さて先日11月12日木曜日にJR東日本から東海道線の踊り子号、湘南ライナーが来年3月のダイヤ改正から大幅に刷新される旨の発表がありました。
内容としては前々から「こうなるだろう」と言われていたことがついに正式に発表になったという程度で新しい情報は殆どありません。具体的な時刻・本数・停車駅などダイヤ面もまだ明らかになっていません。

JR東日本による特設サイト。
今回の特急化・再編に関してPRに力を入れているよう。一方で相当数の反発を予想しているのでは?という印象も受けます。
このブログで今年3月に
として湘南ライナー号の特急化と再編について書きましたが今回はその続編として今回の発表を受けて雑感を書きます。
前回の記事では実施時期として「2020年度下半期、10~12月頃」と予想しましたがこれはだいぶ先走ってしまう形になりました。今年はオリンピックが中止となりまた新型コロナウィルスの利用減で来年3月に初電繰下げ、終電の繰上げと言った大ナタが振るわれることも決まりました。10~12月にダイヤ改正を行わず来年3月にまとめた形でしょうか。
またE257系車両の東海道線への転用改造に予想以上に時間がかかり遅れているという話もあるようです。
さて今回の記事では11月12日のリリースのうち踊り子号に関してはおいておいて、湘南号について考えていきます。
☆ライナー代替列車の名称は「湘南号」に
今回のリリースで一番の新しい情報はこれ!ですが、今まで言われていた「おだわら号」「ひらつか号」は没になった形です。私は「おだわら」「ひらつか」よりも「湘南」の方がいい名前だと思いますが、同じ路線にも関わらず行先(始発駅)によって名前が変わると煩雑で分かりづらくなるので「湘南」に統一した。つまりは小田原発着以外にも国府津発着や平塚発着などが設定される可能性(=小田原外し)がより強まったとも考えられます。
リリース文に「『湘南』は新宿・東京~小田原間を運転する通勤に便利な新たな特急列車」との記載があるので、本数はともかく新宿発着列車も存続するとみてよさそうです。
☆料金は現在の520円から大幅値上げ
従来のライナー号料金に代わり踊り子号と同じく普通車全車両で「新たな着席サービス」における指定席の特急料金が適用されることにより、50㎞まで760円、100㎞まで1020円となり大幅値上げになります。東京駅基準では大船以外は小田原まですべて51㎞超となり従来のほぼ倍額となる1020円です。
緩衝処置として「えきネットチケットレス予約」で100円引、9月30日申し込み分までは踊り子号も含め300円引となるキャンペーンの実施も発表されました。
緩衝処置があるとしてもスマートフォンを持っていない、持っていても通話とメール程度(家のパソコンでネットをやっているとしても)な中高年層の利用も多いことを考えると値上げに関しては相当数の反発は不可避だと思います。
また300円引きキャンペーン終了後も大船以外の51㎞超区間での100円引で920円なのは特に藤沢~平塚辺りの利用者からの反発・利用者減も予想されます。
更なる緩衝処置として下りは大船以遠自由席快速化の扱いの継続の可能性、また湘南号に限り51㎞以上も50kmまでと同額もしくはチケットレス割引を200円引として820円程度とするような施策も考えられます。
上下ともに大船~平塚間はほぼ各駅停車状態となるので、車掌2名乗務としても満足な検札(座席確認)が出来ないことで、51㎞以上の区間の緩衝処置がない場合、大船までの券(下りの場合)を買ってそのまま乗り越すような不正が常態化する恐れもあります。上りの場合、藤沢・茅ケ崎の貨物線ホームでの特急券の確認を継続することである程度防げますが・・。ここも気になる点です。
☆小田急ロマンスカーVS湘南号
今回のリリースを受けて「(小田原利用は)新幹線に乗った方がいい」「値上げでライナー号の乗客が小田急ロマンスカーに逃げるのでは?」「いやロマンスカーは本数がない」と言った評も見受けられます。
前回の記事でも触れていますが、小田急は2018年の下北沢複々線完成時のダイヤ改正で小田原発着ロマンスカーを減便し「小田原外し」に動いています。
現実のところ現在の乗車率、ライナー券割当数からも小田原場面では小田急もJR東日本も東京・新宿への通勤需要は「あまり期待していない」というのが実情ではないかと思います。
その上での集客手段としての湘南号の横浜停車、もしくは小田原発着列車の減便の有無にも注目したいです。
☆定期券が使えないグリーン車
今までのライナー号グリーン車は普通列車グリーン車と同額で利用できましたが、特急化されることで特急グリーン車(指定席)となることでこれまた大幅な値上げとなります。
50㎞までは1280円(新普通車+520円)、100㎞までは1540円(新普通車+520円)、チケットレスキャンペーンは100円引きのみ適用。ですが、更に乗車券部分に定期券の利用が不可となります。(グリーン定期券の場合も差額での利用は不可)
グリーン車は2両から1両になるとはいえ、グリーン定期券すら使えないなら閑古鳥が鳴くのでは?と言ったところですが、定期券なしで都度利用する際に普通車が満席でも+520円でグリーン車に乗れることは知っておいても損はないかもしれません。
あまりに閑古鳥が鳴くならキャンペーンや企画券のようなものでの割引もあり得るでしょうか。また昨今の新型コロナウィルスでの利用動向の変化も含め、グリーン定期ユーザーが回数券等に切り替え「都度グリーン券を買い湘南号も利用する」のような変化が起きる可能性もあります
☆土休日運転復活の可能性
現在のライナー号は土休日はすべて運休ですが、料金値上げで採算ラインが下がること、乗車時改札等の要員が不要になること、車両自体は都心部と国府津の車両基地との間で回送する必要がある。などで一部列車の土休日運転が復活する可能性もあります。「休日お出かけパス」などの利用の際も朗報でしょうか?一方で土休日は普通列車グリーンが安いので料金面から見ると利用価値がどの程度あるでしょうか?
といったところで、今回の発表を受けて雑感を書きましたが、やはり具体的なダイヤなどが発表されない以上、「従前の予想」以上の新しいことはわかりません。とはいえ特急化が正式に発表になったことで、日常的にライナー号を利用している人からすれば影響や色々言いたいこともあると思います。
今後の具体的なダイヤの発表にも注目したいと思います。
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2020/11/15 00:07(JST)