今週、総務省の統計研修所というところで人口推計の研修を受けてきた。
いや、やればやるほどアヤフヤなもんだね、将来人口の推計って。
本気でやろうとすれば、かなり色んな外的要因を考慮せざるを得ないし、
それらは全て推計担当者の胸先三寸で決まる。
つまり、「5年後には、うちの街にたっくさん若者が来るんじゃね?」
って思えば、そういう風に係数を動かして若年層の人口が増加するように
将来の人口ピラミッドを描けるということ。
まぁ、夢を語るのは良いことなのだが、これは危険極まりない。
なぜかというと、この将来人口の推計こそが、各市町村の立てる長期総合計画を
左右するからだ。
あ、長期総合計画ってのは、自治体で動く全ての計画の土台になる計画のこと。
つまり、「市内の小学校を改築するべ」計画も、「新しく市バスを走らせよう」計画も、
「新型インフルエンザが大流行したら、市民をこうやって保護するぜ」っていう計画も、この長期総合計画に基づいて立てられる。
(基本構想・基本計画と称する自治体もある。うちの市もそう)
で、この総合計画(普通は先行き10年)を策定するために使うのが、
市内の将来人口の推計なのだ。
①A地域は10年間で高齢化が進行する
②B地域では5年後に就学児童の人口が増える
③C地域では10年後に退職を迎える人が増える
な~んて推計があれば、
「んじゃ、A地域には老人ホーム、B地域には学校を作って、C地域ではリタイヤしたおとっつぁんに地域社会の担い手になってもらうべ」
といった具合に計画が立てられるわけ。
そこで元に戻るけど、将来人口の推計には「担当者の胸先三寸」っていう変数が、とっても多い。
コワイことじゃないですかこれ。
「担当者のセンス」っていやぁ聞こえはいいけど、リスクありまくりよ。
もっといっちゃえば、「D地域に老人ホーム立てたいなぁ」という、利権ガラミの魑魅魍魎が市の上部か議員にいたとしようか(フィクションです)。
そこでぺ~ぺ~の担当者が「D地域では高齢化の進行が遅い」という予測を基に人口推計などしようものなら、
「何を言っとるのかねチミは。D地域ではみんな1年に3歳ずつ歳をとるのを知らんのかね」と言われ、修正を求められるのは必至。
そこで「ふざけんなぁ!!」と言えるのはドラマの中だけで、普通の地方公務員ならば、「ですよね~」となる。
まぁ、そこまで酷いケースはあまりないだろうが、「やることいっぱい夢いっぱい」の長期総合計画を立てないと市民に顔向けできないため、
将来人口の推計もせっせとレインボーカラーに塗りたくって提出する…なんてのは実際に聞く。
ヘタすると、「将来人口の理想像」に合わせるように変数を調節する、という例まであるそうで、それはもはやデータの捏造。
俺の先輩は「データの捏造は最悪の罪」と言っていたが、その通りだと思う。
昔、某取引員のレポートを読んでたら、不都合なファクターを華麗に取り除いて重回帰分析している箇所を見つけ、ぶっとんだ覚えがある。
数値データの分析とは、意思の介在を許さない数学的なものであるべきで、
それを破る行為は数学に対する冒涜なのだ。
相場の世界から行政の世界に身を移しても、そのことだけは肝に銘じたい。
研修からの帰り道、そんなことを考えていた。
いや、やればやるほどアヤフヤなもんだね、将来人口の推計って。
本気でやろうとすれば、かなり色んな外的要因を考慮せざるを得ないし、
それらは全て推計担当者の胸先三寸で決まる。
つまり、「5年後には、うちの街にたっくさん若者が来るんじゃね?」
って思えば、そういう風に係数を動かして若年層の人口が増加するように
将来の人口ピラミッドを描けるということ。
まぁ、夢を語るのは良いことなのだが、これは危険極まりない。
なぜかというと、この将来人口の推計こそが、各市町村の立てる長期総合計画を
左右するからだ。
あ、長期総合計画ってのは、自治体で動く全ての計画の土台になる計画のこと。
つまり、「市内の小学校を改築するべ」計画も、「新しく市バスを走らせよう」計画も、
「新型インフルエンザが大流行したら、市民をこうやって保護するぜ」っていう計画も、この長期総合計画に基づいて立てられる。
(基本構想・基本計画と称する自治体もある。うちの市もそう)
で、この総合計画(普通は先行き10年)を策定するために使うのが、
市内の将来人口の推計なのだ。
①A地域は10年間で高齢化が進行する
②B地域では5年後に就学児童の人口が増える
③C地域では10年後に退職を迎える人が増える
な~んて推計があれば、
「んじゃ、A地域には老人ホーム、B地域には学校を作って、C地域ではリタイヤしたおとっつぁんに地域社会の担い手になってもらうべ」
といった具合に計画が立てられるわけ。
そこで元に戻るけど、将来人口の推計には「担当者の胸先三寸」っていう変数が、とっても多い。
コワイことじゃないですかこれ。
「担当者のセンス」っていやぁ聞こえはいいけど、リスクありまくりよ。
もっといっちゃえば、「D地域に老人ホーム立てたいなぁ」という、利権ガラミの魑魅魍魎が市の上部か議員にいたとしようか(フィクションです)。
そこでぺ~ぺ~の担当者が「D地域では高齢化の進行が遅い」という予測を基に人口推計などしようものなら、
「何を言っとるのかねチミは。D地域ではみんな1年に3歳ずつ歳をとるのを知らんのかね」と言われ、修正を求められるのは必至。
そこで「ふざけんなぁ!!」と言えるのはドラマの中だけで、普通の地方公務員ならば、「ですよね~」となる。
まぁ、そこまで酷いケースはあまりないだろうが、「やることいっぱい夢いっぱい」の長期総合計画を立てないと市民に顔向けできないため、
将来人口の推計もせっせとレインボーカラーに塗りたくって提出する…なんてのは実際に聞く。
ヘタすると、「将来人口の理想像」に合わせるように変数を調節する、という例まであるそうで、それはもはやデータの捏造。
俺の先輩は「データの捏造は最悪の罪」と言っていたが、その通りだと思う。
昔、某取引員のレポートを読んでたら、不都合なファクターを華麗に取り除いて重回帰分析している箇所を見つけ、ぶっとんだ覚えがある。
数値データの分析とは、意思の介在を許さない数学的なものであるべきで、
それを破る行為は数学に対する冒涜なのだ。
相場の世界から行政の世界に身を移しても、そのことだけは肝に銘じたい。
研修からの帰り道、そんなことを考えていた。