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都市建設&行政シミュレーションゲームトキオ(その9・開発独裁の夢と孤独)

前回から続く

先日、放送大学で「東南アジアの歴史」という2018年開設の講座を勉強しましたが、太平洋戦争後の東南アジアの歴史を考える中で一つのキーワードとして「開発独裁」という政治体制があります。

開発独裁というのは簡単にまとめると、主に植民地から独立したばかりなど政治体制が整っていない新しい国が、強い指導者の下で強権的な政治体制が敷かれ、選挙が行われなかったり行われても有名無実化して政権交代が行われないなどで長期の政権に就く一方で、国家主導で外資の導入など積極的な経済開発が行われ経済成長に導くという政治体制のことです。

庶民から見れば一口にいえば「色々政治には問題があるけど、経済成長でどんどん生活が良くなってるのが実感できるしまぁ・・・」といったところでしょうか。

代表的なところではインドネシアのスハルト、フィリピンのマルコス、シンガポールのリー・クアンユーといった国や人物が挙げられます。また中には戦後高度経済成長期の日本もまた自民党の長期政権による開発独裁のようなものだったと評する人もいるようです。

しかし経済成長といっても、いつまでも無限に続くわけでもなく陰りが見え始めて来たり、長期の独裁政権の中で汚職や贈収賄、同族企業への優遇などの不正に対する国民の不満の顕在化。また長期政権維持のための人権抑圧に対する抵抗や民主化運動の台頭など「色々問題があるけどいいこともあるからまぁ・・」と言ってもいられなります
結果的に民主化運動の台頭などで大規模な政変やクーデターが起こり独裁政権は崩壊。開発独裁主義は終焉を迎える国も多い一方でシンガポールのように長期にわたって政権が維持されている国もあります。

さて前置きが長くなりましたがアートディングシミュレーションゲームのトキオ。
宇宙港貿易の莫大な利益を元手に公共事業や各種産業への補助金の積極投下により都市開発を進めるトキオの運営、そして選挙に落選しない限り続く区長の座。実は開発独裁主義なのかも・・。

ヤマトキオもヤマトン@@区長、無事1999年選挙に当選して2期目になりました。
まだ長期政権とは言えませんね。



ヤマトン@@区長のイメージ



執務中のヤマトン@@区長のイメージ

画像は大和市公式Webサイトのイメージから



トキオの中央町(中央林間町)はゲーム開始時点から既に全町整備済み。人口2000人強とはいえ行政府庁舎や学校・公民館など基本的な公共施設や最低限の工場が建ち、住宅・農地なども既にそこそこ並んでいる状態です。
一方で幹線道路整備は行われておらず、ゲーム開始後に区長の手で道路整備をしようとしても用地確保が出来ず新たな道路整備もあまりできません。
開発の進展でどんどん住居が建ちこんで密集地帯化すると、生活道路の慢性的渋滞に住民が悩まされる姿が想像できます。



後から道路を整備したので微妙に繋がらず交通のネックになってそう。

ヤマトン@@区長はこの問題を解決する為に中央林間町を区画整理しようと決意した。
資料にも「土地収用の条例は支持率が高いうちに可決した方がよい」と書いてあるし・・
幸い今の支持率は57%と高めです。



2000年6月4日に議会を召集。「公共事業による強制立ち退き条例」制定に向けた審議を開始
審議では1回目の採決では僅差で否決されたものの、休憩をはさみ2回目の審議を挙行。2回目の審議では賛成16人・反対8人・未表明4人で無事採決されたのである



早速道路整備を敢行をするトン
ちなみにこの立ち退き条例を可決しても、4×4の1番地全てが開発済みで住居や建物が建っている土地は収用出来ないようですね

「立ち退きになってしまう住民の方には申し訳ないけど・・開発中の各町に代替地もあるし大丈夫だトン

と思いきゃ・・・なんと支持率が44%に急落してしまった

いくら条例で強制立ち退きが認められているからといって、住民が強制立ち退きをよく思うかどうかは別問題。住民には区政を批判する権利も当然あります。

立ち退きになった当事者以外の区民も「次はわが家が立ち退きの対象になったらどうしょう??」と心配し始めた人もいるようで・・・人口24926人のうち13%、およそ3240人が区長不支持に回ってしまったのである。

これには大慌てのヤマトン@@区長・・・

お祭り大好きなヤマトンですが7月の星祭に出向いても、罵声や怒号が飛んできそうでなんだか不安になってしまいます。11年前・1989年のルーマニア革命で処刑されたチャウシェスク大統領夫妻のニュースを思い出して夜も眠れなくなってしまいます。

ひっそりと街に出て180円のラーメンを食べても美味しさを感じません。ふとお店のテレビを見ると、強制立ち退きに不安を感じる街の声が取り上げられています。

隣のカラオケスナックからは噂の謎の曲が聞こえてきそうで気が気でありません。

あなたは振り返らずに人ごみにまぎれ
残した赤い薔薇もさびしく枯れゆく
かえらぬあのひとはトキオの区長さん


ある日、中央林間町にある行きつけの寿司屋「林間鮨」に足を運びました
ここは区長がトキオに来てからずっと通っている馴染みの店。

ワサビ微量のおまかせセットがお気に入りだ。今日は590円。魚類の価格はまずまず安定している

「区長さん・・・道路がよくなるのはありがたいね・・この辺りは渋滞が多くて魚の配達が遅くなって困ることもあるからね・・・」「トキオは地球よりも魚が安いから、お客さんも気軽に寿司を食べてくれてありがたいっすよ」

店のおやじはそう話しかける

「まぁ、誰にでも失敗はありますよ。もっとも区長さんにはあんまり失敗されると困るけどね失敗はこれから挽回しましょうよ」

店のおやじはそういってヤマトン@@区長を励ましたのである

この失敗を挽回するためには区民の為に頑張るしかないトン



そうだこの忌まわしき条例を葬り去らねば・・・
2000年8月26日議会で「公共事業による強制立ち退き条例」の廃止を提案。
賛成21人・反対3人・未表明2人という賛成多数で廃止が可決されたのである。

「やっぱり、みんなこの条例には反対だったんだ・・」
「区民のみんなごめんなさい安心して生活できるように条例は廃止にしたトン」

しかし一度失った信用を取り戻すのはとても難しい・・支持率も44%に落ちてからなかなか戻らないのである

でも中には嬉しいことも・・、区長直通電話の留守番電話を再生してみると



区民から激励のメッセージが入ってました



これには嬉しくなるヤマトン@@区長だったのである・・



信用を取り戻そうとヤマトン@@区長が努力している中、ついに2000年の12月、中央林間町と西鶴間町にマンションが建ったのを確認。人口が増えて街が発展してくると住宅密集地帯が区画整理されてマンションが「ぽん!!」と建ちます。

公共事業による立ち退きがダメでこのマンション建設の区画整理がいい理由もよく分かりませんが・・・まぁ街がそれだけ発展してきた証拠ではあるのでしょう


強制立ち退き以降、2000年12月31日までの約5か月強の間に行われた補助金投下は

農業4回(40億円)
魚介類養殖事業4回(約168億円)
牧畜事業2回(約72億円)
酒造事業1回(約42億円)
精密機械産業2回(約72億円)
繊維産業1回(約35億円)
化学産業1回(約35億円)
機械産業1回(約35億円)
観光業1回(10億円)
リサイクル産業1回(15億円)
更に2000年8月2日には新型貨物シャトル開発に援助(205億円)
他にも警察署の増設や泉の森大学の建設など公共施設もどんどん建った。
正に宇宙港貿易の利益をどんどん投下した怒涛の開発主義であった・・

この間にも2000年6月17日の人口25000人突破から11月22日には27000人突破と着実に人口は増え都市発展は続いた。

そして21世紀。宇宙コロニーのヤマトキオにも21世紀がやってきた

2001年1月1日元日に議会が召集され、ついに酸素税廃止が区長から提案されたのである



賛成23人反対0人未表明3人の圧倒的賛成で酸素税廃止が決議された。
経済成長中とはいえ月額1万円の酸素税の廃止は区民にとっては大喜びのはず

「めでたいお正月、1月1日にめでたいニュースを」というヤマトン@@区長の考えもわかるものの、元日早々議会に召集されてしまった議員達には少々迷惑のような気も・・・。ついつい先走ってしまう区長はまだまだ子供??



この時の税率は所得税10%・法人税17%。支持率は49%と上がっては来たものの・・といった状態



そして悪夢の強制立ち退きから約1年後。ようやく支持率は54%まで回復。
「何不自由なく生活できる」という嬉しい声を聞けるようにまでなりました

「信用を築くには大きな努力が必要だが失う時には一瞬である」
当たり前のように聞く慣用句を身をもって学んだヤマトン@@区長だったのである

<次回に続く>

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2019/2/22 00:05(JST)
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