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<東日本大震災>懸念高まる飲酒依存 生活激変でストレス

2011年05月29日 | 東日本大震災
<東日本大震災>懸念高まる飲酒依存 生活激変でストレス
毎日新聞 5月29日(日)19時28分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110529-00000046-mai-soci

 避難所での生活が長期化する中、被災者の飲酒を巡るトラブルが起きている。95年の阪神大震災では、家や仕事を失った被災者がアルコール依存症に陥るケースが多数報告された。今後、仮設住宅への入居が進むとともに、周囲からの孤立化が酒への依存を高める懸念もある。専門家は「新たな依存症者を出さないための継続的なケアが必要」と指摘している。【曹美河】

 岩手県沿岸の避難所で5月中旬、酒に酔った60代男性が周囲に物を投げつける騒ぎがあった。男性は独身で、自宅を流され1人で避難所に身を寄せていた。それまで目立ったトラブルはなかったが、数日前から酒の量が増え、ささいなことで周囲と口論になっていた。「長年酒を断っていたのに、むしゃくしゃして飲み始めてしまった」。男性は避難所を巡回する医師にこう説明したという。

 国立病院機構「久里浜アルコール症センター」(神奈川県)の松下幸生精神科医によると、震災による心的外傷後ストレス障害(PTSD)やうつ、不眠の症状などは、アルコール依存に直結しやすい。適量を飲む分には不安を和らげる効果もあるが、もともと飲酒問題を抱える人の場合、震災による生活環境の変化で悪化する恐れがある。

 センターは避難所での飲酒を控えるよう呼び掛けているが、避難所では「お見舞い」として酒が持ち込まれる事もある。避難所の運営者は「酒で気を紛らわしたいという時もある。節度を保って飲む分には問題なく、避難所を完全に禁酒にするのは難しい」と話す。

 岩手県内の別の60代男性は避難所に入った当初、周囲に飲酒が分からないよう、焼酎を透明のペットボトルに移して飲んでいた。しかし、時間がたつに連れ目の前に1升瓶を置き、朝から飲み続けるようになったという。

 男性は5月下旬、1人で仮設住宅に入居した。男性がいた避難所で「心のケア」を担当した保健師は「周囲の目が行き届かない仮設住宅で孤立し、重症化する恐れもある」と懸念する。

 阪神大震災では、兵庫県内の仮設住宅で孤独死した病死者の死因の3割が肝疾患で、ほとんどがアルコール依存などに伴う肝硬変と判明。肝疾患で亡くなった人の8割は40~60代の男性だった。センターの松下医師は「震災後に酒の量が増えたと感じたら、早期に専門家に相談してほしい。地域の保健師や周囲の人が声をかけ合い、孤立化を防ぐことも重要だ」と話している。

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