都市伝説 ～片目のセリカ～

北海道札幌近辺にある湖。支笏湖。
札幌から支笏湖に抜ける国道４５３号線。
ここは昔から走り屋が攻める道で有名である。

走り屋が集まる場所。そこは同時に事故が多い場所でもある。

ある日、支笏湖に霊が出るっていう噂を耳にした。
俺も何回も支笏湖を攻めに行ってるのだがそれは昼。
夜になると霊を見たという噂が後を絶たないのだ。
そのときは俺は『へぇ～・・・怖いねぇ』ぐらいにしか思っていなかった・・・


ある日。
俺は当時の彼女がマリンパークに行きたいって言うから登別に連れて行った。
夏の晴れの日だというのにあの日は日が落ちるのが早かった。
帰り道。国道２３０号線から国道４５３号線に切り替え、札幌に向かっていた。
国道４５３号線。そう、支笏湖の道を。
闇に包まれた支笏湖を左手に、快調に道を行く。
そのうち闇と森に囲まれた道になる。
そのとき。ミラーが光で包まれた。
『眩しい！パッシングしてんじゃねーよ！』
俺は軽くそんな風に思っていた。
しかしもう一回ミラーを見ると光は消えていた。
『なんなんだろう』
その日は無事に帰れた。

後日、友達としゃべっていると『片目のセリカ』の話を聞いた。
なんでも昔の走り屋が支笏湖で事故って死んで以来、支笏湖に現れるのだという。
『片目のセリカ』は名前のとおり片目のライトが消えていて、走り屋の車に追いついて事故るまで追いかけてきたり、無理に追い越して姿を消したりしてくるのだという。

夜の支笏湖ではミラーを見ないほうがいい。
そう言われたのを覚えている。


俺が見たのは『片目のセリカ』だったのだろうか。