角灯と砂時計 

その手に持つのは、角灯(ランタン)か、砂時計か。
第9番アルカナ「隠者」の、その俗世を生きる知恵を、私にも。

#276 今の日本、どんだけ学校(というか教師)に厳しいんだ?

2018-11-25 06:19:49 | 「いじめ」について
(産経新聞11/21大阪6版より)


〈いじめの疑いを把握しながら放置することを改めて禁止し、不適切な対応があれば懲戒処分対象にする〉

〈いじめ防止対策について「教科指導と等しく重要な任務」と規定、学校現場に組織的な対応を促すため、校長の責任を明記する〉



あまり効果が上がってない(とされる)「いじめ防止対策推進法」改正の方向として、上のような検討がなされているそうです。

確かに、サラリと読めば、なるほどねと思います。思いますけれども、全国津々浦々ほとんどの教師は、だったら「不適切な対応」ってどんな対応? いじめに対する「適切な対応」を示してくださいよ! と心の中で叫んでるんじゃないでしょうか。「教科指導と等しく重要な任務」って、一体どんだけ仕事増やしてくれるんですか、という声も聞こえてきそうです。


いじめの被害者が、あるいはいじめによる自殺者の遺族が、学校の責任を追求する気持ち、それ自体は理解できます。

けれども、いじめ防止対策を教科指導(すなわち授業)と等しく重要な任務として、しかも不適切な対応があれば懲戒処分なんて言われてしまったら、教師は24時間365日、休憩も休日も無しになってしまいます。授業時間内のあからさまな暴言・暴力ならともかく、授業時間外の、しかもネット等水面下でのいじめにまで責任取れませんよ。

1人、あるいは2人3人の、自分の子供ですら見切れないのに、35人だか40人だかの言動・行動までちゃんと見とけ、なんて、ワタクシにはとても言えません。



教員に対して「教科指導」以外の仕事を増やせば増やすほど、教師の心はすさんでいくし、教育現場は荒廃していくんです。


いじめは犯罪、それはそうだと思います。だったら悪いのは、いじめる者達であって、その次に傍観する者であって、教師あるいは学校の責任は、あくまでも二次的なものです。

教師・学校に「適切な対応」を求めるのなら、まずは犯罪(暴行・傷害・窃盗・器物破損・恐喝・教唆・強要等)を発見した場合、則「警察沙汰にする」権限を与えてあげましょうよ。それを封印し、教育的配慮のもとで解決せよなんて、不可能に近いことを要求するのは、もう止めにしたら良いんです。


「いじめ防止対策推進法のあり方を議論している超党派の国会議員による勉強会」諸氏は、たぶん善意の人達なんでしょう。

けれど(いじめ被害にあったご本人や遺族は別としても)政治家、評論家、メディア関係者等、よってたかって教員を「いじめている」ことに、いい加減気付いてちょうだい、って思います。

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ちなみにですが、こんな記事もありました。



〈新校長から高圧的な指示があったことや、男性が会議中に号泣していたことが明らかになった〉

この場合、ひとり校長だけの責任ということになるんでしょうか?


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