毎朝アストロバンに生徒達を乗せてコーナーストーンクリスチャンスクールへ行く。8amまでに学校へ着くためには7:30amに家を出てホストファミリーで生徒をピックアップして行く。この朝のひと時に必ずラジオ局93.1マジックを聞く。面白いインタビューや良い選曲で生徒達に人気がある。ラジオは声だけが聞こえるのでどんなDJかが話題になる。女性と男性のコンビがかなり面白い会話をしてくれる。女性はセクシーな声で男性は低音で一度は会ってみたいタイプだ。そこである日ラジオ局へ電話をしてこの2人がやっている番組の放映中に訪問してもよいかを聞いてみた。小さな町のラジオ局はとても親切な応対だったのが嬉しい。学校が休みの平日にOKが取れた。生徒達を連れてこの2人のDJと会った。顔をあわせると意外な感じのタイプ。女性は25歳くらいで思ったよりもずっと若かった。男性は40歳くらいで思ったよりもずっとふけていた。マイクに向かって全員でGood Morning.と叫ばしてくれた。我々の声もOn Airとなったのだ。ラジオ局のTシャツをおみやげにもらって嬉しそうに生徒達はGoodbyした。その日以降はこの番組を聴くとDJの顔が浮かんできて一層親しみがわいた。
成人になることの意味を考えさせられるのが誕生日だ。日本では20歳になると成人として扱われる。アメリカでは18歳で成人として扱われる。法律的に個人の人権と責任が問われることが成人であるかどうかの違いだ。例えば犯罪を犯して未成年だということで名前が隠されるのが1つの基準となる。日本ではたとえ成人となっても親が子供のための保護をする目的で成人の子供の間違いを正す努力をしてもおかしくない。アメリカでは一般にそういう目では見られない。18歳になったら完全に親から独立していると法律上は解釈されるので親は一切介入しないのが原則だ。この世間の風潮はかなり徹底していて子供は18歳になって高校を卒業した時点で親元を離れてアパートに入るとかして独立をしたがる。これは友達の手前親と同居ははずかしいと言う心理も働いている。自分の生活は自分ですると言うことはお金の面でもいえることだ。バイトを真剣にすることで自分の生計を立てることを覚える。大学へ入学することも覚える。一人前になるのは友達関係も大きく影響する。親からおこずかいをもらっていた時と比べると自分が稼いだお金なので自由がきく。バイトで働く時間を増やして収入を増やすことを学ぶ。大学の勉強と働く時間との調整をすることの難しさを学ぶ。こうした社会体験がスタートするのが18歳だ。
友達関係はどこへ行っても大事です。良い友達がいるといいことがたくさんあるし悪い友達がいると嫌なことがたくさんあるのが普通です。留学生がアメリカ人の友達を作るときに落とし穴があります。英語が苦手な留学生に対して普通以上に親切にしてくれる生徒がいることはよいことですが心配なのは悪の手が伸びてくることです。特に公立高校へ通っていると様々な家庭環境から来ている生徒がいますから法律に触れるようなことを平気でやっているような生徒も混じっています。どういうことが法律に触れるかというと麻薬、タバコ、飲酒です。日本でも高校生が飲酒をするとかタバコを吸うとかは退学の理由になります。しかし麻薬は滅多に問題になりません。アメリカでは麻薬はそれを売ってお金儲けをしようと考えている人がいます。その仲間となっている高校生もいます。私が生徒を送っているクリスチャンの私立学校ではこうしたことはまったくありませんが公立に通っている生徒はかなり頻繁にこうした誘惑に誘われるようです。最初は親切に近寄ってきてすぐに友達になるのですが時間が経つと麻薬を使う仲間に紹介されて少しずつ深みにはまっていくことがあります。友達とは言えない人間関係でもうわべは友達のように見せかけてお金を稼ぐことが目的で留学生を利用したりするのです。気をつけなければなりません。
日本とアメリカで日本が断然勝っているのが最新の携帯機種の品揃えと携帯が生み出した文化の進歩だ。日本で発売される携帯の機能がアメリカで売られている携帯のものよりもはるかに優れているのはなぜだろうか。携帯から発信する情報が単に電話の会話やカメラの映像だけでなくて小説を書いたりネットのサーフィングもする若者が日本では増えている。もはやPCがなくても困らない時代になっている。パソコンは家に置いたままでほこりをかぶっている場合が多くなった。こうなると携帯は一日でも無しでは生きていけない状況となる。アメリカの携帯を扱っている会社が電話産業の地図を塗り替えている。昔は電話サービスは大手が独占していたが今では大手は苦戦している。電話網と言う表現が古臭く聞こえる時代だ。携帯で話すことが場所と関係なくいつでもどこかれでも可能となったからだ。
ホストファミリーに入る生徒はその家庭の一員としていい子でいないと困る。アメリカの普通の家で生活することはアメリカの生活習慣に合わせて毎日を過ごすことが必要となる。子供がいる家庭では夜は家族全員が9時頃に寝てしまうので日本で夜更かしをすることが当たり前になっている生徒が驚く。一般に日本ではかなり自由きままに生活をすることが許されているのでホストファミリーがお皿を洗いなさいとか部屋はいつもきれいにしておきなさいといった基本的なことさえ大変に感じる。優しいホストマザーにあたると日本での生活をそのままアメリカでさせてくれる場合もある。子供がいなくてペットをかわいがっているだけの美容師をしているアニタさんはこの優しいホストマザーの典型だ。自分の子供がいないので生徒を子供がわりに考えてくれるから生徒にとってはありがたい。優しくて頼りになるホストマザーには大学の寮に入ってからでもたまに遊びに行く気になる。
デズニーがアメリカの代表だと思う人はその雰囲気をグランドジャンクションへ持ってきたチャッキーチーズへ行くべきだ。ここはレストランとゲームセンターが一緒になった楽しい場所だ。一度体験した子供達は誕生日をいつもここでしたいと言うだろう。入り口のメニューでオーダーするとその金額と合わせてゲームで遊べるコインを何十個ともらえる。食事がテーブルへ出て来る前に子供達は好きなゲームで遊べる。それだけではない。ゲームで勝つとコインがたくさんでてくる。このたくさん集まったコインをおもちゃと取り替えてくれるカウンターがある。ピザを中心にしたこのレストランは家族連れで賑わう。留学生の誕生日にはビックリパーティーをここでよくやる。ショッピングモールの一角にあるので誰か仲のいい生徒にショッピングに誘ってもらう。決まった時間にここへ顔を出してもらう。中へ入ると隠れていた大勢の友達が現れて「ハッピーバースデー」と叫ぶ。自分のテーブルにはチャッキーチーズのマスコットが訪れてくれる。そこで記念写真を撮るのでのちのちまで残る思い出となる。
サッカーは世界で一番盛んなスポーツだ。ラテンの国、ヨーロッパの国、アジアの国、どこの地域を見てもサッカーほど人気があるスポーツはない。アメリカはフットボールと野球、それにバスケットボールが断然主流となっている。この頃はアメリカの全国でスペイン語とサッカーが台頭している。その大きな理由がメキシコからの移民が増加しているからだ。ここグランドジャンクションでもメキシコ人の数が増えているのが目に見えている。買い物に行ってスペイン語が耳に入ってこない時はない。日本からの留学生の1人がメキシコのサッカーチームに入った。英語ができるのはその中でも1人か2人しかいない。メキシコ人のチームと白人のチームとの混合で成り立っている地元のサッカーリーグがある。留学生が入ったチームはコヨーテといって過去4回優勝しているレベルが高いチームだ。彼は高校のチームにも入っていた。メキシコ人のチームは成人サッカーなので平均年齢が30歳くらいだった。彼らのサッカー歴は長い。留学生は17歳だから最初はちょっと無理だろうと言われていた。ところが彼は日本の高校でもサッカー部で活躍していた経験があって実力があった。シーズンを終えてみると彼はメキシコ人からべたぼめだった。
家の裏庭にバッティングケージがある。ホストファミリーの中にはかなりの金持ちがいる。息子さんが高校野球でピッチャーをしているこの家族は野球にはまっている。ゴルフコースのすぐ近くにある邸宅に住んでいるこの家族は日本のファンだ。日本人がアメリカの野球界で活躍しているこの頃では日本の野球がレベルが高いことが知れ渡っている。留学生にとって日本の印象がよいことはとても助かる。政治やスポーツが国と国との関係に大きな影響を与える。アメリカがくしゃみをすると日本が風邪をひく。イラク戦争で日本はアメリカに対して援助の姿勢を崩さない。日本がアメリカの味方であることは留学生にとってはとてもよいことだ。
日本とアメリカの文化交流は政治的にも経済的にも素晴らしい。戦争で勝った国と負けた国とが戦後これほど親密な関係を持った例は少ないのではないだろうか。日本の経済発展がアメリカの富に引っ張られて自由主義経済のもとで奇跡的だとも言われた。アメリカの政治介入が失敗したベトナムやイラクと比べると日本の復興は大きなアメリカの功績となる。昨夏にはアメリカの高校野球チームが日本の高校野球チームと親善試合をした。様々なスポーツで日米の親善が盛んだ。アメリカへ留学する生徒が多いのは日本にとって大きな投資だ。高校や大学をアメリカで過ごすことで人生観が大きくなる。昔から日本に特有な島国としての環境がある。それは自分の行動を決めるのに他人がどう思うかを優先すると言う自主性に欠けた人生観だ。それは団体の中でその一員として行動する時に団体の意思を個人の意思よりも優先するという場合には効果がある。それは社会に出て会社人間として働く立場になると大事な要素とされる。自分の生活は二の次だと考えねば日本の会社では勤まらない。アメリカの会社では時計が大きな力を持っている。5時になると女子社員は一斉に姿を消すからだ。自分の生活が優先されて会社の都合は二の次だ。会社のために私生活を犠牲にするなどは考えられないのがアメリカの風土だ。日本人がますます海外で活躍するようになって私生活を優先する人が増えている。今後ますますアメリカに見習って個人主義を大事にする人が増えると予想される。
毎日の生活でコンピューターと携帯は欠かせないものだ。学校にいてもマイスペースをチェックしたい生徒がいる。授業中に携帯が鳴る。こうした状況に対処するために学校はルールを作っている。このルールを守らない生徒は罰せられる。停学になる場合もある。高校ではコンピューターラボのルールがますます厳しくなっている。まずは許可なしにラボに入ってはいけない。ラボの中で騒いではいけない。勝手に私用でコンピューターを使ってはいけない。印刷する時には先生の許可を得る。ダウンロードしてはいけない。ファイルを削除してはいけない。生徒の中でパソコンを持っていない人は完全に時代遅れとなる。携帯とパソコンの両方がないと不便な場合が多い。携帯でダウンロードした情報をパソコンで作業するのは音楽やグラフィックなど多岐にわたる。新しい型の携帯が限りなく発売されている。携帯自体がパソコンの役割をするようになってきている。