続・なにげない日常（生還）

2年ぶりに友と再会した。
友は大病を患い、生死の狭間を漂っていた。

その病名を聞くと「スティーブンス・ジョンソン症候群じゃったんじゃ。しかも、その上の」と聞かされた。
そう言われてもどんな病気か全くわからない。

調べてみた。
スティーブンス・ジョンソン症候群

医者から死の確率を聞かされ、息子を呼んで「後は頼む」と伝えた話を聞いた。
薬剤を受け付けない彼の写真を見るのがつらかった。
一言で伝えるなら被爆者と間違えるほどの現実だった。

僕は、死を覚悟したことは一度も無い。
しかし、まだ目が見えないという彼と言葉を交わせたことが嬉しかった。
本当に嬉しかった。
うれしかった。

確かに、風貌は変わった。
でも、電話で話す君は何も変わらない。
むしろ、成長を感じた。

ハンデを抱えながら、僕に言った一言は忘れない。
「良くなったらゴルフにいくで！」

「うん。良くなったらゴルフに行こう。いや、お前だけは連れて行く。」

わしも体をしぼるから、また会いたい。

死の確率を低くしたお前に尊敬の念を抱いている。
どんな状況でも、折れなかった君の理性や心意気を見習いたい。


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