おれ自身を含むたいていの人が空腹を首尾一貫して不快・苦痛と決めつけてるが、これは固定観念(強固な思い込み)であって、事実ではない。
過食によって肥満し不健康になった身体を健康体に戻す減量過程で感じる空腹は快感・安楽だと気づくことが可能だ。
これこそが事実だからだ。
今感じている空腹が苦痛なら、耐える苦労が常に必要となり、そのうち挫折する他ない。
しかしこの空腹が快感・安楽だと気づけば、その瞬間から、何の苦労もなくなる。
リバウンドを誘発するストレスも生じない。
それは自然本来のことだからだ。
この「気づき」はごく初歩的なものだが重要で、他のすべてのことにも通じる原理的ターニングポイントになる。
もし熱心な持続的実践によって「はっきりした気づき」に育てあげれば、あらゆる問題を解決する最強の力になるからだ。
ところが実際は、これとは別の深刻で根本的な問題がからむので、そんなにスムーズに事は運ばない。
大多数の人がダイエットに失敗し続ける本当の原因もココにある。
それは
退屈と苦痛の間を
死ぬまでループする
凡夫の悪癖※
が食べることに現れてる場合だ。
苦労して減量しても、しばらくするとやがて退屈に耐えられず、たいして腹も減ってないのにまた過食し始め、リバウンドで一層悪化する螺旋ループに閉じ込められる。
ダイエット技術でできることは、せいぜい凡夫の悪癖を食欲以外の欲にずらすことであり、その効果は限定的だ。
それはループの軌道を一時迂回させただけで、いずれ戻ってくるからだ。
残念ながら、これは各種ダイエット技術や根性論で対処できるような浅薄な問題ではない。
この問題は、初歩的な「あさい気づき」では対処しきれない。
これを根本的に解決するには、
サティ※の持続的実践によって「あさい気づき」を「はっきりした気づき」に育て、自分の煩悩の構造を明晰判明に体得する以外にない。
※退屈と苦痛の間を死ぬまでループする凡夫の悪癖※
⇒1+1=2並にはっきりした話。苦に夢中なら苦から解脱できっこない
※サティ
「瞬間の現在(今・ここ)」に気づくこと。
※ヴィパッサナー実践
「瞬間の現在」に気づき続けること。
(My Favorite Songs)
天国への階段