施設入所からの備忘録

2023-08-20 00:07:59 | 
あまりに色々ありすぎて
細々と書けなくなってしまいましたが…

それでも
私が父と向き合う日々を書き記したいと思います。

先月
7月7日施設入所後から繰り返される脱走は
『徘徊』なんだと受け入れるようになりました。

父が
外出しようとする全てに理由はあるけれど、
戻ってこれない
父の外出は『徘徊』なんだと思います。


また父は恐ろしいことにベランダからも脱出を試みました。
幸い落ちずにすみましたが、ご近所さんや施設にご迷惑をかけてしまいました。

その他にも、隣の部屋を自分の部屋と間違い入ってしまったり
他の部屋の扉を叩いたり
自室でわめいたりすることもあるそうです。

その多くは夕方から夜間にあり
おそらく『夜間せん妄』ではないかと思われます。

また、それと同時に急スピードで進む認知症になす術もありません。


思い返せばいつも父は8月の誕生日前と冬におかしくなる…


そんな風に何かわからないもののせいにしないとメンタルが保てない位に悩み…
いや悩んでも仕方ないと呆気にとられるばかりでした。




8月11日に父は発熱したそうです。

熱中症だろうということでした。
2日ほど寝込んでいたようです。

回復するとあのベランダ事件を起こしました。夜中なのでせん妄でしょう。

14日会いにいくと、
ぬれた洗濯物がゴミ箱の上に大量におかれていました。

トイレも尿で汚れていて
ストーマ(便)が中身を排出せずそのままで放置されていました。


またちぎっては捨てちぎっては捨て…
そんなトイレットペーパーが散乱していました。
母は半分怒りながら
「なんでやろ、なんでやろ」と言いながら
せっせと片付けていました。

その日は私の顔も母の顔もはじめの30分ほどはわからない様子でびっくりしましたが…
だんだんと帰る頃には思い出してくれているようでした。





18日(金)の朝
父が行方不明になりました。


朝7時まえから居室にいなかったようです。

警察に捜索願を出し探すもみつからず、至急私たちも警察に父の写真を持って行かなくてはならないことになりました。

母は汗だくで
とにかく色んなことを考えながら思考があちこちに飛んでいる感じで、焦りでいっぱいな様子でした。
見た目では「たいしたことない。覚悟してる。」と言い普通にしてはいるものの…何となくわかる母のパニック。

父の住んでいる地域の警察署まで、私たちが電車で向かっている最中に父が見つかりました。

父が通院したことのない病院を何度も出入りしていたところを、そこの職員の方が不審に思い通報してくれたとのことでした。


喜びと安堵と…父への憤りもありましたが、沢山の方に叱られて帰ってきたであろう父には、その日は何も言わずに普段通り優しく接して帰ろうと母と決めました。





施設の人ひとりひとりに頭を下げてお礼を言っているところ、

「あの、実は昨日にストーマを自分で外されてたみたいで…
お部屋のあちこちに便がついていて…

できる限り掃除したんですがまだ掃除の行き届いてない場所があると思うんです。」

そんなまたびっくりする話を聞いて私と母は父の居室に向かったのでした。



先に居室に帰っていた父は
ぼんやりとどこか遠くを見ながら一人で昼食をとっていました。


私が誰かわかない顔をしていましたが、

せっせせっせと父が汚したものの掃除をしている母を横目に見て

ふとお父さんの奥さんだと気づいたように見えました。


「おーい お母さん 
あの あれ ……」

呂律が回っていない感じでしたが母を認識して落ち着いたようでした。

半ば怒りながらせっせと掃除している母には父の言葉は届かないようでした。


そうしてまた勝手に外に出ようとする父。

ついていくと

チョキをして(タバコを持つ手)私に見せていました。


私がじゃんけんのようにチョキを父に向けると、父は鼻で力なく笑いました。


「ふん(笑) これ分かる?
チョキとちゃうで。

タバコ。

どうしても吸いたいねん。


なんかなー。
どうしても吸いたくなってん。



お金ちょうだい。」



私にお金頂戴なんで初めて聞きました。


「ごめんね。私、働いていないからお金ないねん。

そう言って嘘を言いました。


その後、施設長さんが来てバツが悪くなってお父さんはあれだけ外に行こうとしていたのにすんなり部屋に入りベッドに横たわりました。


迷惑をかけたことは認識しているように感じました。



19日(土)
また父のところに行きました。

ちょうど部屋を出ていこうとしている父を止めている場面に出くわしましたので、明るく笑顔で手を振って
「会いにきたよー!」と言いました。

「会いに来たから戻ろう」と優しく手を取るとすんなり部屋に帰ってきてくれたので助かりました。


ちょうどお昼ご飯だったので
私は父のご飯食べている隣に座り見守って、


母は昨日できなかった箇所の掃除と、持って帰った洗濯の山を整理整頓をしました。


父は自分が汚したもののシミを
「あぁ、あそこに虫がいるわ」と言っていました。


「きれいに洗うね」と伝えました。


やはり目で追うのは母の姿でした。
母のせわしなく動くあの感じが懐かしく落ち着くんだと思いましたがやはり一緒には住めません。

あまりにも父はおかしくなっている。

母の生活は母の為にあるもので、父の言いなりに為るためにあるものでないと思います。

父にはもう母を思いやれる力はありません。ただ自分本意に生きるだけです。

また夜間せん妄や徘徊を繰り返し、私たちを見ては酒やタバコがほしいと言ってきます。

それに、父は母の声が言葉が何故か一番聞こえないんです。



だけど、父は確実に認知症がすすんで、サービスつき介護高齢者住宅には合わなくなってきているように思う…
そんな恐怖で私たちはまた岐路に立たされています。



どうすればいいか

どうしたらいいか


そんな不安と一緒に前を向いて歩いていかなければなりません。


それでも、どんな時も、自分ができることをできる範囲でやっていくしかないですよね。














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