風来雑記帳

時事社会・国際問題からスポーツまで、幅広い話題をごにょごにょと考えます。

●北方領土問題の動かし方~交渉のテーブル作りが始まった?

2006-09-29 23:10:09 | 世界やぶにらみ(国際問題あれこれ)
今日は早朝から外回り。で、更新が随分遅れてしまった。
ニュース的には、民主党の細野議員とTBSニュース23の新キャスターとの不倫スクープなんかが面白いのだが、感想としては別に無い。他人の情事は妬ましいだけである。民主党議員よりモナたんの方がきついなぁ、こりゃ。TBSは何やってもうまくいかない。
同業のテレビ朝日も大騒動だな。どちらも日頃偉そうにジャーナリズムを気取っているだけに、果たして誤魔化してそれで終わりにしようなんて事はあるまい。きちんとした検証と報道をやってもらおう、出来るなら。

◆「3島返還」大々的報道 北方領土で露有力視
(060929/フジサンケイ ビジネスアイ)http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060929-00000013-fsi-bus_all
ロシアの親プーチン政権派有力日刊紙イズベスチヤは28日、1面トップで安倍晋三首相率いる新しい日本政府が北方領土問題でロシアに対し譲歩し、「4島返還」ではなく、「3島返還」で決着を図る用意があると大々的に報じた。「島を分けるときがきたのか?」との見出しを掲げた同紙は、麻生太郎外相が27日、初の閣議後記者団に、北方領土問題について「これ以上、2島か4島かで勝ち負けを議論してもらちがあかない。双方が譲歩しなければ解決されない問題だ。最終的には双方の政治決断が必要だろう」と発言したと紹介。これまで「4島一括返還」を唱え続けてきた日本が「かつてないほどの勇気を持って論争となっている島々をロシアと分け合うというセンセーショナルな動きを見せ始めた」と伝えた。ロシアでは、安倍新首相は「タカ派」で、「反ロシア的だ」との見方を強め、警戒する声が高まっていただけに、麻生外相の発言に驚きがあったものとみられる。

僕は北方領土の問題は日本の抱える領土問題において、最も解決が遠い問題だと考えていた。韓国との竹島問題や中国・台湾との尖閣諸島問題に比較して、ロシアとの間で懸案となっている北方領土問題は、大きな相違点がある。それは北方四島にはロシアの人々が住み着いているという事である。
仮に四島が日本の帰属となって返還された場合、そこに住んで生活している人々をどうするのか、追い出せるのか、それともまさか日本人として受け入れるのか。旧ソ連によって追い出された日本人居住民の財産権や人権を、北方四島の返還を求めるに際して日本はこれまで国際社会に訴えてきた。それならばいま現在そこに住んでいる人々の人権や財産権は一体どうなるのか。日本が人権を大切にする先進国ならそれは到底無視できないではないか。
そこではすでに数十年にわたってロシア人の生活がある。中には親の世代から住み続けている人々もいるはずである。そこで生まれた人々にとっては、北方四島は紛れもなく故郷である。
金で解決をつけて良い問題ではない。日本人の矜持である。

麻生ローゼン閣下が譲歩を示唆した。交渉事はおさまりのつく「ほどほど」で双方が納得できるモノが一番良い。北方領土に関しては、ロシアはすでに2島先行返還を日本に打診し、日本はかたくなに4島一括返還を主張して交渉が暗礁に乗り上げていた。確かに原理原則的に言えば、明確に日本の領土である以上4島一括返還が当然であろうが、そこは交渉事である。
僕は本気でロシアから北方領土を返還させるには、取りあえずこうした譲歩は必要だと考える。
ロシア側にとっても日本との友好を深めるのは、極東シベリアをどうするかにとって大きな問題となる。北方四島はあくまでもその障害であって、お互いが面子を捨てて交渉テーブルに付けば必ず解決できる問題に過ぎない。日本とロシアの問題は実は北方領土問題を越えて、極東シベリアの存立に関わる重要な関係作りに直結した問題なのである。

日本にとってロシアとの友好関係は正直重要性は低かった。しかし中国の台頭や朝鮮半島統一の機運を考えると、ロシアとの関係を利用して中韓を牽制しておく必要がある。ロシアカードを手に入れる事は極東のパワーバランスの上でも大切な事であろう。
ロシア全体では欧州連合への接近が明らかだが、極東シベリアに関しては日本の関与が必要である。ロシア自身もまたアメリカも、この地域の安定のために日本のプレゼンスが高まる事を歓迎している。日本としては、その前に北方四島問題を解決しなければロシアとの友好関係は前進できない。麻生外務大臣の今回の観測気球はどうやらロシア側にも好評であるらしい。
一気に解決に持っていくのは難しいが、テーブルについて交渉を始めるのは良いタイミングであろう。中韓を牽制し、日本は領土問題をきちんとした話し合いで解決する事を示す事にもなる。

しかし本当の事を言えば、北方四島などどうでもいい。返して貰ったって別に大して嬉しくもない、というのが実際の国民大多数の気持ちではないか。それだけに返還に際して妙な裏約束や資金投入の約束などをして欲しくはない、あんな所に財政投入したって、今まで密漁で儲けていた漁師たちに餌を与えるだけなのだから、正直、本当にどうだっていいのである。ま、相手はロシアだけに交渉は簡単ではないだろうが、麻生外務大臣の奮闘を期待している。


●脱力系2題~アンチヒーロー「ノム&カメ」

2006-09-28 10:11:28 | 本日のニュースから
◆盧武鉉大統領「衛星打ち上げで地球征服した気分」
(060927/YONHAP NEWS)http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060927-00000006-yonh-kr
【ソウル26日聯合】盧武鉉大統領は26日、多目的実用衛星「アリラン2号」や軍民共用通信衛星「ムグンファ5号」の開発・打ち上げに携わった関係者150人余りを青瓦台(大統領府)に招き激励した。 盧大統領は「科学技術の中でも宇宙航空技術こそが科学技術の『花』。テレビで初めて打ち上げのシーンを見たときは特別何も感じなかったが、伝送された写真を見てもどかしい気持ちが晴れた感じがした」と打ち上げの成功を評した。また、アリラン2号は「目」となり世界各地を見ることができ、ムグンファ5号は「耳」となり南太平洋上空で通信をカバーするため、何となく地球を征服したような快感があると述べ、関係者らの労をねぎらった。 このほか、衛星の打ち上げの成果について、「世界何位、数カ国のうちのひとつ、と考えただけで感激だが、植民地から解放された国では唯一。あとは飛行機だけもう少しよいものを作れば終わりだ」と述べ、韓国が短期間に科学技術を蓄積して成果を上げたことに喜びを示した。
もうね、この脱力感たるや並大抵のモノではないな、勘弁してくれノムたん。
ロシアのロケットで打ち上げて貰ったのに、まるで自力で打ち上げたかのようなおバカぶりは一体何事なんだろうか。世界中で見られるグーグルアースより解像度の低い「軍事偵察用衛星」ってのも恥ずかしいが、今時人工衛星など東大阪の町工場で簡単に作れてしまうのに、手放しの喜びようは関係者にしても随分恥ずかしかったに違いない。
しかし言うに事欠いて「地球征服したような快感」って、ノム本当に大丈夫か。
そんなに地球を征服したかったのか、ノム。
「植民地から解放された国では唯一」って、アメリカもインドもちゃんと自前のロケット技術で衛星を打ち上げているが、それは無視か、ノム。
第一、お前らは「併合」されていたのであって「植民地」ではない。捏造するにも程があるぞ、ノム。
誰にだって思い違いや勘違いと言う事はある。ましてや左巻きのまま還暦を迎えた気の毒なおっさんであるノムなのだから、そりゃ口を開けば恥をさらす事態も仕方がない。しかし事は一国の酋長の言葉である。
日本の首相の歴史認識がどうのこうの言っている場合ではない。自分たちの酋長の頭の中身からきちんと検証しなければ、韓国という国は国家として世界中で恥をかき続ける事になる。
酋長がバカで物知らずなのは今さら仕方がない、が、周囲の誰かが訂正しろよ。聯合通信もただ酋長のおバカな言葉を配信するだけではなくて、きちんと事実を伝えろよ。まさか酋長の言葉を真に受けている訳ではあるまい。え?そうなの?
、、、し、しかしいくらなんでも「地球征服」って、本気か韓国。

◆大毅判定勝ちに騒然!観客乱闘!
(060928/スポニチ)http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060928-00000012-spn-spo
前代未聞の乱闘がぼっ発した。27日に東京・後楽園ホールで行われたプロボクシングの亀田3兄弟の次兄・大毅(17=協栄)の試合後、ヤジを発端とする観客同士の乱闘が発生。WBAのヒルベルト・メンドーサ会長(66)ら役員が見守る中、場内は騒然となった。試合は大毅がバレリオ・サンチェス(36=メキシコ)に小差の2―0判定勝ちしたが、兄・興毅(19)の微妙な判定勝ちから続く亀田騒動が思わぬ波紋を生み出した。
関西ではMBSが夜中に録画中継していたようだが僕は見なかった。大体亀田兄弟というか、この親父の事はどう考えても好きにはなれない。だから亀田兄弟の試合は出来るだけ見ないようにしている。ま、見たら負けかな、って思っている訳で、負けそうになる自分を叱咤激励して出来るだけ見ないのである。
わざわざ平日の昼間に高い料金を支払って後楽園まで見に行って、そこでやじり倒して騒動を起こす、という感覚がどうも良く分からない。ボクシング好きとも思えないし、もちろん亀田兄弟のファンでもないのだろう。まさか話題作りにTBSが仕込んだヤラセではないだろうが、やりかねない局だけに怪しい(W
しかし17歳の小僧のノンタイトル戦にもかかわらず、これだけの客が入りWBA会長まで来ちゃうのだから、そりゃ協栄ジムを始め関係者はウハウハであろう。スポーツマスコミだって持ち上げるのは当然、だって金儲けだもの。

これからはアンチヒーローの時代である。
アンチヒーローというのは日本ではなかなか難しかった。それがホリエモンで風向きが変わり、亀田兄弟で確実にビジネスベースに乗った。坊ちゃんお嬢ちゃんばかりの世の中で、堂々と「ワル」を表に出して開き直れるタレントが持て囃される時代がまたやってくる。もちろん単なる「ワル」だけでは難しいが、そこに何かにチャレンジするという色づけが有れば、バカな坊ちゃんお嬢ちゃんは簡単に取り込める。
もう品行方正で正直な人ばかりを見せられるのは、ちょっと飽きてきたのである。規格通りの生き方を強いられている僕たちには、それを破ってのびのびと生きている風に見える人物が羨ましい。
亀田兄弟をアンチヒーローというのは確かに過大評価かもしれない。いま現在はただメディアに騒がれるだけのチンピラボクサーに過ぎないだろう。日本がこれまで生み出した世界チャンプに比べると、彼らのボクサーとしての実力はあきらかに大した事はない。しかし彼らの人気の本質はボクサーではない、DQN丸出しの言動が物珍しいからである。
大阪の人間にとって彼らの言葉使いを聞いているのは苦痛である。まともな人間ならああいう喋り方はしない。彼らの仲間内の言葉使いをそのままメディアに乗せてしまう頭の悪さは、本当に勘弁して欲しいと感じるのである。しかしその言葉使いがある種の人々にとってはカタルシスとなるらしい。それはそれで分からないではないが、なんだかなぁ、である。
亀田兄弟が実力で世界チャンプとなり、防衛回数を積み上げていく事になれば、アンチはなくなり間違いなくヒーローとなる。ボクシングはそう言った意味で分かり易い世界である。
果たして彼らはそこまで上り詰める事が出来るだろうか。
彼らを操る大人たちの醜さはまた別の問題なのだが。

●新政権発足とは言っても期待値は低い~期待は首相補佐官

2006-09-27 10:17:31 | 本日のニュースから
ミナミのスポーツバーでビール堪能。
最初は同行者のうんちくを聞きながら、1杯ずつ神妙に味わっていたのだが、杯を重ねる毎にどうでも良くなって鯨飲。だめだなぁ僕は。
ドイツビールでNFLを見るというのは、果たして有りなのか知らないが、モノを食べながら見るにはアメリカのスポーツは上手く出来ている。
攻守の交代がはっきりしているし、プレーに適当なインターバルがある。1プレー毎にリプレーがあって分かり易い。実にテレビ番組に最適化したスポーツである。
ま、どう観たって日本では無理だろう。関西では学生フットボールが盛んで人気も高い。僕も毎年関京戦を見に行っていたが、どう考えても日本のアメフトとNFLの差は大きすぎる。まるで別のスポーツである。
悔しいが、まずはNFLで出場できる日本人が一人でも出て、そしてその数が増えて行くのを待つしかない。ま、何も世界舞台だけがスポーツではない。日本人が日本国内で楽しんでいればそれで良いという考えも理解できる。理解できるが少し空しい。ドイツビールが実に美味いのも、少し悔しい、今日この頃である。

◆安倍内閣、閣僚の平均年齢60.9歳 初入閣は11人
(060927/朝日新聞)http://www.asahi.com/politics/update/0927/003.html
26日発足の安倍内閣の安倍首相を含む閣僚の平均年齢は60.9歳で、5年前の第1次小泉内閣とほぼ同じだった。初入閣は11人。女性は2人、非議員は1人で、第1次小泉内閣よりそれぞれ3人、2人減った。小泉内閣からの再任は、安倍氏をのぞくと麻生外相の1人だった。派閥別では森派、丹羽・古賀派が各4人。伊吹派、津島派が各2人、高村派、山崎派、河野グループが各1人。谷垣派、二階グループからの入閣はなかった。
昨夜からメディアのこき下ろしが続いている。ま、どうしたって日本のメディアは政府をこき下ろす事がジャーナリズムだと勘違いしているから仕方がない。今時マスメディアの言う事を真に受けるバカも少ないだろうが、しかし発足直後からボロカスに言われると、一般国民としては新政権への期待値はぐんと下がってしまう。小泉さんの時のようなある種の熱もなく、華もない新政権だが、果たしてこの布陣で来年の参院選を乗り切れると考えているのだろうか。
注目はやはり5人の首相補佐官だろう。
要は官邸主導のトップダウン方式の政治をやるぞという事だろうが、さて、安倍政権にそこまでの求心力が保持できるだろうか。各国務大臣がラインだとすれば首相補佐官はブレーンスタッフである。一般企業でも戦略スタッフ部門の拡充と機能強化が重要な組織改革の要となっている。トップを支え、戦略的に施策を立案し、社内を調整し、プロジェクトを成功に導く、というその役割は、実務としては誠に地味なモノである。首相補佐官という名称は大仰だが、その仕事は激務で黒子である事が要求される。安倍新政権に於けるツボはこの5人であろう。
後の大臣は実はどうでも良い。
派閥均衡であろうが論功行賞であろうが、一体それのどこがいけないのか?要は国務大臣としてとりあえず無難に仕事をこなせばいいのであって、そう言う意味では手堅い人選であろう。
小泉政権の5年半で、国務大臣の地位は大幅に低下した。官邸主導で重要政策が打ち出され、民間登用の竹中さんが構造改革の旗振り役となって成果を上げた。各省庁の利益代表たる国務大臣の役割はあきらかに二の次だった。
安倍政権でもそれは継続され強化された。首相補佐官というブレーンスタッフが政策調整し、各国務大臣に降ろし、省庁で行政実務として実行される。あきらかに省庁は手足としての機能しか認められてはいない。これは実質的に大きな行政改革が実現されているのである。
21世紀の日本の総理大臣はお飾りでは務まらない。安倍政権の行方は果たしてどうか。
とりあえず新政権のお手並み拝見である。

◆【中国】上海共産党トップ解任、掲示板「悪者追放で気分爽快」
(060926/サーチナ・中国情報局)http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060926-00000005-scn-cn
中国共産党上海委員会書記を務めてきた陳良宇氏が公金流用への関与を理由に解任された。中国大手ポータルサイトの新浪網に開設された掲示板では「胡錦涛国家主席を中心とする中央政府が悪者を追放してくれたので爽快だ。拍手を送りたい」「胡主席を支持して、上海市民を苦しめてきた腐敗役人を一掃しよう」「陳氏を裁判にかけて刑事責任を追及するべきだ。上海の不動産価格がこんなに高くなったのは陳氏に責任がある」「上海だけでなく、全国で腐敗撲滅を進めるべきだ」として、一層の綱紀粛正を求める意見も見られる。ただし「これは妥協の産物だ」「権力集中が腐敗を招く」といった批判的な書き込みも散見される。
胡錦涛政権による逆クーデターが始まっているらしい。
先日は人民解放軍への人事介入による胡錦涛支配強化が伝えられ、今度は腐敗追放を表看板にした上海閥のトップ陳良宇の追放である。江沢民派が支配する上海を中心とする反胡錦涛派への強烈な一撃である。これで上海閥はガタガタである。
巨大な中国において、中央と地方の対立は常に歴史に刻まれてきた。地方閥が蜂起し連携し、大きなうねりとなって都を包囲し、そして王朝が倒される。中国の歴史とは常にその繰り返しだった。それは21世紀になった現在でも変わらない。人民解放軍自体が地方別に分断された地方軍管区ごとに競い合い、互いに強烈なライバル心で競争している。地方軍閥が地方政府と結びついてある種の自治状態になっていたのが上海に代表される反胡錦涛派だった。
いち早く外資導入によって都市基盤を整備し、経済発展優先の開発独裁で邁進して、中国有数の豊かな先進地域となった上海。この牙城を崩す事が出来たのは中央政府における勢力争いで胡錦涛派が勝利した事の証明だろう。
これで胡錦涛政権はある程度フリーハンドで対外交渉や国内政策に当たる事が出来る。
日本との関係修復もこれで進められる。
一時的に国内の引き締めがはかられ、経済のソフトランディングを目指した財政政策が採られるだろう。対外的には日本との関係修復、アメリカとの緊張緩和、そして六カ国協議に変わる新たな極東安全保障の枠組み構築(実質的な北朝鮮・韓国外し)が進められるだろう。
しかしその成否は不明である。

◆簡裁通じた法的督促、近く開始へ=受信料不払い対策でNHK
(060927/時事通信)http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/domestic/nhk/
NHKは26日の経営委員会で、受信料不払い者に対し、事実上の強制徴収である民事手続きに近く着手する方針を明らかにした。NHKと受信契約をしていて不払いとなっている対象者に予告通知を送付し、支払われない場合、簡裁を通じて督促を行うという。実施されれば、「視聴者の自主的な支払いを基本とする」としてきた受信料の性格が変わることになり、議論を呼びそうだ。 
NHKというのはどうも大きな勘違いをしているらしい。
受信料とは一体税金なのか、それともサービスの対価としての「料金」なのか。もし税金ならばその使途を徹底的に明らかにしなければならないし、徴収は税務署に任せばいい。放送サービスへの対価としてなら、スクランブルをかけて見たい人だけから料金を受け取ればいい。
公共性うんぬんというなら、最小限の体制にして、現行料金の三分の一程度に料金を値下げすべきである。
基本的にNHKのビジネスモデルはとっくに破綻している。
30%以上もの不払いがいて、テレビ1台ごとに1契約という建前も守られず、さらには最後の拠り所である「公共性」まで疑われている。料金徴収のコストはうなぎ登りで、さらに不払いの蔓延や解約者の続出、などそうした危機感がNHK上層部を動かして、こうした居丈高な処置がされるのだろうが、そんな事をするとますます反感を買う事に何故気付かないのか、実に不思議である。
簡裁から督促状が送られた不払い者は、同封された異議申し立て書を返送する。後日、和議の場で「テレビ受像器はありません」と事実を答えればよい、という。
善良な市民が「簡裁からの督促」という事におびえてあわてて不払い受信料を払うだろうという、受信契約者を舐めたNHKのやり口は、そこらのサラ金のパクリであろう。天下のNHKがサラ金の嫌がらせと同様のやり口をするなんて、末期症状も甚だしい。
NHKは本体は赤字になるように高収益部門を次々と子会社化し別部門化してごまかしてきた。いわゆる特殊法人の典型的なやり口だが、こんな組織が偉そうにジャーナリズムを名乗るなんてちゃんちゃらおかしい。
地デジ切り替えに際して大幅に解約者が増えそうなので、先手を打って今のうちに内部留保しておこうという小汚い算段だろうが、お前らの命脈はもはやそこまでだ。
世間は騙されてもお天道様はお見通しでぃ!神妙にしやがれ、てんだ、バァローめが。

●エネルギー資源大国ロシアとの付き合い方

2006-09-26 11:09:16 | 本日のニュースから
久しぶりに車で遠出である。あるクライアントの工場見学という事で、当然仕事がらみな訳であるが、ドライブは楽しい。日頃座業中心だから同行する若手も少しはしゃぎ気味である。高速道路のSAも久しぶりだから楽しい。ちょっとした遠足気分である。
日常からちょっと離れる事は気分を開放させる。物見遊山の効用は大きい。
まとまった休暇というと、なかなか難しいが、半日の日常脱出は気分転換に丁度いい。
無事仕事を終えての帰途、例によって都心に近づくと渋滞である。せっかくの良い気分が一遍に萎えてしまう。事務所に帰り着いて飲みに行く気にもなれず、そのまま退散。
やはり日帰りはダメか。折角勧められたのだから工場近くの温泉に泊まってくるのだった、と反省するももう遅かった。

◆サハリン1ガス、ロシア大統領「輸出せぬ」
(060926/朝日新聞)http://www.asahi.com/business/update/0926/001.html
ロシアのプーチン大統領は25日、サハリンで開発が進む石油・天然ガスのうち、パイプラインでロシア本土に運ばれる天然ガスについて「国内消費向けであり、国外には輸出しない」と述べた。日本の商社も参画するプロジェクト「サハリン1」を指しているとみられる。筆頭出資者エクソンモービルは、このルートで中国に天然ガスを輸出する交渉を進めているが、大統領はこれを認めない考えを明らかにしたといえる。プーチン大統領は「ロシアに(天然ガスの)輸出窓口は一つしかない。それはガスプロムだ」と述べ、政府系ガスプロム社の独占的な役割を強調。「サハリン2」の認可取り消し問題と同様、外資主導の石油・天然ガス開発に政府が横やりを入れる形となった。

ロシアというのはこういう国である、と言ってしまえばそれまでなのだが、約束事が守れないという国民性は、いくら石油価格の高騰で儲かっていようとも、いずれまた経済的に行き詰まるのは目に見えている、ロシアの宿痾と言って良い。
プーチン政権の強権はあきらかにかっての強大国共産主義国ソ連への回帰を目指しているのだろう。だから重要戦略輸出品であるエネルギー資源に関しては国家管理に取り込もうとするのだが、やり方がいかにもロスケらしい乱暴さであって、これでは西側の企業はロシアとまともなビジネスには二の足を踏む事になる。長い目で見ればロシアにとって明らかにマイナスなのであろうが、それでも強権を発動するのは、強硬姿勢で交渉条件を譲歩させるためなのか、それとも西側の石油資本を舐めているのか。
それとも、ひょっとしてプーチン政権にここまで無理せざるを得ない、何らかの事情がロシア側に存在するのか。

       ◆ ◆ ◆

ロシアの置かれた状況は一見、順調そうに見える。石油を始めエネルギー資源価格の高騰で世界最大の産油国として儲かって仕方がないし、政治的には周辺国家を切り離して身軽になった分、政権の権力基盤が確実に強固になった。
ソビエト連邦解体で威信を失い、世界の二大強国から巨大な発展途上国に転落した屈辱から、あきらかに立ち直りつつあるロシアにとって、極東シベリアは遠い存在である。
ロシアははっきりと自分たちが欧州のプレーヤーである事を表明している。東アジアに対しては権益は主張するが、決して開発投資は行ってこなかった。ロシアにとって極東シベリアは欧州ロシアを潤す資源供給地であるだけで、決して国土として積極的に開発する気のない見放した土地である。世界帝国たる野望を放棄した今では、太平洋に進出するための橋頭堡たる極東に戦略的価値はない。極東ロシアの地方政府にとっては生き残るためには自分たち独自で切り開くしかない。それがサハリンの天然ガス開発であり、中国や日本へのパイプライン敷設事業であった。
それがここに来て次々と中央政府の介入で構想が頓挫している。

       ◆ ◆ ◆

プーチン政権のエネルギー資源を国家管理して戦略的に扱おうという政策は、ある意味ロシアの大国回帰への過程では必要な政策かもしれないが、そのために地方政府は病弊する。
おそらく極東シベリアは手足を封じられ、確実に深刻な財政難で機能停止していく。豊かな資源を収奪され、中央政府からの補助金で食いつなぐしかない極東シベリアは、発展から取り残され、次々と入植してくる中国人や朝鮮人によって浸食され、おそらく数十年先には支配構造が変わっているだろう。極東シベリアに対してプーチンに興味があるのは埋蔵資源であり、それを巡ってのパワーゲームである。極東シベリアの未来を握っているのは意外と北朝鮮崩壊後の難民侵入かもしれない。

       ◆ ◆ ◆

日本の対応ははっきりしている。
ロシアとの関係はビジネスベースに留めるべきである。過度な肩入れや、友好親善など無用である。そう言う意味では今回のサハリン天然ガス開発の件は、いい警鐘になった。ロシアとの間ではいくら有利な条件で契約を結んでも油断してはならない。最後にきちんと儲けを受け取るまでは、常にどんでん返しを心する事である。
そう言う意味ではロシアも中国も、北朝鮮も同じである。共産主義という幻想に浸った社会には信義や約束や契約などと言う事を期待してはいけない。そうした観念が無いところで生きてきた人間に、西側社会のモラルを要求しても、相手が驚くだけなのである。
日本にとってエネルギー資源の確保は国家存立の基盤となる重要事項である。世界中の資源を確保しなければこの経済大国を維持する事は出来ない。資源交渉の相手となる発展途上国は往々にして、日本の足元を見て無理難題を吹っかけてくるものだが、ここに来て価格高騰でますます増長している面はあるだろう。中国の傍若無人ななりふり構わぬ資源囲い込みも脅威である。
それだけにロシア極東での資源開発は重要なのだが、それはあくまでもビジネスベースで粛々と進めるべきであろう。採算に乗らなければ撤退するしかない。

北方領土返還もまた同じである。本当に返して欲しければ、ロシア側が納得できる裏工作が必要だ。1億ドルほどもロシア政界にばらまけばいい。もちろんばれれば日本の国内法によって有罪である。そうまでしてリスクをかける外交官は日本にはいない。もちろんそこまでやる値打ちがあの島々にあるのか、どうか、それが根本的な問題なのだが、僕には疑問である。

●某国国家保安部盗聴記録より

2006-09-25 11:48:50 | 世界やぶにらみ(国際問題あれこれ)
「あ~ニダ国からお電話です」
「誰?」
「なんか酋長とかなんとか言ってますが」
「いいよ、忙しいからいないと言って」
「でも安倍ちゃん出せ、ってしつこいんですが」
「ほっとけ、切っちゃえ」
ガチャ、プー、プー、プー
「あ~またかかってきてます、ニダの酋長から」
「森のおやっさんに廻してくれ、あの人日韓連盟の会長だから」
「分かりやした」
「はいはい森じゃが」
「安倍ちゃんはどうした、なんでウリを邪険にするニダ!謝罪と賠償を、、、」
「まぁまぁニダちゃんファビョらんで聞きなさいよ」
「なにニカ」
「あんた評判悪いなぁ、俺ん時以上にボロカス言われとるぞ、大丈夫か」
「何言うニダか、ウリは一生懸命やってるニダ」
「だって国内の支持率も、選挙の結果もボロボロだろ?」
「よ、余裕だニダ。ウリは国民の人気取りしないで信じた道を歩んでいるニダ」
「そりゃ結構だが、あんたの極東バランサー論って笑いものだぞ」
「な、何を言うニカ、これがウリナラの生きる道ニダ!」
「アメリカから見放されたみたいだぞ」
「いやウリがアメリカを捨ててやったのニダ」
「北の王様ももっと援助寄こせと怒ってるらしいな」
「ウリたちは必死で援助してるニダ。なのにジョンイル君たら次々と要求してくるニダ」
「日本は北への制裁を厳しくするぞ」
「そ、それ、何とかやめてくれニダ」
「ますますニダ国は離れていくな、中国も相手にしてくれないのか」
「うう、胡錦涛さんにも全然会えないニダ。10月に会おうと言ってもしらんふりするニダ」
「お前エライ事になってるな」
「もうだめニダ。それでもまだ1年以上残っているニダ」
「死んじゃえば」
「な、何を言うニダ。せめて日本に亡命させてもらえんニダか?」
「ジョンイル君に頼めよ」
「あそこは飯が不味いニダ」
「ば~か、贅沢言ってる場合かよ、ニダ国はどうする?」
「こんな国どうだって良いニダ。ねぇ安倍ちゃんに頼んでみてニダよ」
「ダメだよ、ば~か。じゃ俺これからゴーコンだから、またな」
「あ、見放してはだめニダ!ウリを救ってくれニダ、た、頼むニダ」
ガチャ
「あ、喜郎だけどシンちゃんいる?」
「あ、センセイすいませんでした、どうでしたニダの奴?」
「ダメだなあれは、ただのバカだ」
「そりゃ前から知ってましたけど、どうします」
「放っておきゃいい。あの国に関わったらロクな事にならないさ」
「中国の方に追いやりますか」
「シナちゃんもバカじゃないから、あの国はいらんだろ」
「アメの方からも無視しとけって言って来てます」
「そのうちジョンイルとくっついてエライ事になるだろうよ」
「そんな気持ちあの国に有る訳無いでしょ、ムリですよ」
「お前、あの国を舐めちゃいけない。周囲の予想を遙かに超えたおバカをやるのがあの国だぜ」
「あ、そうか」
「ま、どうせ次の酋長で息の根が止まるな、あの国は」
「一切手を出さずに黙って見てますよ、今度は」
「そうそう、それが一番、じゃね、また」
ガチャ
「あ、シナの胡錦涛さんから電話です」
「もしもし、どうしました?」
「助けてよ、ニダの野郎しつこいのよ、会わせろって」
「今度はそちらへ行きましたか、放っておけばいいですよ」
「でも何だか死ぬって、すげぇ剣幕なんだもん」
「あ、そりゃ奴のいつもの手です」
「会わなきゃキムチ送り付けるって、脅すんだよボクを」
「あはは」
「それも20年モノのキムチだって、助けてよ」
「さぁボクは関係ないですから」
「だってあんたん所の植民地だったんでしょ、あんたん所の躾が悪いよ」
「す、すいません。でももうコリゴリなんです、コリアとは」
「そんなうまい事言うても騙されまへんで」
「あはは」
「ブッシュはんも冷たかったし、あんたら面倒見悪いな」
「今まで散々面倒見て、それがこのザマですから、もう勘弁してください」
「エライ災難や、ほなまた今度会った時に相談しましょ」
「あはは、じゃまた」
ガチャ

●足早にニュース雑感5題

2006-09-24 12:09:56 | 本日のニュースから
◆石破茂氏、愛国心を声高に言う人間は信用しない(毎日新聞インタビュー)
(060923/毎日新聞)http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/tottori/news/20060923ddlk31040198000c.html
石破茂さんって防衛族の理論派で、ちょっと目線に独特の趣のあるセンセイなのだが、僕は好感を持っている。どういう行きがかりで毎日新聞のインダビューを受けたのかは知らないが、最近の愛国心論議に釘を刺す誠にもっともな内容である。
愛国心なんてモノを常に振りかざして誰彼構わず口角泡を飛ばして言いつのるヤカラは、いざという時にはモノの役には立たない、なんて事はセンセイに言われなくても知っている。口でいくら勇ましい事を言ってはいても、結局人間は局面での行動が全てなのである。
しかし日本人は石破センセイが憂慮されるほど柔くはない。戦後教育で骨抜きにされたように日本人自身も世界も誤解しているが、日本人を舐めてはいけない。
日頃、政治なんかには無関心で、クルマとセックスとファッションにしか興味を持っていないアンちゃんでも、不安定な非常勤職で身体を使って安い時給で働くフリーターだって、24時間稼働する工場で請け負い工として黙々と働く地方出身者だって、日本列島が第三国に攻められ、国土とそこに住む人々が傷つけられたなら、戦う場所と戦いの手段さえ提供してくれれば、日本人なら戦う、当たり前である。
殊更愛国心だの、お国のために、だのお題目を掲げなくても、いざとなれば日本人のサイレントマジョリティは戦う力を持っている。
僕がそう思うのは、阪神大震災での若者たちの働きをこの目で見ているからである。あの時、僕は被災3日後に現地避難所に行き、それから毎週末ごと半年ほど通ったが、そこで見た日本の若者たちの姿には本当に頭が下がった。僕は彼らのその姿、その表情を見ているから、この国の行く末に希望を持っているのである。

愛国心教育が必要なのは、僕たち年配の人間である。
国を愛さず、国を大事に思わず、国を大切にしないのは僕たち、いい歳こいた大人たちである。
それを棚に上げて、政治を語り教育を語り、挙げ句の果てに愛国心だってさ、情けない。
石破センセイよ、貴方の危機感はお門違いだ。まずは政治家自身が愛国心を持つ事から始めなきゃ、説得力のある教育など出来やしない。

◆【社会】振り込め被害額 東京は大阪の10倍 なぜ大阪で少ない?
(060923/産経新聞)http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060923-00000004-san-soci
電話を使った詐欺の手段としては「振り込め詐欺」はもう古典的な手口である。ていうか、多分アポイント商法の連中が手っ取り早く商品無しに金だけ儲けようとしたのが発祥だろうが、それなら恐らく大阪、関西が本場なのである。
僕なんかがまだ学生の頃、マルチが物凄く流行った事がある。何年も行き来の無かった中学当たりの同級生が突然訪ねてきて言葉巧みに勧誘されたりして、僕の周囲でも引っかかってエライ事になった奴は何人もいる。騙されてボロボロになって、そして一念発起して今度は騙す側になった奴もいる。マルチの流行以降、さまざまな詐欺商法は手を変え品を変え、ごく普通の市民をカモにしようと虎視眈々と狙ってきた。アポイント商法もそうだし、結局振り込め詐欺も同じだが、ごく普通の人の日常をかき乱し、不安を煽ったところで金をだまし取る。手口が巧妙になって、やり口が大胆になって、システム化しているが、大元は大方の詐欺と同様、シュチエーションの巧みさとテンポの良さで混乱させて考えるいとまを与えずに金を奪い取るのである。

記事に出てくる大阪学の先生方はもっともらしい事を言っているが、なに、大阪人は基本的に金の絡む話には警戒心が先に立つだけの事である。それは江戸時代からの商売人の伝統でもあるし、守銭奴が多いだけの事ではあるのだが、風土として「騙される奴が悪い」という意識があるからだろう。うまい話は向こうからはやって来ない、他人を見れば詐欺師と思え、我が子でも金銭は別、なんて心構えが大阪のおばちゃんには備わっている。そう言えば、先年亡くなった僕の母親は二十数年前僕が結婚する時、嫁に「ほんまにこんな奴でよろしいんですか」と何度も尋ねていたという。不肖の息子を信用しないのは流石慧眼であるが、こんな母親から僕をネタに大金を振り込ますのは至難の業だろう。そう言われて結婚した嫁もいまや立派な大阪のおばちゃんだが、電話で騙すのはやはり難しそうである。
大阪で人を騙すのは、やはり「儲け話」に限る。振り込め詐欺には引っかからない大阪人は、架空の出資話や闇金のスポンサー話には弱い。
結局、欲で釣られる大阪人は一番騙されやすいのかもしれない。

◆中国、日本の食品検査を強化 香港で冷凍サンマ販売中止
(060924/朝日新聞)http://www.asahi.com/international/update/0924/003.html
中国人というのは実に分かり易い人種である。日本で規制強化されて中国毒菜の輸出量が激減したから、日本の海産物や農産物に難癖をつけて報復しようと言う、ほんとにお茶目なお国柄である。こんな事をやっている間は中国経済は所詮繁忙貧乏なまま、日本の鵜飼い経済に甘んじるしかない、実に無様な有様である。
日本への農産物輸出は中国にとって生命線である。比較的利益率は高く特に日本に特化した特別仕様の注文生産は契約を遵守する日本企業のおかげでしっかり利益が確保できる、そして何より都市部だけでなく内陸部の農村地帯の経済水準を引き上げる事が出来る。外資による工業製品を欧米に迂回輸出しても大した利益は得られないが、農産物輸出は中国の大地で中国の農民が生み出した付加価値なのである。これを失う訳にはいかない。
それならば、きちんとしたモノを作ればいい、と考えるのは日本人である。中国人はどうやら違うらしい。「購入する側の希望通りの商品でなければ買いませんよ」という当たり前の理屈が通じないのであれば、中国は世界経済のプレイヤーたり得ない、まだそこまでの資格はないのである。
日本と仲良くすれば国が発展する、というのは世界の常識である。朝鮮半島では北と南で明らかな差がついた。台湾、インドネシアを始めASEAN諸国も、オーストラリアも、そしてアメリカも、日本と仲良くした国だけが豊かになり、北朝鮮や極東ロシア、フィリピン、などのように距離を置いた国は貧しいままである。
中国は果たして本気で日本と仲良くする気があるのだろうか。
中国さえ本気なら、日本はその気持ちに答える事が出来るだろう。選択するのは中国である。

◆嵐&倖田來未が“圧韓”ライブ
(060923/デイリースポーツ)http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060923-00000011-dal-ent
いよいよ日本の芸能界による韓国取り込みが本格的になり始めた。
いわゆる「韓流」の裏側には、まず日本人に韓国芸能を浸透させ、そのお返しとして韓国に於ける日本文化の開放、という狙いがあったという。日韓の文化交流は国レベルでは様々な制約が残っている。殆どが韓国の問題なのだが、日本の「低俗な文化や風俗」を阻止しようという建前は厳然と残っている。もちろん本当のところは日本文化に席巻されるのが怖い、自分たちのパクリや捏造、レベルの低さがバレルのを恐れたためなのだが、マスコミを含め韓国の社会とは所詮その程度のモノだったのである。
「韓流」の強引な盛り上げキャンペーンはどうも失速気味で、今進んでいるのは日本のメディアによる韓国取り込み、下請け化である。韓国のテレビ番組や映画を買いあさるのは何より安いからである。番組表や興業プログラムを埋めるのに、安価な韓国番組は制作コストを削減したいテレビ局や映画興行会社にとって丁度いい。特にNHKが熱心に大量に買い付けた。
これでもう韓国側は日本の進出に文句が言えない状況になりつつある。

日本の芸能コンテンツは実は非常に強力である。日本の芸能文化水準はある意味世界のトップクラスを担っている。SMAPやモー娘。を見た外国人の大人は一様に絶句する、「学芸会ではないか」と。しかし幼少年の子供たちは別である。日本のアニメは批判を世界中から浴びながらも、どの国でも子供たちを虜にしてしまった。
批判能力のない子供たちを夢中にさせる力こそ、日本のアイドルやアニメの強烈な魅力そのものであり、こればかりは他国では作れない。
韓国でもそして中国でも、実は水面下ではとっくに日本のアニメやアイドルは浸透している。海賊版や違法コピーで馴染んでしまった日本文化の魔力の前には、反日感情などどこかへ吹っ飛んでしまうらしい。そうした下地が出来ているところに本格的に生身の日本芸能人がやってくれば、結果は最早見えているのである。
もちろん問題点は多い。一番の問題は、海賊版や違法コピーに慣れてしまった韓国人から、どうやって芸能ビジネスを成立させるかである。コンサートのチケットですら無料配布されるお国柄である。彼らから吸い上げるには一工夫がいる。

文化的にも芸能的にも韓国は日本に吸収されるのが自然の成り行きである。もともと日本の物真似、パクリから始まり、日本をお手本にやって来た民族である。いくら建前で反日を唱え、政治的に日本に反旗を翻そうとしても、文化や風俗で「日本大好き」な本音は見透かされている。韓国人のこのねじれ現象は、韓国人自身を悩ませる事となる。
倖田來未に唖然とし嵐に熱狂的な声援を送る韓国人のアイデンティティは、もはや何処にあるのか。いくら大人が批判しても止められる訳はないのである。

◆ソニーPS3値下げ背景 任天堂「Wii」の存在
(060923/毎日新聞)http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060923-00000006-maip-bus_all
昨日のエントリーで僕はPS3の成功に疑問を呈したが、どうやら違うらしい。
ゲーム業界というかレジャー関係に詳しい仲間の広告屋によると、家庭用据え置き型ゲーム機でPS3の成功はお約束なのだという。「プレイステーションという安心感、信頼感は絶大です。性能や機能が充分ならライトユーザーはPS3を買います」とのこと。
ゲーム機の成功に必要なのはライトユーザーをどこまで取り込めるかという事で、そしてライトユーザーは据え置き型ゲーム機は1台しか買わないから、トップブランド以外は成功しない、という事らしい。
値段の高さは「PS3はブルーレイの次世代DVDプレイヤーとして考えたら安い」という。PS2も最初はDVDプレーヤー兼用として購入された経緯があるという。なるほど。

いずれにしても僕の不明である。我が家のドラ息子はヘービーゲイマーだから据え置き型を何台も持っているのか、納得である。あ奴を基準に考えるといけない。
しかしいくら次世代DVD機と言えども5万ものゲーム機がバンバン売れる、というのもエライ事ではあるな。5万ならパソコン作れてしまうではないか。
何かすげぇ時代である。

●モノ作りを忘れて一体何処へ漂流するのか

2006-09-23 11:35:56 | 本日のニュースから
近所にかなり大きめの運動公園がある。陸上競技場やテニスコートなども整備されていて、体育館ではいろいろ市民に開放されたプログラムがあるらしい。遊歩道というかジョギングコースが整備されていて、夜でも結構な人がいる。そう言う人々を横目に千鳥足でフラフラするのは流石に自らの怠慢を意識せざるを得ないのだが、どうも勘弁して欲しいという気持ちである。
こうした施設を上手く利用するのは実に賢く真っ当な市民である。都心のジムの会員権を持ってはいても、殆ど利用しないおっさんに比べると、遙かに正しい日本国民である。僕にだって意欲はあるのだが、どうも行動力というか持続力がない。情けないのであるが、仕方がない。
それにしても、毎夜あれだけの人々が健康作りにいそしんでいるのだなぁ、と感心というか呆れる思いでもある。そんなに健康になってどうする。
この国だけの事ではないが、現代人はどうも「健康」強迫症ではないか。健康にいいからとあれやこれや食べ、身体に悪いからとたばこや酒を制限し、やたら各種健康法にチャレンジし、サプリメントや健康食品を何種類も服用する、そう僕もその一人であるがちょっと冷静になってみればかなりおかしい。その結果、果たして「健康で長生き」になったのか。
美味いモノ、食べたいモノ、好きなモノを好きなだけ食べて飲んで、やりたい事をやって、そして満足してこの世を卒業していく生き方と、果たしてどの程度寿命に違いがあるのだろうか。
どうも医者や有象無象の健康業者に、うまくやられている気がしてならないのだ。
本当にそんなに健康になってどうする?

◆超異例…PS3発売前に値下げ、苦戦予想に戦略転換
(060922/夕刊フジ・ZAKZAK)http://www.zakzak.co.jp/top/2006_09/t2006092281.html
ソニー・コンピュータエンタテインメントの久多良木健社長は22日開幕した「東京ゲームショウ2006」で講演し、11月11日に日本で発売する次世代家庭用ゲーム機「プレイステーション3(PS3)」のうち、ハードディスク容量の少ない低価格機種の希望小売価格を当初予定の6万2790円から4万9980円に引き下げると発表した。ライバルの任天堂は12月2日に国内で、次世代機「Wii(ウィー)」を希望小売価格2万5000円で発売。PS3の高い価格に批判が続出していたことから、引き下げに踏み切ったようだ。発売前の価格見直しは極めて異例。

なんだか久多良木さん、大丈夫か?
「高いからといって買われなくなるとPS3が目指している夢が実現できなくなる」って、確かこの前の発表の時「高級料理は高くても仕方がない」なんて事を言ってなかったか。
SONYの屋台骨であるゲーム部門は来年3月期1000億円の赤字見込みらしいが、それ以上増える可能性があると記事にはある。おいおい、本当に大丈夫か?

SONYというブランドは一時期確かに日本人の誇りであった。バブル崩壊後の暗鬱とした日本産業界にあって、世界ブランドとしてそれでも燦然と輝いていた「SONY」は、日本人の誇りであり希望でもあった。
戦後日本は経済に特化し軍事力や政治力を放棄して、ただひたすら目に見える豊かさを求めて努力してきた。それでしか世界で存在感を示す手段はなかった。ただひたすら金儲けとモノ作りを追求し、ただひたすら坂の上の雲を見つめながら駆け上がってきた。
そんな国が、世界経済の流動性の罠に陥りズブズブの金余りで不動産バブルに酔いしれ、そして金融政策のあまりの無能故に奈落に落とし込まれ、同時に経済戦争に敗戦した。政治家や官僚は誰一人敗戦責任を取ることなく、またグズグズでなし崩しに日本社会は成功システムの再構築に取り組まなければならなかった。その結果、多くの国民が傷を負い民間企業は逼塞した。
1990年代のSONYは文字通り世界のソニーになった。トリニトロンテレビを中核にAV機器のトップブランドとしてSONYは世界ブランドとして君臨した。

栄枯盛衰は世の常である。SONYが何処で道を間違えたのかは知らない。どの時点で経営判断を誤ったのかは、実はどうでもいい。問題は果たしてSONYは蘇る事が出来るのか、という事である。いや、実は企業としてのSONYはどうでもいい。
あの輝かしいSONYブランドは、一体どうなるのか、という事がSONYファンの僕の関心事である。
PS3なんてコンシュマーゲーム機などに社運を賭けなければならない現状は、果たしてSONYの目指すところなのだろうか。
外人の経営者、外人の株主、もはやSONYは日本だけのものではない。日本人の思い入れは通用しないのだろうが、さて、この企業の行く末はどうなるのだろうか。

◆NYT「品質低下に悩む日本」韓国が私たちをあざ笑っていますか?
(060922/朝鮮日報)http://www.chosun.com/international/news/200609/200609220174.html(韓国語)
日本人たちが呻いている。アノミー現象さえ見うけられる。品質に対する自負心に傷を受けたせいだ。ニューヨークタイムズ(NYT)は世界最高の品質管理を誇らしく思ってきた日本人たちがトヨタ?ソニ?事態で傷ついた胸をかかえて呻いていると21日伝えた。特にトヨタとソニ?事態が一回性の事件ではないというところで、苦しんでいるというのだ。最近「品質のトヨタ」は技術的欠陥を隠してからばれた。ソニ?はバッテリーが火災を起こして全世界ノート型パソコンの利用者の怨みを受けている。ここに至って、日本のテレビとラジオは、特集番組を編成して「品質危機」を緊急点検している。経済新聞である日経は「日本は品質を維持することができるのか?」という続き物を載せている。(中略)日本人は長年の歳月をかけて積んで来た名声が重大な危機にあっていると口をそろえて言う。甚だしくは、韓国や中国に早いうちに追い越されると主張する人々もいる。NYT記者が東京に近い工業都市である川崎で会った旋盤工、ミタニ・カズマサ(32)は「品質が最高という名声を築くのに長い歳月がかかった」「韓国人たちは私たちをあざ笑っていないか?」“Aren't the Koreans making fun of us now?”と言った。同紙は日本人のこんな反応の背景に品質に対する完壁主義があると指摘した。甚だしくはその完壁主義を偏執症だと評価した。家電会社の作業員がテレビに指紋一つ残さないために献身的に拭き上げるやり方は驚異的だ。アメリカでは日常的な生産?販売過程の一つと認識されるリコールをこの国ではひどいことだと思っている。戦闘で敗れたさむらいが感じる羞恥心に比肩されるほどだ。(後略)

何か朝鮮日報としては奥歯に物が挟まったような記事である。この記事の元ネタとなったNYタイムズの記事は例によって千葉県出身の帰化ザイニチ、ノリミツ・オーニシ東京駐在記者の書き飛ばし記事である。天下のNYTともあろうメディアがこんな特派記者と契約しているなんて、とお嘆きの向きも有ろうが、なに米メディアの日本批判は結構な事である。日本としてはアメリカ人に「日本も深刻な問題を抱えてるんです」と思って貰えた方がよい。ノリミツ・オーニシ記者の特亜バイアスのかかった一連の日本ニュースは、アメリカ人の「日本は問題の多い国だ」という安心感につながる。もちろん事実誤認や全くの嘘も多分に混じっているから、駐米大使館はしっかりそうした記事への抗議や事実訂正を求めていく事は必要だが、所詮、メディアの記事は読者が読みたい内容を載せるだけの事である。アメリカ人が、NYTの読者が「日本は順調そうに見えてもいろいろ問題のある国だ」と思いたいのだから、そう思わせておけばいい。
日本としてはアメリカ人に警戒させてはならないのである。

日本企業の社員が「韓国人たちは私たちをあざ笑っていないか?」となぜノリミツ・オーニシ記者に尋ねたのか。ま、記者がカナダ国籍とは思わなかったのだろうが、そんなにすぐ「韓国人」と分かるようではオーニシ記者の日本での取材は大変だろうな、同情する。
朝鮮日報としてはこれがこの記事の味噌なんだろうが、どうもいつもの手放しでのホルホル感はない。

日本人が一連の品質管理問題で危機感を持つのは当然である。
ガス湯沸かし器の欠陥やマンションの構造問題、エレベーターの安全性など、ここに来て一連の製品の欠陥や物作りの暗黙の了解の部分で、大きな不安が社会にある。我々日本人が常識としてきた「いいモノを作ろう」という日本人の意識が、「バレなきゃ何やったっていい」という風に変わってきたのではないか、という不安である。
金儲けを優先する考え方が行き過ぎると「儲けるためには手抜きもOK」となる。結局モノ作りの思想が脇に追いやられて、利益計算だけが前面に出る。こんな事が日本の社会全体に蔓延すれば、戦後モノ作りで生きてきた日本という国は終わりである。
日本企業は頭の良い計算の上手い管理部門のスタッフが幅を効かし始めると、途端に左前になる。社内官僚が増え、社内手続きが煩雑になり、管理が強化されると、大抵の企業はダメになる。マネジメントとは書類の数を増やす事ではない、という簡単な企業経営の原則が忘れられているのである。生産効率はとことん追求するくせに、管理部門の処理効率は年々悪化するなんて企業は多い。中小企業では学歴の高い社員が増えると潰れるというのは真実なのだ。

「バレなきゃ何やったっていい」というメンタリティは特亜の特長でもある。
北朝鮮という国は、国家そのものがそう言う国であり、中国は国民そのものがそうやって4000年間生きてきた。韓国もまた例外ではない。歴史を捏造し他国を誹謗中傷し、あげくその捏造の歴史を信じ込んで国際社会で恥をかく。立派なDQN国家である。
日本だけはそうした特亜的社会から抜け出し、モノ作り国家に相応しい職業倫理を確立する事が出来た。それは長年の歴史が培ったもので日本人の大きな財産である。
この倫理観があるから日本は西欧世界に伍して歴史を刻んで来る事が出来たのだが、特亜諸国はこうした日本の大元を理解せずに上辺だけを真似している以上、日本を越える事は出来ない。
日本はこの財産を無くしてしまってはダメになる。日本人にはそう言う危機感がある。

朝鮮日報は多分そこまで気付いているのであろう。
ノリミツ・オーニシ記者が得々と「日本人はもうダメだ」的記事を書いても、なかなかホルホル出来ないのは自国のメンタリティを自覚しているのだろうか。
もちろん韓国の読者は「あのNYTが日本の品質管理の低下を記事にした」という事で何となく嬉しいのであろうが、日本人の危機感こそ日本の発展の原動力だという事が分かっていなければ無理はない。
むしろ僕は韓国人の危機感の無さに唖然とするのである。
中国に追い上げられ、日本に引き離されて、果たして韓国の生きる道は何処にあるのだろうか。その危機感の無さがこんな政権を選んでしまったのかもしれない。

●サヨもチョ○も甘えるな!おっさんは開き直って生きていく

2006-09-22 11:23:33 | 本日のニュースから
合鴨のローストで蕎麦焼酎をグビっとやってたら、余計なしたり顔が「知ってます?合鴨って有機農法の普及で処分に困っているらしいですよ」なんて言いやがる。バ~カだから俺らのようなビンボーニンにも食えるんだろうが、と反撃したが悔しい。確かにビンボー舌だから料理の善し悪しなんてよく分からない。高価そうな料理を見ると文句なく「美味いモノ」だと思いこんでしまう傾向は残念ながらある。フカヒレだのアワビだの、フォアグラとかキャビアなんて、正直味は分からないが多分美味しいモノなんだろうな、という「気分」になってしまうのは事実である。
でもなぁ、そんな味は分からんが、焼きそばとかお好み焼きとか、立ち食い蕎麦とかなら美味い不味いはしっかりと分かる。それでいいじゃないか、と開き直るが、いい歳こいて情けない限りではある。
しかしグルメを気取る人々が何と多い事。それだけ日本が豊かなんだろうが、別に何食ってたっていいじゃねぇか、と思わぬでもない。いいさ、僕は大量生産で安くなった合鴨を堪能して、幸せに暮らすんだから放っておいてくれ。おっさんは開き直って生きていくのである。

◆式での起立・斉唱定めた都教委通達は「違憲」 東京地裁
(060921/朝日新聞)http://www.asahi.com/national/update/0921/TKY200609210287.html
入学式や卒業式で日の丸に向かっての起立や君が代の斉唱を強要するのは不当だとして、東京都立の高校や養護学校などの教職員が都教委などを相手に、起立や斉唱義務がないことの確認などを求めた訴訟の判決が21日、東京地裁であった。難波孝一裁判長は、違反者を処分するとした都教委の通達や職務命令は「少数者の思想・良心の自由を侵害する」として違憲・違法と判断。起立、斉唱義務がないことを確認し、違反者の処分を禁止した。さらに、401人の原告全員に1人3万円の慰謝料を支払うよう都に命じた。都側は控訴する方針。

地方裁判所にはまだこんなトンチキ(by三宅センセイ)な裁判官が生息してるのか、なんて事は言わない。こんな裁判が開かれてる事自体、日本が変わった国である事の証明なんだから、よく中国や韓国に言ってやりたい。「こんな国の何処に軍国主義がはびこっているのですか?」
で、問題はこの裁判を提訴した左巻きの教師たちである。こいつらはある種の狂信者だからもはや矯正不能である。多分、それなりに仕事はしているのであろうが、果たして生徒はどういう目でこいつらを見ているのか。
今の中学高校生を侮ってはいけない。
僕らの頃より(もう35年以上も前なのだが)はるかに賢く、世の中を知っている彼らに、果たして手垢の付いた左翼思想を植え付けるのは簡単ではない。都立所沢高校のような有名伝統校(W ですらサヨの伝統は息も絶え絶えなのではないか。もちろん時折僕らの頃のようないたいけな緩い脳みそのお子様が、彼らの餌食となってサヨに引きずり込まれる事はあるだろうが、それはいわばカルト宗教に入会させられる危険性より少ないのではないか。
そう、いくら裁判に勝とうとも、もはや彼らサヨは社会に対して説得力を持たない単なる「絶滅危惧種」になりつつある。
その危機感が朝日新聞を始めメディアを一層の煽りに追いやっていくのである。最近の朝日新聞やテレビの報道番組の物凄いバイアスのかかった報道ぶりを冷静に見ていると、どうもかなり追いつめられている感が沸騰した湯気のように立ち上っている。
このままでは世の中はダメになる、という危機感はよく分かるが、彼らはどうやら方向違いの迷い子になってしまったようである。

◆恐ろしい日本~我々は愛国主義で武装した安倍氏が起こす波瀾を経験するだろう
(060921/中央日報)http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=80085&servcode=200§code=200
(前略)彼は正式な軍隊を保有するための憲法改正と敗戦の劣等感をなくし、日本という国にプライドを持つ愛国主義的教育改革に体力を傾けるだろう。正式な軍隊を持って世界の舞台で経済力にふさわしい地位を持ったストロングジャパン、日本人が希望を持って愛する国が安倍の美しい日本だ。
隣国には恐ろしい日本だ。安倍政府の対外的な路線は予測可能だ。まず親米一辺倒の小泉首相が壊した韓日、日中関係の復元に取り掛かるだろう。彼は膨大な消費市場を持った中国と関係改善を試みながら長期的には日本が再武装することで軍事大国として浮び上がる中国を牽制する態勢を備えることに力を傾けるだろう。
我々の憂慮は彼の強硬な対北朝鮮政策だ。彼は北朝鮮がミサイル実験を続ければ北朝鮮のミサイル施設を先制攻撃しなければならないと主張する。日本はすでに対北圧迫強化を始めた。2002年、小泉首相と一緒に平壌(ピョンヤン)に行って朝日交渉を「監視」し、爆発的な人気を得た彼は、日本人拉致問題に特別な関心を傾けてきた。
彼は靖国神社参拝と新しい歴史教科書問題で保守、右翼の本色を遺憾なく表す。こうした外見を見れば安倍時代、北東アジアの国際政治と韓日関係の将来は暗いばかりだ。しかし地球上にはいくつも国が存在する。国会議席3分の2を要する憲法改正の早期実現は容易ではない。教育改革も国家主義教育という強い抵抗にぶつかるだろう。新しい歴史教科書の普及も日本人のコンセンサスを得られていない。
安倍首相の登場が韓日関係への新たな挑戦なのか、それとも機会かは我々にかかっている。2年前、独島(トクト、日本名竹島)問題が起こったときのように、大統領から戦略もなしに感情的な対応で一貫し、今のように対北制裁はだめだと北朝鮮を庇護ばかりするという印象を与えれば、韓国は米国と日本が密着して、中国と日本が劇的に和解する姿を後から眺めるような、北東アジアで孤独を味わうことになる。
安倍氏は韓日関係改善の意志を重ねて明らかにした。小泉首相に向けて閉ざしていた心を開いて安倍氏を相手に適応型外交をしなければならない。彼が靖国参拝に曖昧な立場を取ること自体が、韓国と中国に対する配慮だ。我々が先に包括的解決案を出す能動的な接近が重要だ。

これ韓国の中央日報という日本の朝日新聞と提携している新聞社の「記事」である。言っている事の大半は繰り言とお花畑である。安倍新総理に寄せる期待感と不安を、韓国マスコミ独特の身勝手で支離滅裂な論理でコーティングし、そして最後に「安倍新政権にべったりひっつけ」と盧武鉉政権に出来ない相談をしている。
韓国国民の悲劇は、政権がバカだからだけではなく、メディアもそれに輪をかけておバカな事にある。政権と対立するのはいいが、新聞自体もレベルが低い。日本も他国の事は言えないが、それにしてもお気の毒である。
安倍新総裁の政治志向を「保守・右翼の国家主義者」と評価して「北東アジアの国際政治と韓日関係の将来は暗いばかりだ」と書いた上で、「小泉首相に向けて閉ざしていた心を開いて安倍氏を相手に適応型外交をしなければならない」と結論するのは、果たしていまの韓国政権の取りうる道なのだろうか。
「米国と日本が密着して、中国と日本が劇的に和解する姿を後から眺めるような、北東アジアで孤独を味わうことになる」という危機感が本当に韓国国民にあるのなら、今すぐ盧武鉉政権を退陣させるべきである。それが出来ずに後一年今のままの対北融和・親中路線を続けるなら、最早後継大統領が誰になろうとも韓国は後戻りできなくなるだろう。

僕はこれまで韓国の対北融和・親中路線は前政権~現政権の左翼民族主義による外交政策選択によるものだと考えてきた。政権が代わり外交政策が変われば、また路線変更があると甘い見方をしていた。しかし最近になって、韓国のマスコミの論調や韓国民のコメント等を見ていると、どうもこうした韓国の外交選択は時代の必然だと考えるようになった。
彼らは21世紀の極東アジアでの存在感を求めて、また19世紀に戻ろうとしているかのようである。
巨大な中華文明の衛星国家として、その秩序の中で守られて、その勢力の中で一応独立した存在として優位な地位を占め、ぬくぬくと微睡んでいたい。
アメリカや日本の陣営に属していても、こうした安心感や優遇される事はない。今の経済力を活かして中国に食い込めば、甘い汁はいくらでも吸える。アメリカ市場や日本経済に依存しなくても、巨大な中国の傘下で無くてはならない国として扱われる方がいい。
意識してか無意識かは知らないが、韓国は歴史を逆行しようとしているのであろう。

しかし中国は果たしてそんな韓国をどう考えているのだろうか。21世紀では中国は大国ではあるが独立した経済主体ではない。このまま順調に発展していっても、結局グローバル経済体制の中に於ける1プレーヤーでしかないのである。果たして韓国の甘い願望が何処まで実現するのだろうか。
日本は韓国に対して妙な責任感でこれまで手厚い面倒を見てきた。その結果がこの有様である。経済的植民地としては実に使い勝手が悪く、政治的にも防波堤にすらなり得ない。むしろ摩擦ばかり引き起こし、お行儀の悪い民度の低さに唖然とさせられるばかり。
こんな国はもう見放してもいいのではないか。勝手に何処でも漂流すればいいのである。
安倍新総裁もその辺りの事は十分理解しているはずである。上辺の友好で充分。冷徹な目でこの国とこの政権を見守るだけでいい。いずれまた破綻する。今度は放っておく事だ。

◆憲法、集団的自衛権触れず…新政権重点政策の自公原案
(060922/読売新聞)http://www.yomiuri.co.jp/feature/fe6600/news/20060922i401.htm
自民党の安倍新総裁が、総裁選での政権構想などで打ち出していた「社会保険庁の徹底改革」や「再チャレンジできる社会の実現」などを盛り込んで「安倍色」を打ち出す一方、安倍氏が最も力を入れているとされる憲法改正や、集団的自衛権に関する研究には触れていない。これらの問題に慎重な意見が強い公明党の要請を受け入れたためと見られる。
原案は、「新内閣が掲げる政策の下、構造改革を継続、加速し、国民一人一人が改革の果実を一層享受できるようにしていかなければならない」として、改革に取り組む姿勢を強調している。
重点政策課題は、「小さくて効率的な政府の実現」「社会保障制度改革」「財政健全化の推進」「教育改革」など9項目で、それぞれ、具体的な政策も示している。その中では、「社会保険庁の徹底改革」「生産性向上、技術革新など新たな経済成長戦略の推進」「再チャレンジできる多様な社会の実現」などが、安倍氏が訴えてきたものだ。


その安倍政権の政策である。
常識的な項目が並んで小泉政権の踏襲を取りあえず打ち出した感じであるが、ま、しっかりやってくれればそれでよい。
しかし何のワクワク感も盛り上がりもない新政権であるが、これも実際の人事が発表されればまた違ってくるのだろうか。

僕は安倍新政権は短命かも知れないと思い始めている。
来年の参院選というハードルにいたる前に、意外と厳しい事態になっているかもしれない、と感じている。それは政局ではなく外交課題、それもアメリカとの関係である。
小泉政権で日米関係は最高の状態にある、と日本国民は思いこんでいるが、どうも話が上手すぎるのである。米軍の再編問題も牛肉問題でややこしくなった貿易問題も、また日中関係の停滞に対する米国の反応も、歴史問題に対する日本への憂慮も、小泉さんの時代には全部先送りする事で蓋をしてきた。小泉さんの個人的資質で押さえつけてきたと言っていい。
イラクへの派兵も「アメリカとの関係を最優先する」という小泉さんの素早い政治的決断が、結果的に正しかった事を日本国民は知っている。憲法問題や集団安保などの微妙な問題がからむこの政治的マターを、素早く的確に裁いた事がその後の日米関係に大きく影響した。
おそらく中東やイランを舞台に大きな決断がまた近いうちにやってくるだろう。その時、安倍晋三にそれだけのハラがあるだろうか。
今まで溜まっていた日本への請求案件が次々と新政権には突きつけられるだろう。任期終焉を迎えてレイムダック状態の共和党政権に、いつまでべったりとしているだけでは道は開けそうもない、がその要求に応えなくては日米関係はおかしくなる。
アメリカの要求に応えるために必要な国内の調整を、果たして安倍首相で出来るのか。そこで意外に強固な反対に出会って立ち往生となったら、参院選どころではなくなってしまう。

小泉さんは政権の危機を、独特の勝負勘で博奕に出て殆どを勝つ事によって乗り越えてきた。
「小泉総理は運がいい」と巨大掲示板にスレが立つほどであったが、果たして阿部総理の「運」はどうか。「運」より何より実力が試されているのは間違いないのだが。

●予定通りの安倍総裁誕生、なんだかなぁ

2006-09-21 10:47:37 | 本日のニュースから

安倍新政権誕生という事ではあるが、日本国内はメディアがはしゃいでいるだけで、別にどうって事はない。一般国民は小泉政権から安倍政権への移り変わりにそれほど大きな意味を見いだせていないのである。安倍政権では小泉政権で道がつけられた構造改革を踏襲し、外交的には中韓を始めとした周辺国家との関係修復をはかる、なんて事がさかんにメディアで言われてはいるが、結局小泉政権が引いた道を突き進むしか選択肢はない。

小泉さんから安倍晋三への政権移譲は予定通りである。国民としてはすでに何年も前から織り込み済みの政治スケジュールを、そのまま律儀に進行させた自民党になかば呆れるしかない。結局安倍晋三に対抗する有力候補は出なかったし、実のある総裁選にはならなかった。
谷垣・麻生両候補の善戦という見方もあるが、安倍が三分の二以上集票しただけに結局面子を保っただけの事、もちろん両候補とも「次」が狙えるのは間違いない。これもまた予定調和。

新総裁に対する国民の期待値は高くはない。高くはないが「安倍ちゃんならきちんとやってくれるだろう」という漠然とした「いい人」感が国民一般に広くあるのは、政治的アドバンテージとしては実に大きい。問題は「悪役」を誰に振り当てるかである。今のところ「北朝鮮」や「亀井静香」なんてところだが、小泉さんがやっつけてしまったから「悪役」の凄味や魅力はない。
民主党の小沢じゃ分かり易すぎて困るし、加藤紘一(ヘタレ)や紅乃傭兵(媚中派)山崎拓ボン(ヘンタイ)なんて役者が小さすぎる。
こんな時頼りになるのが空気の読めない韓国なんだが、竹島問題で韓国警備隊の武力行使なんて事態になったら面白いのだが。ノムのおバカ発言炸裂も期待できる。どうせ後一年の左翼民族政権など相手にする必要はないのだから、いっそ上手く挑発して「悪役」に仕立てるのも面白い。
安倍政権への期待なんてその程度である。

◆日本政府は関係改善に向けた誠意のある態度を示せ~韓国外交部次官
(060920/韓国KBS)http://world.kbs.co.kr/japanese/news/news_detail.htm?No=24689
日本の与党、自民党の新しい総裁に安倍晋三官房長官が選出されたことで、韓国の外交通商部は20日、「韓国政府は日本の新しい政府がスタートすることをきっかけに両国関係のかっ藤要因が解消され、未来志向的な友好関係へさらに発展することを希望する」と述べました。
外交通商部の李揆亨(イ・ギュヒョン)次官は、20日の定例ブリーフィングで「日本は平和と繁栄の北東アジア共同体作りに向けた韓国のパートナーで大事な隣国である。韓国政府は韓日関係が今の非正常な状況から未来志向的な友好関係に発展することを希望している。そのために日本政府は関係改善に向けた誠意のある態度を示してもらいたい」と強調しました。


◆「保守色濃厚」「小泉後継者」 安倍新総裁、外国の見方
(060920/朝日新聞)http://www.asahi.com/international/update/0920/027.html
安倍新政権とどう向き合うのか――。関係国などには期待と不安が渦巻く。
●中国
国営新華社通信は総裁選の結果を速報、安倍氏を「保守の色彩が濃厚」な政治家と紹介し、今年4月には「秘密」に靖国神社に参拝した、とも指摘した。中国外務省の秦剛副報道局長は20日夜、「新総裁が言行一致で、中日関係の改善と発展のため努力するよう希望する」と述べた。対日関係者の一人は、今後の日中関係について「新しい局面が開けることへの期待がある。でも何が起きるか、本当に分からない」と語る。「親台湾派」と見られてきた安倍氏の台湾問題への姿勢も懸念材料だ。ただ、メディアは今後の展望には踏み込まず、「東アジアの調和を壊した」(人民日報系の環球時報)など、小泉政権の「負の遺産」にスポットを当てている。
●韓国
「日本は大切な隣国。今の不正常な状態から脱して未来志向的な友好協力関係に発展するよう望む」。韓国外交通商省の李揆亨第2次官は記者会見で語った。関係を好転させたいとの期待が垣間見える。安倍氏の政治理念について「保守中の保守」との警戒心は根強い。だが8月に訪日した潘基文外交通商相が会談するなど、積極的に接近を図ってきた。背景には、中国が対日関係改善に積極姿勢を示していることがある。韓国だけ取り残されれば、突破口がより見つけにくくなるからだ。懸念材料はやはり靖国問題。「安倍氏が参拝すれば逆戻りせざるを得ない」(政府関係者)
●米国
米政府は、安倍氏の憲法改正への意欲に注目している。日米同盟を強化するため、「憲法改正をめぐるプロセスに非常に関心を持っている」(国務省当局者)という。かねて安倍氏を小泉首相の「後継者」と見て、ホワイトハウス高官らが接触を重ねてきた。小泉政権との緊密な日米関係の継続、拡大をはかる。ただ、中韓両国との関係については「関係改善が我々すべての利益だ」(同)とも指摘する。
●インド
中国と並ぶ大国として安倍氏が重視するインドの外務省高官は、「安倍氏がインドに個人的に関心を持っていることは承知している。両国関係全体がより緊密になるだろう」と期待を寄せた。
ただ、安倍氏が提唱する日米豪印の戦略協議については「全く新しい考え方。内容をしっかり検討する必要がある」と述べるにとどめた。
●台湾
台湾当局は「親台湾」とされる安倍氏に期待を抱くと同時に、「日中関係の改善が台湾との関係に影響を与えるべきではない」(外交部スポークスマン)と一定の警戒感も示している。小泉政権下で、日台関係は「断交後最良の状態になった」(李登輝前総統)。だが、安倍政権が対中改善の交渉材料として台湾と距離を置くことも「シナリオとしてはあり得る」との見方からだ。

安倍新政権誕生は日本国民にとっては予定通りの面白みのない政治スケジュールではあったが、諸外国にとっては大きな出来事であるらしい。
中国は安倍政権への警戒感はあるモノの、日中関係そのものの外交関係修復については自信があるようだ。昨秋の衆院選大勝辺りから関係修復のシグナルを送っていた中国にとって、政権交代は関係改善のいい口実になる。靖国問題で振り上げていた拳の落としどころをうまく見つけたらしい。果たして王毅駐日大使は何処に移動させられるのだろうか。意外に出世すれば面白いのだが。
米国やその他諸国は「小泉」との違いを注視している感じである。安倍晋三の個人的思想信条はともかく、政権の政策運営はそれほど違いはないだろうという見込みであろう。しかし安倍政権が得点をあげるなら外交問題をおいて他にない事を考えると、サプライズがあるかもしれない。それは北朝鮮かそれともロシアか。

韓国は実に情けないほどの期待感を安倍新政権に寄せている。中国の尻馬に乗って振り上げてしまった拳の降ろしどころを何とか見つけようと必死である。
もちろん韓国との友好関係は日本にとっても重要である。重要ではあるが日本側から頭を下げてまで付き合うような相手ではない。少なくとも盧武鉉政権がもう少しマシな政権なら、日本としても外交チャネルを全て閉ざすことなく、それなりに対応できたのだが、余りにも常軌を逸した盧武鉉政権のやり口は目に余る。結果、韓国自身の首を絞めてしまった。
韓国にすれば日本を通じてアメリカに取りなしを頼もうにも、日本のまともな政治家は相手にしてくれない。小泉政権の5年間で日本は、政治は元より経済界も韓国との人脈を断ち切ってしまった。新政権になっても恐らく日本の対応は韓国には冷たいままであろう。
アメリカが突き放した政権、見放そうとしている国に、手を差し伸べて助けようと日本は思わないし、そんな義理もない。人の交流は一見盛んになっているように見えるが、知れば知るほど嫌悪感が募る国である。「嫌韓流」は今や「嫌韓国」となりつつあるのだ。
韓国との友好は韓国自身がもう少しまともな政権になってからの話である。それまではせいぜい足掻いて苦しめばいい、と突き放した目でじっとりと眺めていればいいのである。

安倍新政権での外交政策がどう変化するのかは分からない。常識的には中韓との首脳外交の復活とアメリカとの関係強化、北朝鮮への制裁強化やロシアとの資源交渉など、小泉外交の修正と強化であろう。安倍首相は無難にやりそうだが、意外に躓く危険性もある。北朝鮮が泣きついて来た場合、それに釣られない事である。極東のバランスオブパワーに乗じて様々な有象無象が水面下で蠢いている。筋の悪いルートを信じて周辺国家に付け入れさせない事である。
拉致問題の解決は北朝鮮政権を潰すしかない。そのためにも現政権との取引は辞めた方がよいのである。

●北朝鮮崩壊に備える~連邦制統一朝鮮の実現

2006-09-20 00:24:03 | 世界やぶにらみ(国際問題あれこれ)

このブログを始めて国際問題、なかでも極東の日本の周辺国に対する興味が募っている。いろいろ自分なりに情報を集めてみると、様々な情報の断片がパズルのように当て嵌まってくるのがよく分かる。もとより僕は国際問題を陰謀論で片づけようとは思わない。秘密結社や国際組織が関与した歴史の裏側なんて、確かに面白そうではあるが、そうした事を信じるほど素直な性格ではない。人間の歴史なんてそんな思惑通りに行くはずがないのは、少し歴史を勉強すれば理解できる。それだけに21世紀を迎えたこの極東のバランスオブパワーが、実に際どい綱渡りの日々であり、ちょっとしたバランスの変化が思わぬ結果を招く様子が、まさにビビットに伝わってくる事に興味が尽きないのである。


●朝鮮半島のリスクをいかに押さえ込むか

この地域のいま一番の課題は、朝鮮半島リスクをいかに無力化し出来るだけ長い期間問題を押さえ込むかである。北朝鮮だけの問題ではない。統一朝鮮という危険ファクターの無力化、および中国と日米の対立軸の先送り化、地政学的な衝突を避けつつ新しい秩序を形成する事である。
この場合、北朝鮮の核問題や大量破壊兵器の輸出の問題は、あくまでも当面のリスクの一つでしかない。これが解決しても半島リスクは少し時間稼ぎが出来るだけに過ぎないのである。
要は北朝鮮と韓国という不安定な両国をいかに平和裏に併合させるか、朝鮮半島に統一国家を作り対立軸を解体する事にある。

日本は元より、中国もこの地域での対立は望んでいない。アメリカやロシアの思惑はまた少し異なるが、少なくとも朝鮮半島リスクのために両国とも軍事力を行使はしたくはない。北朝鮮の暴発や突発的な事態にでもならない限り、この地域で四大国による軍事衝突は起こらないのである。
なぜなら朝鮮半島にはリスクのみがあり、現状ここを占有しても何もメリットがない、もしくはデメリットでしかない、という現実がある。

21世紀の軍事・政治バランスでは、朝鮮半島は地政学上の要害の地ではなくなり、単なる分断国家でしかない。朝鮮半島の内政問題に過ぎないのである。中国もロシアも100年前と違ってここを占領統治するメリットはない。日本もアメリカもそうである。
ただし放っておく訳にも行かない。朝鮮が分断国家となった経緯は四大国それぞれにある。それを考えると静かに統一してくれるのが最も良い解決法なのであろう。


●解決能力のない当事者たち

韓国に当事者能力が有れば、主体性を持って北朝鮮を吸収し統一国家とする事が出来た。ところが肝心の韓国が統一へ及び腰となり、政治的迷走から北朝鮮を吸収するどころか吸収される一歩手前まで来てしまっている体たらくである。韓国特有の政府官僚組織の無責任体制から、政治的決断が出来ないばかりか、いつの間にか北朝鮮に主導権を握られ毎年のように莫大な援助をむしり取られても文句も言えない始末。
逆に北朝鮮主体の統一なんて事になれば統一コストを支払える訳が無く、ただ混乱が大きく長引くだけとなる。周辺四大国が望む「静かな統一」とはほど遠い迷惑きわまりない事態となる。

北朝鮮が一体いまどうなっているのか、実はよく分からない。
金正日が健在で独裁的権力を握り、末端の隅々にいたる指揮系統をしっかりと握っている、という話から、いや軍も行政も末端は統率が乱れ、みんな好き勝手に生き残るために必死であがいている、という説もある。どうやら今のところ大規模な争乱や都市システムの異常は伝えられていないところを見ると、まだまだ国家組織は機能しているようである。
しかし限界が近づいている事も事実ではある。金融制裁や貿易制裁はボディブローのように効いているし、何より外交的な手詰まりは北朝鮮からますます生き残りの手段を奪っている。
金正日政権と金一族をを生き延びさせる道はますます狭くなって、北朝鮮はますますなりふり構わない外交戦争を仕掛けるしかないのだが、その手段もほぼつきかけているのが現状だろう。
もし起死回生の策が有るとするならば、中国に対して国全体を預けるしかない。政権と一族を維持する代わりに国を委ねるのである。
まさに歴史は繰り返す。
これが朝鮮民族の歴史なのだろうか。


●中国による北朝鮮実質併合から半島統一へ

そこで最も良いシナリオとして浮上したのが、中国による北朝鮮吸収>朝鮮半島連邦によるゆるやかな統一>金王朝崩壊による南北統一政府の樹立、というシナリオである。
中国による北朝鮮内の鉱山資源の採掘権確保や鉄道事業の開始などのビジネス利権確保、東北工程と呼ばれる「朝鮮半島中国属国史観」の確立による思想面での大義名分化、そして中朝国境付近に大規模軍備を集結させる軍事行動など、最近の中国の動きは北朝鮮崩壊後に備えた準備が着々と進んでいる様子が窺えるのである。
そして同時にアメリカによる戦時作戦権の韓国への返還である。朝鮮半島からアメリカは手を引く、という事である。もちろんそれでは韓国が収まらないから、そうは言わない。
朝鮮半島からアメリカが出ていき、中国が入ってくる。ロシアと日本はそれを何も言わずに黙って見ている。こんなに分かり易い構図がいまの朝鮮半島なのである。

北朝鮮が中国の実質的な統治に移れば、核兵器や生物兵器などの拡散は止まる。偽金作りやその他国家犯罪もストップするはずである。国力に見合わない軍事力はほぼ解体され、38度線を巡る緊張は大きく減る。北朝鮮の維持には中国の資本だけで足らない分は日本や韓国が負担する。
中国にとって北朝鮮を自国の東北部旧満州と一体化して周辺属国として統治できるのは大きな意味がある。いずれ北朝鮮には東北部の朝鮮族をどんどん移民させ、そっくり乗っ取ってしまえばよいのである。
韓国はこの進行する事態をただ指をくわえて見ているしかない。
国境を越えて逃げてくる難民を収容し、北朝鮮軍の暴発を防ぎ、そして物資の援助をする位の事である。中国の属国支配が進めば資本や技術を積極的に支援するしかない。そしてなし崩し的に一国二制度による連邦制の統一である。否応はない。
韓国国民にとっては残念というより誠に不運な事に、こうしたシナリオが描かれまさに着々と準備が進んでいる今この時に、盧武鉉政権という無能な政権を抱いていた事である。
政権自体が招いた事とは言え、こうした周辺大国の思惑を見抜けず、シナリオを知らされもせず、ただ踊らされているだけ、という無能政権を選んでしまったのが運の尽きであった。


●統一朝鮮のその後

金正日及びその一族がどうなるかは分からない。少なくとも統治組織はすぐには解体されずに中国によってそのまま使われるだろう。ひょっとして日本の天皇家のように立憲君主制で王家として温存される可能性もある。金王朝による全体主義共産国家という類を見ない実験も見てみたい気もあるが、ま、常識的にはアメリカかロシアに亡命というのが妥当な線であろう。
日本の拉致被害者の救出は中国との外交懸案になり、早い期間に答えが出されるに違いない。

連邦制を経て統一された朝鮮は、まず経済的にはボロボロであろう。アメリカ軍の撤退と共に韓国から外資は逃げ、主立った韓国財閥も資産は外国に逃避させる。少なくともGDPの30%から40%の現象は免れない。パニックである。それだけに北朝鮮との統一に違和感はない。「統一してしばらく我慢すれば、民族が力を合わせてまた奇跡の経済成長が実現する」なんて大嘘を果たして逃げ遅れた国民に信じさせる事が出来るかどうか、そうした政治家がいるのかどうか。
いずれにしろ統一という事になれば、韓国経済の力では持ちこたえる事は出来ない。アメリカの後ろ盾と日本の全面協力がなければ、統一コストを支払う能力は韓国にも北朝鮮にも残念ながら無い。もし支援を受けたなら、今の韓国経済同様、鵜飼いの鵜として日本経済に従属する状態が長期間続くだろう。もちろん日本はそれを狙っている。

北朝鮮と韓国が統一という泥沼から抜け出すのは早くても30年はかかる。国力は統一前の韓国レベルになるのが精一杯だ。それでも北朝鮮の現状を考えれば充分であろう。
政治的には完全に中国に押さえ込まれ、属国として言いなりになり、経済的には日本から中核部品を仕入れて製品組み立てし中国に売る、という頭を押さえられた状態が続く、中進国。それが統一朝鮮の姿である。
当然軍備は最低限でいい。治安維持だけで充分。中国に守られた1000年属国の本来の姿に戻る事が出来るのである。お得意の事大主義が復活する。

       ◆ ◆ ◆

ここまで考えてくるとこの地域の望ましい未来が見えてくる。
超大国アメリカはこの地域から徐々に手を引き、中国の覇権が否応なく大きくなる。日本は必然的に押し込められ、経済的な力で中国と相対するしかない事態が見えてくる。ロシアの影響力はほとんど無い。パワーバランスはそうなっても、しかし軍事的な枠組みは交流が進めば相対的に対立が少なくなるだろう。中国が分裂せず、台湾に武力制圧せずロシアと衝突しない限りにおいて、極東アジアは密接な経済交流と豊かなな物資移動で賑わう事だろう。
もちろんそこに至る過程では様々な事が起こるだろうし、別の変数が加わる事もある。環境問題や突発的な災害なんかも事態を激変させる事になる。
しかし、僕たちは冷静に考えればこうした結論に導かざるを得ないのである。
曰く「北朝鮮は国家として中国に併呑され、いずれ韓国と統一されて中国の属国となる」
韓国国民は果たしてこうした事が受け入れられるのだろうか。