K.G

とりあえず一作

最近読んだ本 6

2009-11-16 01:11:20 | Weblog
処刑人の秘めごと ピーター・ラブセイ

本格というよりかは警察小説といった感じ
複数の首吊り死体の関連性を探るミッシングリンク物
冒頭から、主人公の刑事に対するストーカーの気配がちらつくのだが、事件と平行して出てくるのかと思いきや、序盤で早くもフェードアウト
最終的には事件と結び付いてくることになるのだが、余りに直ぐストーカーの話が消えたので、途中で投げ出されたのかと思ったり


被害者を捜せ! パット・マガー

タイトルの通り、事件の犯人ではなく被害者が誰かを当てる、変則的なフーダニット
僻地で活字に飢えた海兵隊員たちが、送られてきた荷物の詰め物として入っていただけの破れた新聞紙を回し読みして楽しむのだが、そこで隊員の1人が以前勤めていた会社で殺人事件があったことを知る
ところが記事が途中で破れているために、犯人は分かるが被害者が誰なのかが分からない
そこで、殺された会社役員が誰なのかを隊員たちで推理する、といった趣向
この状況設定が「被害者当て」のアイデアに上手く嵌っていて、実に良い
ただ、てっきり隊員たちの間で喧々囂々の推理合戦が繰り広げられるのかと思っていたら、内容の大半は社内の人間関係を描写するのに割かれていて、少し肩透かし
謎解きがまたえらくあっさりしているようにも感じた
変な話、推理小説というものは分かりきったことを回りくどく説明するような所もあると思うが、そんな装飾は一切必要ない、と言わんばかりの簡潔さ
推理小説であることよりも、中盤の人間描写に力点が置かれているようだ


探偵を捜せ! パット・マガー

殺した夫の差し金で探偵がやってくることを知った未亡人が、客の中の誰がその探偵であるかを突き止め、口封じしようと目論む
「被害者を捜せ!」と同じく、一捻りしたアイデアが目立つが、どちらかというと倒叙物としての性質が強いように思われた
一般的な倒叙ミステリは警察や探偵など、警戒すべき相手がはっきりしているのが普通だが、犯人側が誰を警戒すべきか分からないという状態が、より倒叙としての緊張感を高めている
探偵を当てるための手掛かりが、かなりハッキリと明示されていたのが印象的だった


目撃者を捜せ! パット・マガー

船の中で1人の客が消え、何者かに突き落とされたと判断した新聞記者が、居るはずの事件の目撃者を捜す
前述の2作と比べると、アイデアのために無理やり作られたような、状況設定の甘さを感じた
特に「被害者を捜せ!」がよく出来てると感じられたために、尚更である
また、割りとおざなりに感じられた謎解きが、今度はえらく推理小説らしい形になっていて、書いた人が同じとは思えないぐらいの変わりぶりだった


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
おりはらー (eipum)
2009-11-18 02:40:27
「読者が犯人」でググっちゃった…
なんかよく聞くミステリのタイトルが
出てきた><
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Unknown (kei)
2009-11-24 01:47:20
ダメでしょう、ググったらw
でもよく聞くってことは、結構有名なタイトルなんでしょうか
悪い意味で名を轟かせてるのかも知れませんがw
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