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スマホケースの遥かな旅

日本に送ってくれる中国通販のAliexpress
色々な品物を中国発送で安く買うことが出来るのでスマホケースなど小物やサプライを買うのに便利に使っています。



先日到着したスマホケースの封筒のラベルを見てびっくり!!
なんと中央アジアの小国キルギス(キルギスタン)経由で来ました。

Aliexpressで特に少額な品物を送料無料(商品代金に込み)や送料が安い発送手段を選択すると中国から第3国を経由して日本に来る。というのはよくあるようで、今までも台湾経由は経験がありましたが、キルギスは初めてです。
ちなみに選択した配送業者は「SunYou Economic Air Mail」

注文は12月26日で到着は1月16日なので約20日。aliexpressの画面上では到着まで30~50日目安表示なので意外に速いですね??

今回届いた荷物から追跡情報を見てみると・・・

2020-1-16 配達投函
2020-01-12 10:05:00日本,到达处理中心
2020-01-09 14:43:00日本,到达目的地国家
2020-01-06 13:03:00顺友邮件转运中心,离开
2020-01-05 14:26:00顺友邮件转运中心,到达
2020-01-02 23:15:00香港,离开香港机场
2019-12-30 09:26:00中国,深圳,已收寄,该包裹发往日本
2019-12-30 02:43:00接收到预报信息,该包裹发往日本, 
2019-12-26 注文

日本に到着してから配達まで1週間かかっていること、日本国内では追跡入力されない郵便物であることを考えると、1/9の日本到着がこの追跡情報もどこまで本当なのか疑問がありますが・・
中国深圳から香港空港に運び航空便で輸送されていることがわかります。香港からどうやってキルギスに向かったのかはわかりません。

とはいえ単純計算で中国深圳からキルギス・ビシュケクまで直線で4277km、これは中国深圳~日本までの直線距離2844kmよりも長い距離です。まさにスマホケースの遥かな旅路です。



ラベルの拡大。
元のラベルの上にキルギスエクスプレスポストのラベルが貼られています。
差出人はキルギスの首都ビシュケクの住所。

なぜ中国から郵送するよりも一度第三国を経由する方が安いのか。これは各国からの日本宛の国際郵便料金が距離ではなく、各国の物価や経済状況などを考慮した上で万国郵便条約で定められていることが影響します。
特に新興国は安く設定されていて、日本宛の国際郵便が下手すると日本の国内郵便よりも安く発送できることによります。
(その分、日本郵便の引受価格はかなり安いため、日本企業がDMを一度海外に輸送し日本宛て国際郵便で投函することで安く済ませるリメーリングが問題になったことも)

キルギス(キルギスタン)は旧ソ連から独立した中央アジアのうち中国と国境を接する旧ソ連領でも南西側にある国。かっては唐やモンゴル帝国の領土だった時代もあるようで国土の4割が標高3000m以上。首都のビシュケクも標高800mの場所だそう。キルギスの位置する中央アジア一帯は旧ソ連の崩壊により連邦から独立した国々が入り組み、日本人にはそもそも馴染みが薄いこともあってイメージがつかみずらいエリアでしょう。

下川裕治著「ディープすぎるシルクロード・中央アジアの旅」(角川・中経の文庫)では、ウイグルのカシュガルからトルガルト峠を経由してキルギスに入る際の、標高3700m付近の中国・キルギス国境の検問所付近にて
(引用)
ゲートを先頭にしたトラックの列は、いったんイミグレーション付近で切れたが、再びびっしりと続いていた。中国に物資を運ぶキルギスのトラックばかりだった。その数、三百台、いや五百台、ともかく延々とトラックが並んでいた
(中略)
物価の安い中央アジアから見れば、中国は生産地というより巨大な消費地に映る。それを物語っているのが、トルガルト峠のキルギス側に並ぶ車列だった
(引用ここまで)
と中国の一帯一路構想に絡めキルギス中国国境の現実を表現しています。

今回のスマホケースの追跡情報が正しければ一度香港から空路で飛び立っているので、キルギスから中国への物資輸送のトラックの戻り便の空きを利用して安くキルギスまで運んで・・という単純な話ではなく、まだまだ奥がありそうです

とはいえ、このような一種の中継貿易的な発送によりキルギスにとっては、詰め替え作業の請負+郵便料金の収入が発生します。まだまだ1人辺りGDPや物価が安く経済規模が小さいキルギスにとって安価な郵便物とはいえまとまった数が日本宛てに投函されればそれなりの収益になるかもしれません。

中国通販で注文したスマホケースの旅から意外なところでキルギスそして、中国の一帯一路計画と関わる形になりました。ちょうど放送大学の「ロシアの政治と外交」の勉強をしていたところなので尚更興味深いものとなりました。

2020/1/23 1:55(JST)
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