今年の夏は新潟県妙高連山の最高峰、火打山をめざす。初日はJRで名古屋、長野を乗り継ぎ、妙高高原へ。ここからバスで池の平温泉へ行き、宿なごみに宿泊。初日から温泉はありがたい。道沿いはアジサイの最盛期で、ウグイスの鳴き声も聞こえてきた。夕方から雨が。標高が800mなので涼しい。近くの温泉で火事があったようで、夜中にサイレンが鳴り響いた。
登山バスで標高1,310mの笹ヶ峰へ。広大な草原には牧場やキャンプ場が広がる。ここは火打山と妙高山の登山口で、小さな門をくぐると緩やかな木道が続く。今日は高谷池ヒュッテまで9㎞の行程。ブナ林の道は森林浴ができて心地よい。黒沢橋は渓流が美しい。河原に下りて水の補給にちょうどいい。しばらく進むと十二曲りと呼ばれ傾斜がきつくなる。12回コースが曲がるが、意外と短く20分で登り詰めて休憩。ここから先が稜線までの最大の急坂となる。大きな岩に手をかけながら、かなり登りづらい。
傾斜が緩くなってしばらくで尾根道になり、富士見平と呼ばれる分岐に出る。ここで高谷池方面と黒沢池方面の道に分かれる。左の高谷池への道を進む。ここから先は標高2千mの水平道。やがて左手に三角屋根の高谷池ヒュッテと湿原が見えてきた。お昼にヒュッテ到着。標高2,105m。まだ早いが、宿泊を申し込む。改築工事が終わったばかりで、ホールは真新しく、トイレは水洗。ただ、公営施設のためか機能重視の感じがする。
ここで軽装になり火打山を目指す。山頂まで4㎞。高谷池は森の中の高層湿原で、木道が山頂方面まで延びている。少し歩いて振り返ると、三角屋根のヒュッテと湿原が北欧の風景のようで美しい。高山植物の最盛期は7月なので、花はもう少ない。秋は草紅葉が美しいらしい。岩の道を登り、一段高い台地に出る。ここは天狗の庭と呼ばれ、メルヘンの風景が展開する。さらに稜線の急坂を登るとライチョウ平。ライチョウ生息の北限で、運がよければ出会えるらしい。ベンチがあり、ここで休息。
ここから先さらに急坂。天気が悪いので山頂は見えないが予想外の登りにかなり疲れる。突然、標高2,462mの山頂に到着した。1時間ほど滞在して雲が晴れるのを待った。北に日本海、西に白馬連峰が望めるはずだったが、焼山方面と天狗池の眺望が見えただけで、360度のパノラマとはいかなかった。登りでは気づかなかった風景を写真に収め、時間をかけて下山。途中、正面に特徴的な山容の妙高山が雲間から姿を見せた。
夕食、朝食ともに5時半というのは山小屋にしては早い。夕食はカレーとハヤシライス。ライスを皿の中心にし、左右にそれぞれ取り分けるのが通のやり方らしい。8時消灯、だが完全消灯が9時なので発電機がうるさくて眠れない。
5時前から出発準備の登山者がいて、目が覚めた。朝食後にゆっくりくつろいでいたら、皆出発してしまって、私たちが最終組になってしまった。今日は笹ヶ峰まで15㎞を下るだけ。時間が十分あるので、茶臼山の北を黒沢池方面へ回って下山することにする。左手は日本海や糸魚川の町並みかも知れない。途中で雨が降ったりやんだり。1時間足らずで右手に黒沢池の巨大な高層湿原が現れた。黒沢池ヒュッテはドーム型の珍しい山小屋だ。ここで、昼食を兼ねた休憩をとる。
雨が本降りとなったが、妙高山をめざす登山者が何組かいる。私たちは黒沢池を経て下山する。雨は一向に収まらず、雷鳴がとどろき始めた。池塘が広がり晴れていえば美しい風景だろう。1時間足らずで高谷池からの道と合流して、笹ヶ峰へ下る道となる。雨の中、急坂で何度か転倒しかけた。やがて高度を下げるに従い雨が上がった。岩の急坂を経て十二曲りを下り黒沢橋で休憩。子供たちの集団が登ってくるのとすれ違った。山上は雨なのに火打山に登るのだろうか。この先は快適な木道が登山口まで続く。
近くの明星荘でそばを食べ、また降り出した雨の中、バスを待つ。黒沢池ヒュッテから妙高山をめざしていた登山者が、登頂をあきらめて下山してきた。雷鳴がとどろく中の登山は危険だ。この先、バスで妙高高原駅へ戻り、ホテルの送迎バスで赤倉温泉の赤倉ホテルへ。湯につかり、2日間の山の疲れを癒す。3日目は長野で善光寺に参詣し、直行バスで新大阪に向かう。
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