『星の帆船』(作・絵:ウィリアム・M・ティムリン 訳:舟崎克彦 1983年立風書房)
原題:「THE SHIP THAT SAILED TO MARS」初版は1923年。火星に行く夢を生涯持ち続けた老人と妖精たちが織り成すファンタジー。
相馬奈於(翻訳家)
舟崎先生の研究室でもりのおはなしシリーズを見つけた時に「私はこれで育った!」と思いました。大学院では主に翻訳の勉強をしていて、先生に絵本の翻訳を見て頂いた時に「うまい!」という感想がついていたのがとても嬉しく、すぐに写メをして友達に送りました。自分ではちょっと原文とは離れすぎているかなと?と不安だったのですが、先生が褒めてくださったことで自信が持て、「この道を突き進んで行って良いんだ!」と思えました。卒業しても翻訳を続け、今に至っているのは舟崎先生のお陰です。
修士論文は挿絵についてで、その時ティムリンの妖精画について調べていると日本語訳では『夏の帆船』しか出ていませんでした。それがまさかの舟崎克彦先生の訳だったので驚きました。舟崎先生が「これはもう古いし、君が訳しなおしたらいいんじゃない?」とおっしゃったので、今はそれが目標になっています。
『ぽっぺん先生』 シリーズ(作絵:舟崎克彦 1973年~1994年 ちくま書房ほか)
深民(大学院生)
私が好きな舟崎先生の作品はぽっぺん先生シリーズです。白百合女子大学に入学してすぐに舟崎先生にミヒャエル・エンデが好きなことを話したのですが、その後あまりお話する機会がないまま4年生になりました。でも、舟崎先生は私がエンデが好きなことを覚えていてくださって駅でばったり会った時にはエンデの話をしてくださいました。私は大学院に進んでから創作や翻訳を始め、短い作品を舟崎先生に見て頂くようになりました。色々ご迷惑をおかけしたのに逆に優しくして頂けたのが想い出に残っています。
中川純子(イラストレーター)
「ぽっぺん先生」シリーズが好きだったので風倶楽部にずっと行きたいと思っていましたが、子育てなどで参加できず、最初に声をかけて頂いて15年経ってから参加できるようになりました。私はネイリストの資格を持っていて、10本の指の爪にイラスト描いてストーリーを表現する「ストーリーネイル」を考案したのですが、舟崎さんにお話をしたら「面白い」と言って頂けたので、商標登録をしました。舟崎さんの優しいお人柄は『児雷也太郎の魔界遍歴』で四谷怪談をハッピーエンドにされたところにも出ていて、とても素敵な方だと思いました。
『スカンクプイプイ』(作:舟崎克彦 舟崎靖子 絵:舟崎克彦 1971年あかね書房)
スカンクのプイプイが、いまとってもほしい風ぐるまを町までさがしにいきます。
S藤(印刷会社勤務)
私はあまり関係ない業界ですが、舟崎さんとは話が弾みました。舟崎さんは聞き上手で話し上手でもありました。神宮輝夫さんとの対談本にサインをお願いすると、ご自身の写真のおでこにサインをされるというお茶目なところもありました。
私は正直、子どもの頃舟崎さんの本はあまり好みではなかったのですが、家庭文庫で借りた『スカンクプイプイ』は好きでした。子どもの頃の読書記録は通っていた「けやき子ども文庫」の貸出しカードや自作の記録ノートに残っています。
風倶楽部勉強会「第一回 舟崎克彦さんを語る」はこれでおしまいです。
次回のテーマは「第二回 神宮輝夫さんを語る」
4月9日 17:30〜19:30
アルトバウ(吉祥寺駅 / 徒歩2分)
http://www.atticroo m.jp/altbau/
1ドリンクオーダー制(¥500〜)
※貸し切りで一番奥の部屋です。