NPO法人石川県茅葺き文化研究会だより

茅葺き民家が繋ぐ人の暮らし、自然との関わり。

雪囲いの片付けへ。

2013-04-09 | 茅つれづれ雑記

ご無沙汰している間に、ソメイヨシノは葉桜の季を迎えようとしています。

昨年11月、金沢湯涌江戸村内の旧高田家でおこなわせて頂いた雪囲い体験。
雪囲いに使ったのは、茅文研が管理する金沢湯涌茅場に生えるカリヤスです。

昔は秋に刈りとった茅(ススキ、カリヤス、ヨシなど)を、
このように家の周りにめぐらして雪囲いにしながら乾燥。
春になったらこれを外して、茅葺き民家のアマにあげ、
屋根の葺き替え時まで保管していました。
われわれはといえば、茅のストック小屋にそれを保管します。




片付けには雪囲い体験の講師を努めてくれた茅葺師の野村さん、
茅文研立ち上げ当初活動されていたIさん(今年度復活か♪)、
そして私Kで、まずは外した茅を軽トラックの荷台に積み込み。
途中から南砺市五箇山の合掌造りの家に暮らす荒井さんと、
デザイナーの由宇さんもお手伝いにかけつけてくれ、ストック小屋へと運び込みました。感謝!


二段重ねにしていた内側の茅がまだ湿りけを帯びていたので、
小屋のなかで広げ、もうしばらく風にあてて乾燥させることにしました。
後日、余分な葉や落葉などを取りのぞいて、
60センチの長さの縄で縛り=1束として保管します。

暖かくなり気がかりだった雪囲いの片付けができ、ほっとしました。
江戸村の皆さまもきっと、まだかまだかとヤキモキされていたことと思います。
遅くなって失礼しました。

そして今回、作業をしながら五箇山で茅場の整備、茅を混ぜ込んだ和紙、
古茅堆肥で育てた農作物など商品開発にとりくむ荒井さんのお話を伺えたのは、
よい刺激になりました。


ところでストック小屋前の桜をかなり楽しみにしていたのですが、
枝先に一つ、二つ、三つと数えるほど・・・・。
木に勢いがないのか、それとも早すぎただけのか、来春をまた楽しみします。

お口直しに?昨年4月と5月に金沢湯涌江戸村で現場見学会が行われた旧園田家の今の様子を。
この屋根には湯涌茅場で刈ったカリヤスもほんの少しですが使われています。
身近にある草を使いこなすと、こんな立派な美しい屋根になるなんてと改めて眺めました。
一般公開は今秋だそうです。