八芳園

赤く染まった八芳園。
一巡りするあいだ花嫁さんと４人もすれ違いました。
一組一組がそれぞれのハレの日なのね。
見ず知らずの方たちなのに　ついつい微笑んでしまった秋の日でした＊

肌

乾くと痒くなる。
乾くとヒビ割れる。
造られた繊維には荒れる。

この恋のシンボルのようなものに
一円ぐるりと密着している私たち。

道しるべなどいらない、
感じろ。…と言われてるみたいだ。

今日もまた肌にくるまれて生きてる

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湯船に浮かべ この体。
底に沈んでいてもなお。

湯船で高ぶる この想い。
水面が膨らんでいく。

柔らかく茹だるは踵ばかりか。
ほぐしを乞うこともしないで。

浮かべたもの数多。
流せるものは一握り。

郁子

庭先に今年もむべが実を付けた。


独特の赤い紫を背景にポツポツ斑点。
3つ子の実、みつけた。
葉っぱと果実の中間の香り。
緑と赤が混ざったようななんとも形容しがたい香り。

一足早いクリスマスカラーの香りに1年の終わりを意識した日。

リリア

メキシコのリリアから連絡が入った。
会うたびその夢を語っていたもんね。
もう一度夢を追うとリリアは今日銀行を辞めた。


この星の裏側にいるリリア。

会いたい気持ちを引力が察してくれてるよ。
今日もリリアの方向へと私は引かれている。
そして上手に立てているんだ。

Humidifier

加湿器が欠かせない
乾いた空気は教えた
肌も唇も髪までも潤いを求めていたこと。
ポコポコと音たてあがるこの湯気、
あったかそう。
それでいて触ると冷たい。
見てるだけにしようと決めたのにその揺ら揺ら騰がるダンスにまた私は指先を湿らせてる。