角灯と砂時計 

その手に持つのは、角灯(ランタン)か、砂時計か。
第9番アルカナ「隠者」の、その俗世を生きる知恵を、私にも。

#071 新出生前診断で中絶、2年で221人

2015-07-01 06:33:27 | 命―畏れと戦き
〈新出生前診断(正式名称・無侵襲的出生前遺伝学的検査)とは、母体から採取した血液で胎児の染色体異常を調べる検査のことです。
 NIPTとも言われたりすることがあります〉

(新型出生前診断(NIPT)とは?費用・条件・時期など→http://xn--79q007fm1z21d.jpn.org/%E6%96%B0%E5%9E%8B%E5%87%BA%E7%94%9F%E5%89%8D%E8%A8%BA%E6%96%AD%E3%81%A8%E3%81%AF%EF%BC%9F%E8%B2%BB%E7%94%A8%E3%80%81%E6%9D%A1%E4%BB%B6%E3%80%81%E6%99%82%E6%9C%9F%E3%81%AA%E3%81%A9/

自分の血液を検査することで胎児の異常が判る。

そういうことが出来るというなら試したくなる、
それが人情ではありましょう。

で(↓)この記事です。

(産経新聞大阪6版H.27-6/28)

1年目の受診者は、7,740人。
2年目の平成26年度には、10,060人が受診したそうです。

合計17,800人。
陽性295人。

胎児死亡41人については、言葉もありませんが、

確定診断を受ける前(つまり、実際には「正常」の可能性もある)を含め、
陽性の診断により中絶したのは、221人だそうです。

それぞれに重い決断だったと信じます。
他人がとやかく言うことでもないでしょう。

けれど、いや、だから、

これから診断を受けようかと考えている人、
妊婦に診断を勧めようとしている医療関係者に言いたい。

「異常」が重く、流産してしまうのは仕方ないとして、

診断は、あくまでも覚悟を決めるためのものであって欲しい。
異常が見つかったとしても、それと向き合うため、
そういう心の準備をするためのものだと徹底して欲しい。

なぜなら、

〈現在の母体保護法には人工中絶を行える条件を設けており、そこには次のように定めています。
 「妊娠の継続又は分娩が身体的又は経済的理由により母体の健康を著しく害するおそれのあるもの」
 「暴行若しくは脅迫によって又は抵抗若しくは拒絶することができない間に姦淫されて妊娠したもの」
 どこを見ても「高齢出産に伴い、染色体異常が見つかったため」という記載は無いのです〉

(羊水検査で異常が見つかった場合の対処法→http://xn--79q007fm1z21d.jpn.org/%E7%BE%8A%E6%B0%B4%E6%A4%9C%E6%9F%BB%E3%81%A7%E7%95%B0%E5%B8%B8%E3%81%8C%E8%A6%8B%E3%81%A4%E3%81%8B%E3%81%A3%E3%81%9F%E5%A0%B4%E5%90%88%E3%81%AE%E5%AF%BE%E5%87%A6%E6%B3%95/

ということだからです。

結果次第では中絶も有り得るという考えなら、
診断は受けちゃいけないし勧めてもいけない、と私は思います。

産むか、中絶するかの二択で判断するとしたら、
それは「命の選別につながる」というような話ではなく、
すでに疑いなく「命の選別そのもの」です。


生まれてくるまで分からない病気や障碍は色々あります。
そういうものと共に在る人生が沢山あります。

どれほど診断技術が進んでも、

子供を授かるということ、
それに対する畏れとか戦きとか、

人には、そういうものが必要なんだと思います。

陽性判定を受けながら妊娠継続を決めた4人のご家族、
その幸多きことを祈ります。


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