キムの上海日記 (外伝)

2004年10月から上海に赴任。中国でのExcitingな生活を日記として掲載。

瀋陽 八日目

2006年02月07日 03時19分46秒 | Weblog

【瀋陽 八日目】

いや~、今日は最高!
鼻水垂れまくり、喉は相当痛いものの、い~い感じで旅締めくくれた感じですね。瀋陽いい!ってことで、ようやく八日目にして旅の最後の訪問都市瀋陽に辿り着きました。思えば哈爾濱からここまであっという間の旅でしたが、いよいよ明日の瀋陽観光で締めとなります。旅の最終日は家に帰れる気持ちでほっとすると同時に、いつもの日常生活に戻ってしまう喪失感でブルーになるような複雑な気持ちになります。ずっと家に居続けるなんてちょっと想像もつかないくらい耐えられないけど、やっぱり旅をし続けることも辛いんだろうね。ただ、いろんな旅を通じて多くの物を見て、触って、経験して、食べて、飲んで、騒いで、友達になって、ってゆうのがやがて自分の血肉となり経験となり、いずれは魅力と人間力につながる事を信じて、これからも定期的に旅に出たいなあと思います。まだまだ中国でも行かなければいけない場所が沢山あるしね。早くも次なる旅が楽しみです。まずは上海にもどって風邪を治さなければならないけど・・・。

さて、今朝は一昨日の夜はしゃぎすぎたせいか、異常なバス移動為か、非常に体調が悪く出発時間を10時にしてもらいちょっとゆっくり寝ておりました。もうバスの移動はこりごりだったので、その間に友達に昨日目をつけていた幾つかのタクシーに電話して貰い丹東→瀋陽移動の交渉をして貰い、10時にホテルの前まで迎えに来てもらいました。一人で旅しているとこうは融通が利かないので、非常にありがたいですね。結構交渉したみたいですが、最後はFaceToFaceで価格交渉し、650RMBでDoneDealしました。650には丹東→瀋陽の移動費用以外に、丹東→虎山長城→五龍背温泉→瀋陽ってことで、瀋陽までの道のりの間に二つの観光地?を訪れちゃおうって計画です。そもそも丹東→瀋陽だけでも400kmくらいあるし、これで650は結構お徳じゃないかな~と思います。最初はかなり無愛想なおっさんでしたが、運転の腕はなかなかでした。ちなみに、瀋陽には3種類くらいの車種のタクシーが走ってましたが、赤<水色<黄色って感じで車の質が良さそうでした。

北朝鮮を右手に見ながら(だんだん北朝鮮も見飽きて来た・・)北上し、まずは虎山長城に向かいます。ここは明時代に作られた長城で、あの万里の長城の東端であると言われております。うーん、感慨深い。Updownのある石造りの城壁は間違い無く万里の長城です。しかしなんてデカイ建造物なんでしょうか?この長城を一つの建造物であると言うならば間違い無く地球上で最もスケールのデカイ人造建造物でしょうね。北京の郊外の万里の長城、敦煌の万里の長城の西端に続き、この虎山長城によって、ようやく長城の東の果てから西の果てまでを訪れる事が出来ました。これでようやく一つの旅が片付いたような気持ちにもなります。この壮大さを確認するたびに、かつての中華各帝国がいかに北方遊牧民を恐れていたか?という事が分かるように思われます。時には遊牧民に侵略され、遊牧民の国家が出来、時には逆に中華の力が強くなりと、この長城を中心とする地域は常に異文化の衝突地点でありつづけたのです。それを証明するかのように、瀋陽や丹東付近には様々な民族が定住しております。朝鮮族、満州族、回族、シボ族、モンゴル族、それにもちろん漢族。日本に育ったおいらには、それぞれがそれぞれの文化や言語を守りながら共存している姿は非常に不思議に思われます。

次に向かうは、今回の旅初の温泉!です。いやあ、やっぱり寒い日は温泉ですよね。零下20℃や30℃の中で入る温泉は最高だろうな~。ってことで、ちょっと回り道ではありましたが、無理して旅程に組み込みました。温泉に浸かれば風邪も治ろうってもんです。辿り着いた先は「五龍背温泉」ってところで、丹東からは30分程走った田舎にあります。かなりの平地で温泉が出ているのか疑問でしたが、源泉はたしかに存在してました。そもそも、中国の場合わざわざお湯を沸かしたり循環させてたりするのは金も掛かるし、施設も無いので、温泉って名の付く所は基本的に源泉が垂れ流されている可能性が高いです。お湯はまあアル単系の高張温泉でしたが、旅で冷え切った体には心底暖かく心地よかったです。例によって例の如く1人1部屋1浴室の形式でお一人25RMB程。この形式、いつでも新鮮な張りたてのお湯に浸かれるので、俺は結構気に入り出してます。

温泉に浸かり、いい気持ちで爆睡している間にも車は140kmでぶっとばし、15時過ぎに無事瀋陽へ到着。無愛想なおっさんが、お金を渡した途端に素晴らしい笑顔を見せてくれました。やっぱり中国人だね。ホテルは北駅近くの4☆グロリアホテルです。施設も良く、フロントの服務員も英語が話せる感じでなかなか快適です。荷物を置いて早速市内観光へ。瀋陽にはかつて仕事で2回くらい来た事があるけど、観光は初めて。なんといっても瀋陽は清の始祖であるヌルハチが後金国を建国した際の首都として有名だけど、満州国時代には「奉天」と呼ばれ、重要都市として市内には日本式の建物が建てられ、今でも数多く残っております。満州事変の発端となった柳条湖事件(中国では9.18事変)も1931年9月18日夜10時過ぎにこの地で勃発しております。中国では今尚9.18という日付には敏感で、中国が日本に屈辱を受けた日として全ての国民に記憶されております。そんなこともあり、毎年9.18日は日本人駐在者はあまり外出せずに家でおとなしくしている事が多いです。抗日運動も激しくなるしね。もし中国を旅行するのであれば、この前後は避けたほうが無難です。

清時代の遺跡は明日に回して、今日は市内繁華街をそぞろ歩きました。まず、遅めのお昼用に中街の近くで食った「李連貴人餅」が最高だったことを記録しておかなければなりません。これはこのあたりの特色XiaoChi(おやつみたいなもん)ですが、揚げ立ての小麦のパンに豚肉の燻製肉と葱味噌を挟んで食べるのです。いや~久しぶりのXiaoChiヒットです。これは是非食うべし。街もこれまでの東北各都市に比べると活気があり、人出も多く、大都会。本物のスターバックスを発見した時には、嬉しくて飲みたくも無いのに思わず買いたくなってしまいました。長春でも哈爾濱でもスタバは見なかったので、ひょっとするとこの瀋陽がスタバの北限かもしれませんね。寒いかな街をあるきつつ、腹を減らし夕食へ。ホテルお勧めの「慶会楼」へ。行って見るとまたも朝鮮料理、ちょっと食傷気味だよ、と思いつつも他の選択肢も無く試してみると、これが異常に旨い。これまでの朝鮮料理とは段違い。料理として完成度が高かったです。日本でも売れるクラス。特に、冷麺とサムゲタンが絶品でした。

夜はS先生お勧めの夜総会に行きますが、残念ながらこの日は閉店。ホテルのボーイを捕まえて瀋陽で一番熱い店を聞き出し、行って見るとコッテコテの中華系。六階建てのお城みたいな場所でしたね。小費は200でしたが、箱代は900程掛かりました。まあ、異常に楽しかったので笑顔で払いましたけど。

明日の夜にはいよいよ上海へ帰ります。
夕食はピザ食いたい。ピザ。

* 写真は夜の瀋陽駅です。日本の建設した三大レンガ建築物と言われているみたい。東京駅、ソウル駅そしてこの瀋陽駅。歴史の爪跡は残り続けますね。


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