『木くばり屋』

身の回りの自然と付き合って生きるのが、山に生きる人の暮らしだと思います。のんびり実践しながら、報告してゆきます。

お彼岸

2011年09月25日 | 木づかい生活
秋のお彼岸。
お彼岸ってなんだっけ・・・

そういえば
お墓参りに行く日くらいにしか思ってなかった。
こんなものなんだ、私たちの先祖への感覚って。


昨日お墓参りに行くつもりでいたのに、
結局忘れてしまって
さっきおばあちゃんと&と智尋と4人で行ってきた。

午後は、私の実家のお墓参りに行くつもり。

昨日の夕方、おばあちゃんが、
「いつもはもっと早よ来るのに、
 今年はなんでちっとも来んって怒っとらっせるかもしれん。」
と、つぶやいた。


このあたりでは、
朝洗濯を干しに外へ出ると、木魚の音が聞こえてくる。

毎日かかさずとはいかないけれど、
おばあちゃんは朝になるとご飯をそなえて、
線香とろうそくに火をつけてお経をあげる。
私もときどき傍について真似をする。

あと数年もすれば、
このあたりの家から朝の木魚は聞こえなくなる。
とても、寂しい。


23日に、みんなでおはぎを握って食べた。
昨日は栗ご飯。


ありがとう
ありがとう
そうやってご先祖様と語り、
自分自身を振り返るおばあちゃんたち。


一つ一つの暮らしの姿と、
そこに込められた思いを、
わずかでも受け継いでいきたい。

大切にする暮らし

2011年09月24日 | 木づかい生活
今日、義母が離乳食を食べ始めた息子のために
子ども用の椅子の座面を張り直してくれた。

よく見ると食卓の椅子と同じ布。
もう2回は張り直したという。


そういえば、
昨日は朝から扇風機を片つけていた。

家中の4つくらいの扇風機を、
一つ一つカバーを外して羽を拭いて・・・。


息子には、ほとんどおもちゃを買ってあげていない。
絵本におもちゃに・・・たくさん頂いた。
そして、&三姉弟と従姉弟たちが子どもの頃に遊んだおもちゃ。
きれいに洗って箱に集めてしまってくれていた。

子ども布団も、
&三姉弟たちのものを叩き直してくれた。

今パソコンに向かっている机は、学習机。
二段ベッドも解体して、木のジャングルジムも、
小屋二階で出番を待っている。


網戸が破れかけて蚊が舞いこんだら、
&が義父に習って網戸を張り替えてくれた。


共稼ぎの家族家庭に育った私と、
両親祖父母にやってもらって育った&。

今、手をかけて大切にする暮らしを学んでいる。

いただきもの

2011年09月23日 | 木づかい生活
yutoriです。

台風一過、
ありがたいことに今回は大きな被害は何もなかった。

11年前の東海豪雨では、
私たちの住む地域は山が崩れ、
ダムを歩いて渡れるほどに土砂と倒木が流出し、
まちは大きな被害を受けた。

私の嫁に来たこの家でも、
稲刈りの前日に田んぼまるごと川に流されたそうだ。

電気も、水道も止まった。
道も土砂崩れで通れなくなり、
しばらく孤立することになって買い物にも出られない状況。

でも、病人・けが人を除けば、
この田舎では急を要することはない。


うちの台所には、蛇口が二つある。
水道水と井戸水。
さらに外へ出ると、山の水が引いてある。
よほど、水に困ることはない。

冬のこたつは、おばあちゃんが豆炭をおこす。
魚を焼くには、おじいちゃんが炭をおこす。
風呂には、給湯器の蛇口、天日の蛇口、
とうとう外されてしまったけれど、薪のボイラーもついていた。

11年前、お義母さんは、
停電で止まったストッカーの中の大量のイノシシ肉をどうしようかと困ったそうだ。
アユもキノコも・・・溜めてある食材がどんどん溶けてしまう。
食べるしかない!

あちらこちらの家がこんな調子で、
災害のさなかに、大御馳走を食べることになったらしい。


ライフラインが自給できるということは有難いこと。


蛇口から出る井戸水。ホースから出る山の水。
じいちゃんたちが、井戸を掘り、川から水を引いてきて、
本当なら手で組み上げてきた水。

じいちゃんたちのこれまでの苦労があって、
田舎にいる私たちの暮らしは守られている。

きっと、
自分で苦労する数が多いほど自然資源のありがたみが身にしみる。
そして、大切に使おうとする。

蛇口をひねれば出てくる水に、
そういう実感を持つことは難しい。

どうしても私たちは「節電」「節水」・・・と、
自分たちが困ったときだけ、身勝手に騒いでしまう。

いざ渇水だ電力不足だという事態にでもならない限り、
何の苦労もなく、自分の手元に届けられる命の源たちに対して、
「資源」という感覚もなく、だだくさに消費する毎日なのだと感じる。


大切な資源をいただいているという感覚、
ずっとずっと持ち続けていきたい。

そして、できるのであれば地域の私たちの手で、
資源を資源としていただき、
子どもたちにそのリアリティーとともに手渡していきたい。

Chihiro

2011年07月21日 | ある日のできごと
今朝、
息子が生まれて初めて寝返りを打った。

3ヶ月と23日目。
首がすわり始めて約1週間。

1日1日、
またたく間に成長していく。
嬉しくもあり、もったいなくもあり・・・。


<智尋>
2011年3月29日午前3時29分に
身長47cm、体重2642gで誕生しました。

小柄なのにへその緒が短かったらしく、
23時間59分もかかって、
心拍が低下しかかり吸引分娩で生まれてきました。

肌の色が白く
髪は金髪でとっても少なく、
一重まぶたでたれ目の子です。

小さいけれど、
生まれてすぐからよく飲み、
大きな声で泣く元気な子です。


名前は、
2人で考えたいくつかの候補の中から、
悩んだ末に&が決断しました。


「智」は、
叡智のことであり、
字の表すとおり日々の積み重ねや歴史の積み重ねを知ること。

「尋」は、
追求することであり、受け継いで繋げていくこと。
また、尋は長さの単位でもあり、一尋は両腕を広げ伸ばした長さ。

「智尋」は、
両腕で抱えきれるだけの智。
生活の中にある叡智の積み重ねを大切に受け継いでいくこと。

硬い難しい名前だけれど、
想いを込めてつけました。

祖父母の代まで脈々と受け継いできた、
持続可能な暮らしの叡智が失われようとしている今。
20世紀の短期間につくられた持続不可能な人間の活動が、
自分たちの足元を脅かしていることに誰もが気づかされた今。

時代の大きな転換点に生まれてきたわが子へ、
私たちからの最初で最大の贈り物。


子どもが生まれて今まで以上に
人の短い一生の中でできることは少ないと
感じさせられるようになりました。

わが子が、そのまた子どもが、
安心して暮らしていける地域の土台づくりをしていきたい。

私たちが生きている間にその恩恵にあずかることはなくとも、
未来につながる生き方をしていきたいと感じています。

陣痛

2011年03月28日 | 木の駅
yutoriです。

3:45、
いよいよ陣痛が始まった。
朝まで家で頑張って、病院に向かおうと思う。
今日、
生まれれば結婚記念日生まれになるな~。


今、
これからの日本の転換点にさしかかっている。
生まれてくるこの子の生きていく世界がどうなっていくのか、
ずっと情報を追いかけていた。
耳を澄まし、目を凝らしていなければ、守れないことがあるから。
それですら、守れないことがあるから。


それと同時に、
繋がり合い支え合える地域、
働く場のある地域、
食とエネルギーとサポートを自給できる地域を、
つくりたくて「木の駅」に携わっている。
昨夜も地元の人たちとの会議に参加していた。


現在、起こっている色々な事態に、
私は直接何もすることができない。


今、私にできること。
生まれようとする命に感謝し、
足もとで出来る一つ一つを積み重ねること。


う~ん、
もう1時間に10回くらいは陣痛来てるな~。
ゆるゆると、
この大切な時間を味わってきます。