咲 -Saki- 感想

番外編　つるがいでん


　今回の番外編は、県予選敗退後の鶴賀学園のお話。


　かおりんと歩いていた蒲鉾は、不意に立ち止まると、大きな声を上げた。

　「モモの匂いがするぞ――ッ！！」



　何と、蒲鉾は、モモを“匂い”で見付けられるのだそうだ。

　蒲鉾って、意外な才能を持っていたんだな。
　某天牌外伝の人みたいに、蒲鉾も、いつか臭いで牌を識別出来るようになるのだろうか？
　しかし、蒲鉾の家は何をやっているんだろう？　食品関係？　それとも化粧品？



　この日は、かじゅに大事な用があるため、モモは１人でいたそうだ。

　「一緒にいないなんて珍しいな！」
　「そーなんすよ」

　あ、読者視点だけじゃなく、作中でもそう思われてるんだ。
　しかも、モモも普通に肯定しているし。


　それと、かじゅとモモって、出会ってからまだ２か月しか経っていなかったのか。
　そういや、団体戦の時に、ユミちん１年Ａ組乱入事件が１か月前だと言ってたっけ。
　考えてみれば、咲とのどっちも、まだ出会ってから１か月半くらいしか経っていないんだな。



　さて、そんなモモにかじゅの話が聞きたいと請われ、蒲鉾は昔話をする事になった。



　ただ、蒲鉾とかじゅが出会ったのは２年前なので、そこまで昔の事は知らないそうだ。
　かおりんの事なら幼稚園の頃から知っているそうだが、かじゅにしか興味の無いモモは完璧にスルーした。




　蒲鉾とかじゅが初めて出会ったのは２年前。
　高等部に上がり、同じクラス（１－Ｂ？）になった時だそうだ。
　蒲鉾が「高等部のフロア」という言い方をしていたから、鶴賀は中高一貫校なのかな？


　蒲鉾とかじゅは、最初は挨拶すら滅多に交わさなかったそうだ。
　だが、鶴賀祭でお化け屋敷をやる事になった時、蒲鉾はバラバラだったクラスを上手く纏め上げ、かじゅは緻密なルートを作り 、互いに自らの才能を発揮したのだという。
　それがキッカケで、２人は互いを認め合うようになり、仲良くなったのだとか。



　なお、かじゅが麻雀を始めたのは、この時にやったカード麻雀にハマったためらしい。



　うわ、懐かしいな、カード麻雀。
　僕も、中学生だった頃に、やった覚えがある。
　理牌しづらいところが、初心者泣かせなんだよなぁ。



　カードを学校の先生に没収されてしまい、家にはホルダーだけ残っている。

　学校では、色々な物を使って、麻雀をやったなぁ。
　カード麻雀、マグネット麻雀、麻雀トランプ、消しゴムで作った自作牌、ゲームボーイ、普通の牌……。
　家に自動卓を持っている同級生もいたし、面子には事欠かなかった。



　閑話休題。



　しかし、かじゅの麻雀歴が、たったの２年だったのは驚きだな。
　どう見たって、かじゅの言動は、熟練者のそれだっただろ。
　実力者でありながら、かじゅが今年まで無名だったのは、そういう理由だったのか。



　さて、この日のかじゅは、むっきーへと、部長の引き継ぎを行っていたそうだ。



　部長は智美ちゃんなのに 引き継ぎは加治木先輩なんだ

　フシギだなー　ワハハ


　言われてみれば、確かにおかしな話だ。
　もっとも、某ゼークトさんに言わせると、トップは参謀の指示通りに動く人の方が良いらしいけどね。
　そういう意味では、部長が蒲鉾で、かじゅがそれを補佐するという形は理想的だったのかも。

　来年は、むっきーに重責が掛かるから大変そうだなぁ。
　かおりんは麻雀初心者だから、サポートにも限界があるだろうし。

　もっとも、蒲鉾はこれからも部室には顔を出し、一緒に遊ぶつもりの様だ。
　免許を取ってから、車に乗りたくてしょうがない蒲鉾は、次の連休も皆を遊びに誘う。

　「もう夏が一生こなくてもいいってくらい うんざりするまで遊ぼうやー」



　……そういや、蒲鉾は受験生だったっけ。
　涙目になった蒲鉾は、初めて見た気がする。