氣まぐれ剣士の言いたい放題

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750 心の鈴

2009-12-08 08:06:39 | Weblog
氣まぐれ剣士の言いたい放題

750 心の鈴

星野富弘氏の「鈴の鳴る道」に、車椅子に乗って生活すると、道がでこぼこだらけなのに氣がつく、という話があります。

段差に滅入ってしまうのだが、車椅子に鈴をつけてでこぼこを通るたびに、「チリーン」となるようにしたところ、心持ちが変わった、そういう話です。
引用してみます。

――― 心にしみるような澄んだ音色だった。(略) その日から、道のでこぼこ道を通るのが楽しみになったのである。(略) “人も皆、この鈴のようなものを心の中に授かっているのではないだろうか”その鈴は整えられた平らな道を歩いていたのでは鳴る事がなく、人生のでこぼこ道に差し掛かったとき、ゆれて鳴る鈴である。

美しく鳴らし続ける人もいるだろうし、閉ざされた心の奥に押さえ込んでしまっている人もいるだろう。私の心の中にも小さな鈴があると思う。その鈴が澄んだ音色で歌い、キラキラと輝くような毎日が送れたらと思う。私の行く先にある道のでこぼこをなるべく迂回せずに進もうと思う。


星野さんは新任のとき、学校の体育の授業で鉄棒から落ち、首の骨を折って下半身不随になり、車椅子生活を余儀なくされた方です。
あるときから、筆を口に抱え、素晴らしい草花を絵がきつづけて見えます。
彼の絵は、なにげない草花が多いのですが、なぜか見る人の目を釘づけにします。

小生なんか、絵のことはさっぱり分かりませんが、星野さんの絵を見ると、心の底からこみ上げてくるものがありますね。
やはり、大切なものを失うと、ほんとうに大切なものが分かるのでしょうか。

この鈴のように心の持ち方を変えるだけで、苦痛であったものが、楽しくて愛おしいものに変わるかも知れませんね。

ある看護士が、私が夜勤をしているときにかぎってナースコールが多いと、とても不満でした。あるとき患者さんがその訳を教えてくれました。
それは“あなたが一番優しいから、みんなあなたが夜勤になるのを待っているのですよ”ということでした。
それを聞いた看護士は、あれほど不満だったナースコールが、なんだかとてもいとおしく待ち遠しくなったそうです。

これなんかはピッタシの例ですね。起きている出来事はまったく同じでも、原因が分かったり、心の持ち方が変われば、まったく変わった結果になりますね。

いかに自分の心にすがすがしい鈴をつけるかですね。