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4月1日の「so-net0SIM」有料化騒動を考える

先日の記事で、スマホに予備用としていて入れているワイヤレスゲートSIMを解約。「so-net 0 SIM」に乗り換えた。という話を書きました。
この「so-net0SIM」はデータ通信、月間500MBまでは無料。以降100MB毎に100円(上限1600円)という、MVNO戦国時代の中、画期的な新サービスとして注目されました。

そんな0SIMですが、4月1日so-netが出したリリースにより一部のユーザーの間に激震が走ったよう。
そのリリースというのは「0SIM」の有料化

ソネット、「0 SIM」の500MB未満まで無料を廃止 有料プラン導入へ?
90%のユーザーが500MB未満で通信を止めており、サービスの維持が困難になったためだという
(ITmedia)
http://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/1604/01/news091.html


要約すれば
0SIM利用者が予想以上に増加し、so-netのMVNOSIMサービスの利用者のうち9割は0SIM
0SIM利用者の殆どは無料範囲での利用に留まり大誤算でサービスの維持が困難に
よって4月1日から有料化として、これまでの無料分も遡り請求。
通話・SMS料金も大幅に値上げ。音声30秒200円。SMS1通300円といったもの。

このリリース、実は4月1日のエイプリルフールに乗っかった0SIMのPR目的と思われるギャグのようなもの。

しかし、このエイプリルフールリリースは、ギャグのはずがso-net側の目論みに反して「本当の話」と信じられてしまった模様。SNSや個人ブログ記事上でも衝撃が走る一方で、ギャグであると判明し「エイプリルフールを騙った紛らわしいリリース」との批判も多く出たよう。
結果として、ギャグリリースは1日の夕方頃には早々に削除されてしまったことからに、まさにso-netにとって大誤算になってしまったようです。


私もこのリリースを最初に見た際、ギャグであるとは分からずに
おいおい、いきなり有料化か??ワイヤレスゲートSIM解約しなければよかったな・・・。
代わりにBIGLOBESIMのシェアSIMをSMS付で申し込んでスマホに入れるか・・
それにしてもSIM代金の3240円は返金してもらわないと割に合わないぞ
と思ったものです。


4月3日2時時点でも「0 SIM有料化」でgoogle検索すると、1番上にso-net公式の件のエイプリルフールリリースがヒット。この画面だけで完全有料化すると読取れる反面、エイプリルフールネタ(ギャグ)であることは分かりません。既に削除されているのでこのリンクを入っても、0SIMサイトに飛ばされるだけ。

今回の騒動、4月1日のso-net社内でのドタバタを想像すると・・・・

リリースを見た人からインフォメーションディスクに問い合わせ・抗議の電話が入る
インフォメーションディスクのオペレータはWebサイトを確認。(ギャグだと気がつかず)「申し訳ありませんが、サイトに書いてあるとおり有料化です」のように対応
納得できない利用者からオペレータが対応しきれない強いクレーム
SVなど上席に相談。0SIM担当部署などに確認しエイプリルフールだと判明
急遽オペレータに通達
事態を重くみてエイプリルフールリリースを削除
「エイプリルフールだった」という情報が広まり、当初の誤案内やリリースを信じて解約手続きなどをした人からクレームが続々入電。
無手数料でのSIM再発行など補償に関して休日返上で協議中。SMSや通話付だと電話番号の扱いがあるのでややこしく←4月2・3日の週末の状況?

更にリリース削除後も1人歩きしてしまった「0SIM有料化」に関する問い合わせやクレームが続々。コールセンターでは、エイプリルフールギャグであると説明するも今度は「紛らわしいリリースを出したこと」に対する抗議がおこる。

といった、0SIMのPRどころか、逆効果の状況に陥っているのではないかと思います。

恐らくこの「ギャグリリース」を書いたso-net担当者やこれにOKを出した上席氏ともども、まさかこれがエイプリルフールネタだと思われずに、信じられてしまうとは想定外だったのではないかと思います。


ではなぜこのような事態になったのか・・・

今やMVNOSIMは各社から乱立して、MVNO戦国時代の様相を示しています。その中で、基本料金値下げや容量追加など各社値下げ合戦が乱発している中で、500MBまでなら無料というso-net0SIMのサービスは確かに破壊的なサービスです。
一般の消費者など外部から見ると、どこで利益を出しているのか分かりづらい0SIMは、スキーツアーバスの事故の時などにも無責任な傍観者がよく発した「安いものにはワケがある」という言葉のように「何か裏があるはずだ」と思いたくなる代物ではあるでしょう。

こういった「いずれ0SIMは続けられなくなり消費者を裏切るはずだ」という思い込みがある中で、有料化発表は「やっぱりね」と思えるような内容。

そもそもで、インターネット接続、携帯通信の界隈では、過去から現在進行形で続く、事業者が代理店を手下に使ったADSLや光回線等の強引な売り込み。適用実績がない価格を定価と掲示しさも大きく割引かれお得であるかのようなPR手法。高額なキャッシュバックをちらつかせたオプションの半強制契約。更に2年契約の違約金や「ベストエフォート」などなど。
大手・小手を問わず、分かりづらく時に騙すような有象無象の販売手法が野放図に横行してきたのも事実。

この業界自体が「無料を謳い契約を集めておきながら後出しで有料化をする」というセコい戦略をやりかねず、それが黙認されるのも当然。という風に信用されていないことにあるのではないか?
0SIM自体、一定期間無通信が続けば強制解約。解約時のSIM返却を義務付け返却がなければ違約金を請求。という少々強引な設定になっているのも追い風になってしまった感もあります。

MVNOSIMは携帯通信系にリテラシーが高い人。の利用がメインだという話があります。リテラシーが高いからこそ、この業界は「無料で客を集め突然の有料化」「過去に遡っての請求」など「常識という名の性善説」が通用しない世界だ。という意識・無意識での認識もまた追い風となってしまったと思います。

一口に言えば今回の騒動「so-netの関係者が思っている以上に、自分達(so-net自身や業界)が信用されていなかったことが露呈した」と言えるのではないでしょうか??


今回の0SIM有料化騒動。SNSの発言などを見ていると中には
「4月1日のリリースを真に受けるのが悪い」といった書き込みもありました。

来年・再来年のエイプリルフールには今回のso-netとは逆に
「全プラン大幅値下げ」のような消費者にとって有利となるかのようなエイプリルフールリリースを出して、契約を集めたところで「値下げはエイプリルフールでした」と開き直るような、4月1日を悪用するような捨て身の企業が現れる可能性もあります。


これから4月1日は「企業がギャグではないリリースを出してはいけない日」として定着していくのか、それともエイプリルフールを悪用する企業や今回のso-netのように「冗談が通じず信頼を失った」企業が出て、なんらかの形での(自主)規制が行なわれ、エイプリルフールは萎んで消えていくのか??

エイプリルフールは日本ではネット社会の進展やSNSの普及で近年になって徐々に盛り上がりつつある若い流行といえます。
日本にはバレンタインやハロウィン・クリスマスといった海外の文化を輸入して、独自の形に進化させて定着してきた文化がある一方、これら海外の文化を輸入・進化させることで利益を生み出す業界の存在も囁かれます。
一方でエイプリルフールの利益は「面白みを出すことでの企業イメージ向上とPR」となるでしょう。エイプリルフールが定着するとしたら「PR」以上の利益の出るモデルの発明が必要なのかもしれません。


ちなみに画期的ともいえる0SIMサービスですが、2016年2月のITmediaでのインタビュー記事では

500MB未満まで0円”の衝撃、果たして採算は?――ソネットに聞く「0 SIM」の狙い
http://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/1602/19/news056.html

「確かに500MBを皆さんが超えないと成り立たない」としつつも、
「採算が悪いかというと、実はそうでもありません。すごくもうかるかと聞かれれば、もうかりませんが、赤字で続けられないということもありません」
と時々は無料範囲を超える500MB以上使ってもらえることに期待しつつも、0SIMがそれほど不自然なモデルではないとも述べられています。

3月に0SIMをスタートしたばかりの私としては、今回の「0SIM有料化騒動」は本当にエイプリルフールで終わって欲しいものです。

余談ですが、so-netのインフォメーション、だいぶ前に横浜から札幌に移転したと聞きますが、今はどうなっているんでしょうね??


2016/4/4 00:10(JST)

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