今回は先日買った本の紹介です。
今回紹介するのはこちら。JTBキャンブックスの「ローカル私鉄車輛20年・路面電車・中私鉄編」寺田裕一著です。定価は税別1700円。2003年4月発行
ちなみにこのシリーズでは他に東日本編・西日本編・第3セクター・貨物線専業編などがあるようです。
本書の掲載範囲の「路面電車・中私鉄」ですが、何をもって路面電車とするかは定義が難しいですが、前書きによれば「路面での乗降に優しい低床式電車の走る路線」要は路面電車の形をした電車が走っている路線を基準にしているそう。
掲載路線は具体的に「札幌市交通局(市電)」「函館市交通局」「東京都交通局(荒川線)」「東京急行電鉄(世田谷線)」「豊橋鉄道豊橋市内線」「名古屋鉄道美濃町線・岐阜市内線」「富山地方鉄道富山市内線」「京福電気鉄道嵐山線」「京阪電気鉄道大津線」「阪堺電気軌道」「岡山電気軌道」「広島電鉄」「伊予鉄道松山市内線」「土佐電気鉄道」「西日本鉄道北方線・北九州線」「筑豊電気鉄道」「長崎電気鉄道」「熊本市交通局」「鹿児島市交通局」「総武流山鉄道」「江ノ島電鉄」「箱根登山鉄道」「伊豆箱根鉄道大雄山線・駿豆線」「伊豆急行」「静岡鉄道」「遠州鉄道」
(以上は目次から)
この各路線で1980年4月1日以降、本書刊行直前の2003年1月1日までの間の期間で活躍・在籍した車両が紹介されています。
本文の一例。
1冊でこれだけの車両を紹介するので、各形式・車両の紹介はあっさりとしていて概要程度ですが、巻末に諸元表が付いているので数値スペックの確認・比較もできます。
巻末の諸元表のページ
各車両の詳しい解説を見たいというよりも、まずはどんな車両が活躍していたのがカタログ的に見て、気になった車両は他の本やネットで詳しく見るというインデックス的な読み方にお勧めですね。
今はネット時代でネットで何でも調べられるように思いきや、検索しようと思いつかなった事項は調べることが出来ません。検索のとっかかりとしてネット社会の現代だからこその有意義なスタイルの本とも言えます
他に沿線風景も絡めたカラーページもあって往時の雰囲気が偲ばれますね。
西鉄北方線のように1980年11月に路線ごと廃止になってしまった路線や、今では見られない旧型車両も乗っている反面、1990年代以降に登場した新形式車両も載っていてパラパラ見ているだけでも楽しめます
こうしてみると90年代後半の時代になってもまだまだ旧型車然とした貴重車が残っていたりで、当時もっと乗っておければ・・と後悔する部分もありますね。
伊豆箱根鉄道大雄山線の項では5000形登場前夜の旧型車から載っています。
大雄山線は7本配置5本使用が基本ですが、新型車の5000形が6編成揃っても(6編成目は93年9月竣工だそう)、日中の車両交換なども含めて旧型車が結構運用に就いていて、時々乗ったものですが、今思えば旧型国電然とした車両に乗れた貴重な機会でしたね。
70年代頃までは2両編成が多かったと聞いたことがありますが、この本では営業車両は全て3両組成になっていますね。
他に静岡鉄道では1000形以前の旧型車としては300・350形が。広島電鉄では宮島線高床車が載っています。
この本が刊行された2003年から既に16年が経過。この間に新たに登場した新型車、一方で引退してしまった車両もあります。2003年以降の新型車が触れられていないので「現在の姿」を知るには不向きですが、20世紀終わりの時代から21世紀初頭の時代、今となっては思い出になる貴重な旧型車が最後の活躍をしていた時代を知る一冊としてもお勧めな本ですね。
類似の本で同じ著書の「私鉄気動車30年」も持ってますがこちらも同じように意義のある本でした。まだ持ってない東日本・西日本編なども気になってきますね
2019/7/9 1:15(JST)