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相鉄-2014年4月27日ダイヤ改正。遂に特急運転開始

既に4ヶ月前の話になりますが、去る3月中旬、相鉄サイトで4月27日ダイヤ改正と全線での特急運転開始が発表されました。
この時点ではダイヤ改正の大枠だけで、詳細なダイヤや時刻表が発表されたのは4月中旬になってからと今ひとつ時間がかかりましたが・・・。



無料配布されている時刻表(左)と言い訳がましい小冊子(右)

今回の相鉄のダイヤ改正は、横浜~海老名・湘南台間で特急列車の新設などインパクトが強く、横浜周辺の鉄道の話題では少し前に発表された「市営地下鉄ブルーラインの急行運転計画」が消え飛ぶような勢い。

「横浜~海老名で二俣川・大和停車の特急運転」というのは、今回の発表が最初ではなく、そもそも2006年頃に神奈川新聞に一報が掲載。その後もたまに「ゆくゆくは特急運転を」のような公表がなされ、施設面では特急運転用の名目で瀬谷駅の下り待避線設置工事(上り待避線はそもそもあったのを再整備)が開始されるなど、「特急運転が実施されるのは確定しているけど、未だ具体的な時期の発表はなく」
という状態だったので待ちくたびれた感もあります。

まぁ、発表されてから何年も経てば記憶も薄れというのも分からないでもないですが、したり顔で「相鉄としては現状以上の速達性の必要性を感じてないと思われ・・」とか言っている人を見ると「これだから鉄ヲタは面倒・・・」というか、もうこういう固有名詞を入れ替えれば全国どこでも話半分ぐらいには通用するようなテンプレベースで語るのは、勘弁して欲しいなとか思ったりもしたものです。




11000系の特急横浜行(海老名駅にて)

特急が運転されるのは平日・土休日ともに日中時間帯のうち10~15時代あたり。
朝夕夜の時間帯のダイヤはあまり変化なく据え置かれました。



11000系の車内の表示機画面。
海老名の次が大和、その次が二俣川というのは印象的ですね
距離的には横浜~海老名は二俣川と大和でそれぞれ3分の1ぐらい。

海老名~横浜の特急は所要26分。以前は急行の海老名~横浜は概ね30分だったのが、星川や瀬谷の工事徐行の影響も相まって現在では35分弱と間延び。そこに26分の特急が出来る。というのはインパクトが強いです。

実際に海老名から特急に乗ってみると、海老名~二俣川間では、高速でかっ飛ばすというほどではないですが、駅進入時に加速したり出せるとことでは速度を出している印象。

一方で二俣川~横浜間はカーブが多くあまり速度が上がらないので鈍足。上り特急に乗っていると二俣川から先で遅くなるのが体感で分かりますね。
今回、日中時間帯の主役となった快速は、二俣川~横浜間で特急・急行に較べて+2駅(鶴ヶ峰と星川)停車ですが、そもそもあまり速度が出ない区間なので極端に遅くなる感なく、実際日中の快速は海老名~横浜で34分運転になっています。




海老名駅の案内表示機。
今までは全部急行だったのが、特急・各停・快速・快速が30分ごとに繰り返すダイヤに。


横浜~海老名での特急運転に関しては、私は以前から
「小田急線~海老名~横浜の乗継で相鉄に乗る私には、所要時間の長短は海老名での乗換え待ち時間の長短に左右される部分が大きい」「特急が出来ても『海老名~横浜』で先着列車が現行と同じ毎時6本になるならあまり意味が無い」
と書いてきました。


今回の新ダイヤでは海老名~大和~横浜間での先着列車は毎時8本となったことで、以前に較べて便利になったと思います。

一見すると、上りの場合は特急の1本前(9分前)の快速に乗ると横浜で特急に1分差まで追いつかれるので意味がない。また特急の次は2分後に出る各停なので、だったらもう2分前に駅に行って特急に乗った方が・・という声もあるかもですが・・・
横浜に着くのが1分しか違わないといっても、他路線に乗り換える際はこの「1分の差」で、乗換え先の電車に乗れる事も往々にあります。
また「2分前に駅に行って・・」と一口に言っても、小田急線から相鉄に乗り換えなら、海老名駅に着く時間は小田急線次第。「2分前に行く」ことがそもそも不可能なこともあります。

1時間に2回ある海老名~横浜の各停だと横浜まで43分なのでハズレですが、二俣川で湘南台から来た特急に乗り換えれば横浜まで34分と、改正前の急行と較べれも許容できる所要時間。また乗り換えないでいても次の列車には抜かれない。のでまぁ及第点かなと。

横浜~海老名35分弱の路線で、「海老名から出る列車は全部横浜まで先着出来る」「特急通過駅に停車する列車は毎時6本」でかつ、26分で走破する「特急」を運転する以上こうなるのは仕方がない面もあります。

折角設置工事をした瀬谷駅の待避線が生かされていないのは勿体無い感もあるかもですが、この本数では瀬谷で待避されたらかえって迷惑。瀬谷駅への待避線設置工事は、本数が多い朝や夕方ラッシュ時間帯での将来的な特急運転を見越しているのかなと。



急行に替わり日中時間帯の主役となった快速。
従来快速はいずみ野線・湘南台方面の列車でしたが、海老名行が登場。
一方で日中の湘南台快速は消滅して特急に取って替わる形に。


小田急線への対抗を意識した特急運転
今回の派手な特急運転開始の背景として大きいのが小田急線への対抗意識なのかなと。
相鉄は海老名・大和・湘南台の3駅が小田急線との乗換駅になっています。

特に大和と湘南台で乗換え出来る小田急江ノ島線は、相模大野経由の小田急自身の快速急行を差し置いて、藤沢からの東海道線(+湘南新宿ライン)、中央林間からの東急田園都市線など、東京都心に向かう各路線による「江ノ島線から乗り換えて」都心方面へ向かう乗客を刈る草刈場になっているのが実情。
この中で小田急自身が2~3年中に「下北沢地下複々線」の完成で快速急行の増発などで攻勢を強めてくるのは十分に予想できます。

周知の通り相鉄は2018年度からのJR線直通運転、2019年度からの東急線への直通運転を目指して新線建設の工事が進んでいます。既に分岐駅となる西谷駅近辺では車窓から工事の進捗が見て取れます。

今まで東京都心に出るのに横浜で乗り換える必要があった相鉄が、この都心方面直結路線による乗客の奪い合いに参戦することになります。直通運転開始の前に「相鉄に乗って東京都心や横浜に出る」という下地を今の内に作っておきたいという戦略こそが、今回の「派手な」特急運転の理由の一つだと考えます。

また渋谷が東急の街であるように、横浜(西口)は相鉄の街。相鉄自身が横浜を通りもしない新線を建設して都心方面直結をする代わりに、横浜への所要時間を短縮する事で「出来るだけ横浜の地盤沈下を防ぎたい」というのも大きな理由ではないかと考えます。


「一見派手に見えるけど実はケチケチダイヤ

派手な特急運転の一方で日中時間帯(10~15時代)の運転本数としては大和~海老名・いずみ野線では増発になっているものの、横浜~大和間では平日毎時15本から14本(現行の土休と同じ)に微妙に減便されたり、9・16・17時代も本数削減。一見派手に見えるものの、実際にはかなりケチケチなダイヤになっています。

また特急運転時間帯前後の9・16時代も減便。特に9時代辺りは10~11時出勤の通勤客に加えて、買い物客や行楽客の利用も多く、特に土休日は「土休日朝ラッシュ」になる時間帯。
この時間帯をごっそり減便した上に、土休日海老名9時31分の快速は8両ともう相鉄ふざけるなよ状態
まぁ正直こういう部分が今ひとつ相模鉄道が都市鉄道に脱皮できないというか、所詮は神奈川の地方鉄道だというか・・。せめて土休日は9~19時代辺りは10時以降と同じ特急運転ダイヤにして欲しいものですね。

こういった今回のダイヤ改正のケチケチぶりは相鉄も自覚しているようで、改正後の時刻表の発表と同じ頃に駅では言い訳がましい内容が羅列された、改正内容を紹介する小冊子が配布されました。



一見良さそうな内容が並びますが・・・



言い訳がましい内容が羅列されています。
ダイヤ改正で不便になる内容はギリギリ直前まで極力発表しない。時刻表をじっくり見て気づくようなセコい鉄道事業者が多い中で、このように言い訳しているだけまだ良心的だとも言えます。相鉄自身が不便になる部分に関してはかなり気にしていて、出来るだけマイナス印象になることを避けたいのかもですね。

ちなみに各折返し駅での折返し時間(停車時間)も短くなりこれまた節約感が。折り返し時間が短いと、一度遅れると回復が難しくなりますが、遅れたら間の列車を間引きして擬似的に定時にする作戦を取るつもりなのかな?と。
これをやると見た目定時運転でも車両運用が乱れますが、横浜~海老名間で24.6キロと短く支線もいずみ野線だけなので割り切ってるのかもですね。


寝耳に水の湘南台特急
前々から話が出ていた海老名方面の特急と違い、いずみ野線での特急運転は全くの寝耳に水状態。しかも停車駅は二俣川・いずみ野のみで緑園都市も通過というのはビックりしました。
前述した小田急江ノ島線の他に競争相手の市営地下鉄ブルーラインの急行運転計画が発表されるなど、攻勢を強めている状態。地下鉄をかなり意識しているようにも感じます。



7000系の特急湘南台行(二俣川駅にて)

一方でその反面、いずみ野線では各駅停車の一部(30分に1本)は二俣川~湘南台の折返しになり、しかも上りは二俣川から横浜方面への乗換えが「5分待ちで次の湘南台から来た特急」となってしまい、湘南台~横浜間の先着列車は毎時6本と大和・海老名と較べると今ひとつ。(下りは3分待ち)
いずみ野線の特急通過駅は言ってみれば一番の「一見派手に見えるけどケチケチなダイヤ」による犠牲者なのかもですね。


8両編成の運用
相鉄は大半が10両編成。一部が8両編成という構成で運転されています。
ここで新ダイヤでの日中時間帯の8両編成の運用を見てみると・・

湘南台特急で横浜~湘南台で往復する2運用中2運用
横浜→(各停)→海老名→(快速)→横浜で往復する3運用中の3運用
の合計5本で回しして、湘南台系統と海老名系統で完全に分離しています。

今まで相鉄の8両運用は一部のイレギュラーな列車を除き各駅停車の運用の中で使用していたのに対し、今回のダイヤでは敢えて湘南台特急や上りの海老名快速の一部に入れてきたのが気になりますね。
湘南台特急はあまり混まなさそうなので8両で。という話もあるかもですが、それ以上にそもそも各停は空いているわけで・・・。前述した「上りの二俣川行各停のタイミングが悪い」など「湘南台特急の運用を固定したい」という前提ありきでスジを引いている(時刻を設定)しているかも?という感が。

ちなみに土休ダイヤでは湘南台特急は全列車8両編成(2運用中2本)。下り海老名行各停・上り海老名発快速の運用に3運用中1本。更に湘南台各停往復の運用に1本。の4本が8両編成。これまた平日とは違うパターンになっているのも謎。

聞くところによれば夏休み期間に入り、湘南台特急を10両編成に変更するなども行われているよう。
相鉄の場合、小田急や東横線などと違い「絶対に8両でないとダメ(10両は不可)な列車」というのがなく、単に8両編成の運用があるのは、車両数を節約する為のものなので、過去にも「8両を謳っているけど実際には10両編成で運転」という突発的な変更はちょくちょくあります。



今までは珍しかった早朝深夜以外の海老名行各停。平日下りは8両編成。

といったところで、2014年4月の相鉄ダイヤ改正と待望の特急運転に関して書いてきました。
私が普段相鉄に乗るタイミングで特急運転時間帯なのは上りの海老名発だけ。下りは特急が走っていない時間帯なので、特急運転開始の新ダイヤの恩恵が今ひとつ受けられない感もありますが・・。
それでも実際にタイミングよく特急に当ると、横浜まで26分の速達効果は十分に実感します。

次回(来年春頃ぐらいには)のダイヤ改正では特急運転時間帯の拡大など、積極的な攻めの姿勢を見せて欲しいなと期待したいところです。


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2014/7/23 4:42(JST)
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