外では激しい雨が降っていた。
踊り子(南栄子)は何かに取り憑かれたように踊り続けている。
ここは、深夜の精神病院で、踊り子は患者の一人。
この病院で小使として働く老人(井上正夫)は、ある鉄格子の付いた部屋の、
ひとりの狂人の女性(中川芳江)を見ていた。
小使として働く老人は元船員で、長い航海生活で家庭を顧みなかったことで、
妻は、悩み、孤立し、幼い子供と投身自殺を図ったものの、子供だけを死なせてしまったことから発狂、
この病院に収容された。
彼は自責の念にかられ、妻を見守るためにこの病院で働いていた…
☆1926年(大正15年)の日本のサイレント映画。
映像表現の純粋性を追求するために全編が無字幕
原作 川端康成
脚本 、川端康成、衣笠貞之助、犬塚稔、沢田晩紅。
とはいえ、脚本があっても字幕もセリフもないので
Wikipediaであらすじを見ないと正直、意味が分かりません
牢屋のような精神病院の部屋で踊り続ける踊り子やそれに狂乱する患者たちなど見てしまうと、
日本初の本格的な前衛映画(アヴァンギャルド映画)というのは良くわかる
映像の純粋性を保持するためこの形態を取ったらしいけれど、
公開時は、活動弁士の説明が伴っていたという。(うらやましい)
とはいえ、100年前の映像を見られることは眼福という他ないよね
歴史的な映像は貴重です。
☆☆☆
「狂った一頁」1926