はご夫婦でお出でいただき、ありがとうございました。」
ヒラチャンが代表して長官に挨拶をした。
田中長官の姿を目にしたメンバーは、一瞬、現役時代に戻ったような気がした。
「みんな久しぶりだね。 今日は楽しみにしているよ。」田中長官は笑顔で答えた。
「皆さん、そんなに固くならないで。 芸能人は笑顔が大事よ。」
長官の隣にいた妻の輝枝さんは笑顔を浮かべながらメンバーを見回した。
長官の奥様が我々に優しい言葉をかけてくださっても、どうしても固くなってしまう。
これには、ちょっとした理由があった。
彼の名前は田中節夫。元警察庁長官だ。
KOBが田中長官と出会ったのは、彼が宮城県警本部長として就任していた時期だった。
かつて日本の警察のトップにいた長官に対して、粗相があってはならない、
皆そのことで頭の中が一杯になっていた。
「そうだよ、固くならないで。私は君たち同様、隠居の身なんだから。
長官じゃなくって、そうだな・・・セッチャンでいいよ。」長官は少し照れくさそうに言った。
「セッチャン!?」その言葉を聞いて、皆驚いてしまった。
「KOB、そろそろ楽屋に行けよ。」後ろから真野先生の声が聞こえた。
「ああ、真野先生。 長官・・・いやセッチャン、この方は私たちの歌の先生なんです。」
ケンチャンはセッチャンに真野先生を紹介した。
「なるほど、それはそれは。」セッチャンと輝枝さんは真野先生に会釈をした。
「長官、記念に写真を撮りませんか?」ダイチャンは鞄からカメラを取り出した。
「そうね、記念だから真野先生も一緒にどうぞ。」ひろみ先生は真野先生の方を振り向いた。
「それでは長官と奥様は中央へ、真野先生はそちらへ。皆さん撮ります、は~い。」
ダイチャンはシャッターを切った。
「では頑張ってくれ!」セッチャンはそう言うと、輝枝さんと二人でホールへ向かった。
「我々も楽屋へ行こう。」 KOBは楽屋へと向かった。
(次回予告)
第6話 いよいよステージへ
受付を済ませた観衆が、続々とホールへ向かっていた。
そして、ついにあの方も受付を済ませ、我々の方へゆっくりとした足取りで向かっていた。
「みんな、長官をお迎えに行くぞ!」ケンチャンの一声で一行は長官のもとへ足早に向かった。
「長官、ご無沙汰しております。今日はご夫婦でお出でいただき、ありがとうございました。」
ヒラチャンが代表して長官に挨拶をした。
田中長官の姿を目にしたメンバーは、一瞬、現役時代に戻ったような気がした。
「みんな久しぶりだね。 今日は楽しみにしているよ。」田中長官は笑顔で答えた。
「皆さん、そんなに固くならないで。 芸能人は笑顔が大事よ。」
長官の隣にいた妻の輝枝さんは笑顔を浮かべながらメンバーを見回した。
長官の奥様が我々に優しい言葉をかけてくださっても、どうしても固くなってしまう。
これには、ちょっとした理由があった。
彼の名前は田中節夫。元警察庁長官だ。
KOBが田中長官と出会ったのは、彼が宮城県警本部長として就任していた時期だった。
かつて日本の警察のトップにいた長官に対して、粗相があってはならない、
皆そのことで頭の中が一杯になっていた。
「そうだよ、固くならないで。私は君たち同様、隠居の身なんだから。
長官じゃなくって、そうだな・・・セッチャンでいいよ。」長官は少し照れくさそうに言った。
「セッチャン!?」その言葉を聞いて、皆驚いてしまった。
「KOB、そろそろ楽屋に行けよ。」後ろから真野先生の声が聞こえた。
「ああ、真野先生。 長官・・・いやセッチャン、この方は私たちの歌の先生なんです。」
ケンチャンはセッチャンに真野先生を紹介した。
「なるほど、それはそれは。」セッチャンと輝枝さんは真野先生に会釈をした。
「長官、記念に写真を撮りませんか?」ダイチャンは鞄からカメラを取り出した。
「そうね、記念だから真野先生も一緒にどうぞ。」ひろみ先生は真野先生の方を振り向いた。
「それでは長官と奥様は中央へ、真野先生はそちらへ。皆さん撮ります、は~い。」
ダイチャンはシャッターを切った。
「では頑張ってくれ!」セッチャンはそう言うと、輝枝さんと二人でホールへ向かった。
「我々も楽屋へ行こう。」 KOBは楽屋へと向かった。
(次回予告)
第6話 いよいよステージへ
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