「ねじ式」や「ゲンセンカン主人」などシュールな作品で評価高いマンガ家 つげ義春(1937-)。
2014年1月号(2013年12月25日発売)の『芸術新潮』がつげ義春の特集を組んだ。1950年創刊の『芸術新潮』が60余年の歴史の中で特集をしたマンガ家は手塚治虫、水木しげる、大友克洋の3人のみであった。今回、つげ義春で4人目となる。
そして、『日本美術全集』の第19巻「拡張する戦後美術」(小学館・2015年6月刊行予定)につげ義春の代表作「ねじ式」が収録予定である。
何故、いま『芸術新潮』『日本美術全集』はつげ義春を取り上げるのか。
美術誌がマンガの特集を組んだり、美術館でマンガに関する展覧会が開催されたり、マンガが美術関係のメディアで取り上げられる機会が多くなってきたが、「マンガは果たして美術なのか」という問いは尽きることがない。
『ねじ式』(ねじしき)は、つげ義春により1968年月刊『ガロ』6月増刊号「つげ義春特集」に発表された漫画作品。短編の多いつげ義春の作品の中でも特に有名で、彼を代表する作品として作品集の表題作ともなっている。日本漫画だけにとどまらず、多くの分野に多大な影響を与えた。
ねじ式に何の意味があるのだろうか。手術をされ腕にねじがつけられた男。そこから何かあるわけではなくそこで終わってしまう。しかしこの作品は映画化されたり話題になることも多い。不思議な作品だ。不思議な魅力が詰まったこの本をぜひ読んでみてください。不思議な魅力に取り付かれる人、また何も感じない人も要るだろう。面白くないという人もいると思う。そんなとにかく不思議な本です。
ねじ式は、面白いと思う人と、よく解らないと思う人との差が顕著な本だろう。例えばメメクラゲに噛まれて主人公は当然静脈が切断されるわけだが、どうして(当然)なんだ!と思わず心の中で叫ぶこの不合理をそのまま受け入れられない人は面白くないのではないか。個人的にはこの、不合理が違和感なく世界に溶け込んでいることが「ねじ式」の面白さだと思う
つげ 義春(つげ よしはる、1937年10月31日(実際は4月の生まれ) - )は、漫画家・随筆家。本名:柘植 義春(読み同じ)。『ガロ』を舞台に活躍した寡作な作家として知られる。
テーマを日常や夢に置き、旅をテーマにした作品もある。『ガロ』を通じて全共闘世代の大学生を始めとする若い読者を獲得。1970年代前半には「ねじ式」「ゲンセンカン主人」などのシュールな作風の作品が高い評価を得て、熱狂的なファンを獲得した。
漫画家のつげ忠男は実弟。妻藤原マキは、唐十郎主宰の劇団・状況劇場の元女優。一男あり。
ねじ式 (+ 再生リスト)
ねじ式 (+ 再生リスト)
「紅い花」(つげ義春)映画ゲンセンカン主人(1993年石井輝男監督)より
映画『つげ義春の蒸発旅日記』予告
【つげ義春】 幻のラジオドラマ ー昭和46年ー
映画「無能の人」劇場予告