氣まぐれ剣士の言いたい放題

氣まぐれ剣士が剣道その他を思うままに書いています。
一度のぞいてください。

370 縁を生かす

2006-08-11 07:51:04 | Weblog
氣まぐれ剣士の言いたい放題

370 縁を生かす

メルマガに載っていたお話です。

その先生が五年生の担任になった時、生徒の中で一人、服装が 不潔でだらしなく、どうしても好きになれない少年がいた。 中間記録に先生は少年の悪いところばかりを記入するようになった。

ある時、少年の一年生からの記録が目にとまった。
「朗らかで、友達が好きで、人にも親切、勉強もよく出来、将来が楽しみ」とある。「これは間違いだ。きっと他の子の記録に違いない」先生はそう思った。

ニ年生になると、「母親が病気で世話をしなければならず、 時々遅刻する」と書かれていた。

三年生では「母親の病気が悪くなり、疲れていて、教室で 居眠りする」後半の記録には「母親が死に、希望を失い、悲しんでいる」とありました。

四年生になると「父は生きる意欲を失い、アルコ―ル依存 症となり、子供に暴力をふるう」

先生の胸に激しい痛みが走った。

駄目と決めつけていた子が、実は、突然深い悲しみをじっと胸に収め、必死になって生き抜いている生身の人間として、自分の前に立ち現れてきたのだ。先生にとってまさに 目を開かれた瞬間であった。

放課後、先生は少年に声をかけた。「先生は夕方まで教室 で仕事をするから、あなたも勉強していかない?わからな いところは教えてあげるから」少年は初めて笑顔を見せた。

それから毎日、少年は教室の自分の机で予習復習を熱心に続けた。授業で少年が初めて手を挙げたとき、先生に大きな喜びが沸き起こった。少年は自信を持ち始めていた。

クリスマスの午後だった。少年が小さな包みを先生の胸に押し付けてきた。あとで開けてみると、香水の瓶だった。亡くなったお母さんが使っていたものに違いない。

先生はその一滴をつけ、夕暮れに少年の家を訪ねた。
雑然とした部屋で独りで本を読んでいた少年は、気がつくと飛んできて、先生の胸に顔を埋めて叫んだ。「ああ、お母さんの匂い!今日はすてきなクリスマスだ」

六年生では先生は少年の担任ではなくなった。卒業の時、 少年から一枚のカ―ドが届いた。「先生は僕のお母さんのようです。そして、今まで出逢った中で一番すばらしい
先生でした。」

そして卒業後、六年経って、又カ―ドが届いた。「明日 は高校の卒業式です。僕は五年生で先生に担当してもら って、とても幸せでした。おかげで奨学金をもらって医学部に進学できます」


十年を経て、又カ―ドがきた。そこには先生と出逢えたことへの感謝と、父親に叩かれた体験があるから、患者の痛みがわかる医者になれると記され、こう締めくくられていた。

「僕はよく五年生の時の先生を思い出します。あのまま 駄目になってしまう僕を救って下さった先生を、神様のように感じます。大人になり、医者になった僕にとって
最高の先生は、五年生の時に担任して下さった先生です」

そして一年経って、届いたカ―ドは結婚式の招待状だった。
「どうぞ、母の席に座って下さい。」と一行、書き添えられていた。

たった一年間の担任の先生との縁。その縁に少年は無限 の光を見出し、それを拠り所として、それからの人生を生きた。ここにこの少年の素晴らしさがある。


 スゴイ話ですね。この少年がこの先生と出会わなかったら、どうなっていたか分かりません。自分を認めてくれる先生がいたからこの少年も立ち直れたのですね。この少年にとって、この先生は神様であり、お母さんそのものだったのでしょう。

人を認めて上げることがどれほど大事なことか、その人の人生をも決定してしまうほどのパワーがあり、影響力があることを、身をもって教えてもらえましたね。 

 最近の事件を見ていると、みんな、愛情に飢えているような気がします。みんな自分のことを認めてほしいのですね。事件を起こす前にこの先生のような人に出会えたら、もっと違った人生になったかも知れません。
 つくづく「縁」という出会いの不思議さを感じます。

 氣まぐれ剣士は皆様に出会えて良かったです。

次回もお楽しみに