2012年 インドでブログをはじめました!

写真付きで日記や趣味を書いたり、つれづれなるままに記していこうかなぁ!

日本人もびっくり ~インド赴任一年目~

2012-03-26 21:37:48 | 日記

              
 「当機は最終着陸態勢に入りました。お座席のシートベルトをもう一度ご確認下さい」とマニュアル通りのキャビンアテンダント(客室乗務員)からのアナウンスの声が入り、JL四七一便は高度を下げ始め、間もなくデリー(インディラ・ガンジー)国際空港に着陸。時は平成二十二年三月十二日(金)である。夢と希望に満ち溢れ、日本から出国する際に多くの方々から激励を受け、インドニューデリーの地に降り立った。そこでは、ニューデリー日本人学校の先生方が温かく迎えてくれた。「春風や 闘志抱きて 丘に立つ」(高浜虚子句)の思いである。
 この一歩から、今日までの事をつれずれなるままに記したい。

 インドニューデリー。これまで豪や米国で生活経験があるものの、人口約十一億六千万人余の人々が過ごすここインドはまた格別である。学校の帰り道、気分次第で時にはモールへ、時にはマーケットへと寄り道をするのだが、日々飽きることも疲れることもなく、毎日必ず「驚き」と「何か」がある。数十年前だろうか、「インド人もびっくり」というコマーシャルがあり、カレーの旨さにびっくりして両足を広げて飛び上がるのであるが、今の私が「日本人もびっくり」状態の事を多々有る中でも、いくつかあげたい。
[物乞い]
 通勤途中や帰り道、或いは街中で幾度となく物乞いに会う。赴任して間もない或る日の事、いつもの様に寄り道。その日は日本の秋葉原にも似たネールプレイスに行くことにした。多くのパソコンショップなどを見て、新しいパソコンが欲しいと思いを巡らして歩いていると、服もボロボロで素足の小さな女の子が、私にお金をねだるのである。決してこの様な時にはこれまでにも安易にお金を渡してはいけない、と自分の中で決めていたものの、ポケットの中にある小銭を渡したのである。それを何処で見ていたのか、同年齢の子ども達が十五人程になって私を取り囲んだのである。困り果てた私はドライバーのいる場所へと足早に逃げ込んだ。自分が安易にお金を渡した事が善か悪か未だに解らない。
 インドの物乞いは「貧困と怠惰のせい」と聞いた事がある。貧困については、インドの国内問題とばかりとも言えないだろう。世界の一方に富が集中し、他方では餓死者が出ているような世界全体の構造のしわ寄せが、ここインドで見る「物乞い」かもしれない。彼らは決して脱落者として冷たく扱われているわけでもない。善行を積むことにより、よりよき来世を願う宗教的な考え方もその背後にはあると聞いた事がある。同僚のインド人が話していた。「彼らも一つの職業だと思えばいいんだよ」と。それからというもの、私も彼らと笑顔で向き合える様になった。
[任国外旅行バンコク]
 十二月の任国外旅行は、八日間の日程でタイバンコクへ行った。今回の旅行目的は「旨い日本食を食べる」「寛ぐ」で、交通が便利で見晴らしの良い宿を選択し、旅行目的は叶った。だが、帰路の際、バンコクの空港を飛び立って五時間余りになってもデリーに飛行機がなかなか着陸しない。デリー上空を旋回し、暫くすると「濃霧の為、着陸が出来ない」とのアナウンス。仕方がない。数時間後、アハマダバードの空港で機内待機。結局機内で一夜を越す。機内では長時間待機の為か、多くのインド人が降りるという事で騒ぎ始め、機内は騒然。機長と副機長が操縦室を離れ、私のシートの真横で乗客に説明しているものの、インド人の数人は修まらない。結局彼等はアハマダバードで降り、我々は再度デリーへ。結局その日も「濃霧」の為、着陸出来ず、再びバンコクへ。インド~バンコクを二往復した事になる。かなりの疲労。運良く多くの本を買い込んで読書を楽しんだものの、近隣には日本の若者のバックパッカー。バックパッカーたちは自分自身を発見するための流浪の旅に出る最高の場所がインドと言う。私がインド滞在だという事を知るとインドについての質問攻めに合う。しかし全然答えられない自分のインドについての無知。毎日学校と住宅の往復ではなく、もっと『現地理解をせねば』と思った次第である。運良く斜め横にインド三年在住の保護者のTさんがいたため、助言を頂いた次第である。
 早速ノートを買い、インドの歴史や世界遺産の建築様式、暮らし、文化、交通事情、インドの病気等について、今更ながらインドについての『調べ学習』をしている。

 日々驚きのインドでの毎日だが、初めはこうした社会基盤の整備の遅れ、コモンウエルズで街はかなり整備はされたものの衛生環境の不備等、インドの「汚く」「貧しい」現実に驚かされる今日現在である。が反面これまでのインドではなくこれからのインドに世界中が目を向けている事も否めない。二〇三〇年には中国の人口を追い越す勢いで、日々発展していくインド。五千年の歴史が培ってきた奥深さの片鱗に触れる事の出来る今、私はまた日本と違った文化を体験出来る事も幸せかもしれない。丸い地球に住む一個の人間として、「日本人の心」を持ちつつ、今日も楽しみたいものである。