麻雀漫画について。
咲 -Saki- がアニメ化された影響で、ここ最近、他の麻雀漫画も読み返している。
その中で、僕が面白いと思う作品を幾つか紹介。
ノーマーク爆牌党(片山まさゆき)

相手の余り牌を狙い打つ「爆牌」を操る天才・爆岡がプロの頂点に立つまでと、頂点でタイトル防衛を続ける爆岡の打倒を目指して努力する凡才・鉄壁を描いた名作。
時代が時代なのでセオリーは古いし、序盤までと中盤以降でキャラクターの性格や細かな設定が変わっているといった難点もあるが、対局者4人の思惑が絡み合う闘牌には感心せずにはいられない。
才能を持つ者と持たざる者、幸運に恵まれた者とそうでない者、流れを信じる者と否定する者、プロ雀士としての考え方の相違といった対比が随所に見られるのも面白い。
余談だが、僕が初めて近麻を買ったのは、ノー爆の第45話が載っている号だった。

ダントツで調子に乗ったものの、爆岡の手の上で何度も踊らされ、最後には逆転されてしまう鉄壁。
おかげで、後で単行本を読むまで、僕は鉄壁というキャラはこの作品の三流悪役くらいに思っていた。


片山まさゆきの作品は、他にも名作揃い。
どの作品も読んで損はしないハズ。麻雀漫画なら。
天(福本伸行)
アカギ(福本伸行)
ワシズ(原恵一郎、協力 福本伸行)

麻雀で大金を賭ける裏プロ達を描いた作品。
『天』の登場人物「赤木しげる」を主人公にしたスピンオフ作品が『アカギ』、同様に『アカギ』の登場人物「鷲巣巌」を主人公にしたスピンオフ作品が『ワシズ』である。
裏社会だけあって、純粋に麻雀の腕を競うのではなく、イカサマや心理戦など何でもあり。
ルールについても普通の麻雀より、オリジナルルールが採用される事が多い。
麻雀に関する作者のアイデアが豊富で、これも非常に面白い作品。
本誌で二人麻雀の天の手牌を当てるクイズをやっていたが、当時は全く分からなかった。
唯一最大の難点は、『アカギ』の鷲巣編の展開が遅く、半荘6回の試合を10年以上も続けている事。
鷲巣編で終わりじゃないそうだし、もう少しどうにかならないものだろうか。
それはさておき、『アカギ』を読んでから『天』を読むと、赤木しげる初登場時の印象がガラッと変わる。

億単位の金が賭かった勝負に行ってみたら、相手がアカギってどんな無理ゲーだよ。
デジタル派の僕でも、その日は流れが悪いのを悟って、投了して帰るわ。

それなのに、天は強気だよな。
1%力が落ちていたら………って、それでも絶対無理だろ。
100%中の99%って、ほとんど本気じゃん。
12000点の直撃だけど、11880点にまけてやるって程度のハンデでしかないじゃん。
アカギが1%の力しか出せなくても、僕なら躊躇うな。
凌ぎの哲(原恵一郎、原作 阿佐田哲也)

阿佐田哲也の名作・麻雀放浪記を元にした作品。
原作ものでありながら、作者の大胆な解釈により、登場人物もストーリーも闘牌内容も非常に面白いものとなっている。色々な意味で。
麻雀漫画の歴史に残るべき傑作だと思うのだが、単行本が7巻までしか刊行されず、そのままになってしまっている。
頼むから続きを出して欲しいと願っているのだが、今のところ8巻が出る見込みは薄い。

おかげで、僕は未だに数年前の近麻を捨てられないでいる。
その近麻だって、博打列車編の途中からしか持ってないし、何とか全話分揃える方法はないだろうか。

なお、麻雀放浪記を元にした漫画には、他に『哲也』『麻雀放浪記CLASSIC』等がある。
他にも沢山あるのだろうが、僕はよく知らない。
トーキョーゲーム(青山広美)

近未来、人類の夢である長寿薬「ハレルヤ」が完成した世界。
だが、その世界では、ハレルヤや交換用の臓器を求める者たちが争い、荒廃していた。
主人公“青い星”は、そんな世界を支配する『椅子の男』を殺すため、ゴルゴダ・タワーに挑む。
大筋は、塔の各階にいるフロアマスターを麻雀で倒しながら、最上階を目指すという話。
冷静に考えなくてもおかしな話なのだが、読み始めると主人公“青い星”を始めとした登場人物達に魅せられ、そんな瑣末事はすぐに気にならなくなる。
この作品で印象的なのは、主人公“青い星”の麻雀観。
全ての牌が見えれば最強だと言う仲間に対し、青い星は「そこが最低のレベルだ」と返す。

青い星曰く、自分が信じたならば、望んだ牌をツモる事さえ可能なのだとか。
バード(青山広美)

同じく、青山広美の作品だが、こちらは現代を舞台にしたイカサマもの。
ラスベガスのマジシャン『バード』が麻雀の代打ちとしてスカウトされ、不敗の雀士『蛇』と戦う。
同じ作者でありながら、この作品に於ける主人公の麻雀観は、トーキョーゲームとは全く異なる。

バードにとっての麻雀とは、手牌と山にある牌をすり替え、河にある牌を拾い、最短何動作で十四枚の和了形を集めるかといったゲームでしかない。

そして、その究極形「全自動麻雀卓天和」は一見の価値あり。
同じ作者でありながら、これだけ価値観の違う主人公を描けるというのは感心した。
ちなみに、トーキョーゲームでもすり替えをしたヤツはいたが、その瞬間に腕を切り落とされていた。

この作者は、他にこんな作品も書いている。
九蓮宝燈殺人事件は推理物。
アニメ 咲-Saki- で、麻雀牌の背の色が変わる事を疑問に思った人にオススメ。
東風のカバは、ネット麻雀を舞台にした作品。
これもオススメしたところだが、いつまで経っても2巻が出る様子がなく未完のまま。
根こそぎフランケン(押川雲太朗)

麻雀で日銭を稼ぐ雀ゴロ、竹井とフランケン(通称)。
同等の強さを持ちながら、竹井がカモに逃げられないよう目立たず勝つのに対し、竹井を師匠と呼ぶフランケンはいつでも全力を出して相手に逃げられてしまう。
ただ麻雀が強いだけでは生きていく事は出来ないと言う竹井と、「麻雀の神様」に怒られるから決して手は抜かないと言うフランケン。この対照的な二人が面白い。
ダイナマイトダンディ(押川雲太朗)

同じく作者は押川雲太朗だが、こちらはコメディ。
とても笑える。
兎(伊藤誠)

高校生代打ち集団ZOO。
動物に因んだコードネームを持つ高校生が、麻雀の代打ちをする話。
登場人物が特殊能力を持っているのが特徴で、例えば、兎は危険察知が得意、ネコは速攻が得意 キツネは迷彩が得意といったキャラ付けがされている。
絵も上手いし、とても面白い作品なのだが、休載が某冨樫以上に多いのが難点。
1巻が出たのは1997年か……。
むこうぶち(天獅子悦也)

御無礼。
バブル期の高レート雀荘を舞台にした麻雀劇画。
様々な人物が、謎の男「傀」と麻雀を打ち、傀に敗れ、その麻雀を通じて人生の転機を迎える。
傀は主人公というより狂言回しで、傀に敗れていく者たちの方が主人公と呼ぶに相応しい。
ギャンブルマンガでは、大抵心理描写がある方が負けるので、敗者を主人公にしたのは上手いと思う。
ムダヅモ無き改革(大和田秀樹)

日本の総理大臣「小泉ジュンイチロー」が麻雀で戦う作品。
まさか単行本化し、更に連載まで開始するとは思いもしなかった。
登場人物達は到って真剣に麻雀を打っているが、内容は完全にギャグ漫画。
あの4ページ見開きは、色々な意味で驚いたなぁ。
麻雀倶楽部(志名坂高次)

数少ない「リアルな」麻雀漫画。
とは言っても、漫画なので、ある程度のご都合主義はあるのだが。
主人公は、校内に「麻雀倶楽部」を作った高校生達だが、話の内容は基本的に仲間内で打っているだけ。
金も賭けないし、麻雀大会なんてものもない。
それどころか、学校側に見付かるとマズイので、活動場所を見付けるのにも苦労している始末。
……実にリアルだよな、学生時代を思い出す。
そして、麻雀に感けた結果、主人公達は大学受験に失敗して、浪人決定。
しかし、浪人中も、何だかんだで麻雀やってたり。
……。

なお、この作者は現在『凍牌』という作品を連載中。
こっちの主人公も高校生だけど、ヤクザの代打ちやったり、役満連発したり、指切られたりと波乱万丈。
東大を出たけれど(原作 須田良規、作画 井田ヒロト)

こちらも数少ない「リアルな」麻雀漫画。
というより、実体験を元にした話らしい。
東大を卒業したものの、入社後2か月で仕事を辞め、雀荘でバイトを続ける主人公。
内容は、主にその雀荘に来た客の事なのだが、その殆どが暗い話。
作品自体は、話と麻雀の内容が上手くマッチしていて面白い。

他にも麻雀漫画は沢山あるが、印象が強い作品はこんなところ。
咲 -Saki- がアニメ化された影響で、ここ最近、他の麻雀漫画も読み返している。
その中で、僕が面白いと思う作品を幾つか紹介。
ノーマーク爆牌党(片山まさゆき)

相手の余り牌を狙い打つ「爆牌」を操る天才・爆岡がプロの頂点に立つまでと、頂点でタイトル防衛を続ける爆岡の打倒を目指して努力する凡才・鉄壁を描いた名作。
時代が時代なのでセオリーは古いし、序盤までと中盤以降でキャラクターの性格や細かな設定が変わっているといった難点もあるが、対局者4人の思惑が絡み合う闘牌には感心せずにはいられない。
才能を持つ者と持たざる者、幸運に恵まれた者とそうでない者、流れを信じる者と否定する者、プロ雀士としての考え方の相違といった対比が随所に見られるのも面白い。
余談だが、僕が初めて近麻を買ったのは、ノー爆の第45話が載っている号だった。

ダントツで調子に乗ったものの、爆岡の手の上で何度も踊らされ、最後には逆転されてしまう鉄壁。
おかげで、後で単行本を読むまで、僕は鉄壁というキャラはこの作品の三流悪役くらいに思っていた。





片山まさゆきの作品は、他にも名作揃い。
どの作品も読んで損はしないハズ。麻雀漫画なら。
天(福本伸行)
アカギ(福本伸行)
ワシズ(原恵一郎、協力 福本伸行)

麻雀で大金を賭ける裏プロ達を描いた作品。
『天』の登場人物「赤木しげる」を主人公にしたスピンオフ作品が『アカギ』、同様に『アカギ』の登場人物「鷲巣巌」を主人公にしたスピンオフ作品が『ワシズ』である。
裏社会だけあって、純粋に麻雀の腕を競うのではなく、イカサマや心理戦など何でもあり。
ルールについても普通の麻雀より、オリジナルルールが採用される事が多い。
麻雀に関する作者のアイデアが豊富で、これも非常に面白い作品。
本誌で二人麻雀の天の手牌を当てるクイズをやっていたが、当時は全く分からなかった。
唯一最大の難点は、『アカギ』の鷲巣編の展開が遅く、半荘6回の試合を10年以上も続けている事。
鷲巣編で終わりじゃないそうだし、もう少しどうにかならないものだろうか。
それはさておき、『アカギ』を読んでから『天』を読むと、赤木しげる初登場時の印象がガラッと変わる。


億単位の金が賭かった勝負に行ってみたら、相手がアカギってどんな無理ゲーだよ。
デジタル派の僕でも、その日は流れが悪いのを悟って、投了して帰るわ。


それなのに、天は強気だよな。
1%力が落ちていたら………って、それでも絶対無理だろ。
100%中の99%って、ほとんど本気じゃん。
12000点の直撃だけど、11880点にまけてやるって程度のハンデでしかないじゃん。
アカギが1%の力しか出せなくても、僕なら躊躇うな。
凌ぎの哲(原恵一郎、原作 阿佐田哲也)

阿佐田哲也の名作・麻雀放浪記を元にした作品。
原作ものでありながら、作者の大胆な解釈により、登場人物もストーリーも闘牌内容も非常に面白いものとなっている。色々な意味で。
麻雀漫画の歴史に残るべき傑作だと思うのだが、単行本が7巻までしか刊行されず、そのままになってしまっている。
頼むから続きを出して欲しいと願っているのだが、今のところ8巻が出る見込みは薄い。

おかげで、僕は未だに数年前の近麻を捨てられないでいる。
その近麻だって、博打列車編の途中からしか持ってないし、何とか全話分揃える方法はないだろうか。


なお、麻雀放浪記を元にした漫画には、他に『哲也』『麻雀放浪記CLASSIC』等がある。
他にも沢山あるのだろうが、僕はよく知らない。
トーキョーゲーム(青山広美)

近未来、人類の夢である長寿薬「ハレルヤ」が完成した世界。
だが、その世界では、ハレルヤや交換用の臓器を求める者たちが争い、荒廃していた。
主人公“青い星”は、そんな世界を支配する『椅子の男』を殺すため、ゴルゴダ・タワーに挑む。
大筋は、塔の各階にいるフロアマスターを麻雀で倒しながら、最上階を目指すという話。
冷静に考えなくてもおかしな話なのだが、読み始めると主人公“青い星”を始めとした登場人物達に魅せられ、そんな瑣末事はすぐに気にならなくなる。
この作品で印象的なのは、主人公“青い星”の麻雀観。
全ての牌が見えれば最強だと言う仲間に対し、青い星は「そこが最低のレベルだ」と返す。

青い星曰く、自分が信じたならば、望んだ牌をツモる事さえ可能なのだとか。
バード(青山広美)

同じく、青山広美の作品だが、こちらは現代を舞台にしたイカサマもの。
ラスベガスのマジシャン『バード』が麻雀の代打ちとしてスカウトされ、不敗の雀士『蛇』と戦う。
同じ作者でありながら、この作品に於ける主人公の麻雀観は、トーキョーゲームとは全く異なる。

バードにとっての麻雀とは、手牌と山にある牌をすり替え、河にある牌を拾い、最短何動作で十四枚の和了形を集めるかといったゲームでしかない。

そして、その究極形「全自動麻雀卓天和」は一見の価値あり。
同じ作者でありながら、これだけ価値観の違う主人公を描けるというのは感心した。
ちなみに、トーキョーゲームでもすり替えをしたヤツはいたが、その瞬間に腕を切り落とされていた。


この作者は、他にこんな作品も書いている。
九蓮宝燈殺人事件は推理物。
アニメ 咲-Saki- で、麻雀牌の背の色が変わる事を疑問に思った人にオススメ。
東風のカバは、ネット麻雀を舞台にした作品。
これもオススメしたところだが、いつまで経っても2巻が出る様子がなく未完のまま。
根こそぎフランケン(押川雲太朗)

麻雀で日銭を稼ぐ雀ゴロ、竹井とフランケン(通称)。
同等の強さを持ちながら、竹井がカモに逃げられないよう目立たず勝つのに対し、竹井を師匠と呼ぶフランケンはいつでも全力を出して相手に逃げられてしまう。
ただ麻雀が強いだけでは生きていく事は出来ないと言う竹井と、「麻雀の神様」に怒られるから決して手は抜かないと言うフランケン。この対照的な二人が面白い。
ダイナマイトダンディ(押川雲太朗)

同じく作者は押川雲太朗だが、こちらはコメディ。
とても笑える。
兎(伊藤誠)

高校生代打ち集団ZOO。
動物に因んだコードネームを持つ高校生が、麻雀の代打ちをする話。
登場人物が特殊能力を持っているのが特徴で、例えば、兎は危険察知が得意、ネコは速攻が得意 キツネは迷彩が得意といったキャラ付けがされている。
絵も上手いし、とても面白い作品なのだが、休載が某冨樫以上に多いのが難点。
1巻が出たのは1997年か……。
むこうぶち(天獅子悦也)

御無礼。
バブル期の高レート雀荘を舞台にした麻雀劇画。
様々な人物が、謎の男「傀」と麻雀を打ち、傀に敗れ、その麻雀を通じて人生の転機を迎える。
傀は主人公というより狂言回しで、傀に敗れていく者たちの方が主人公と呼ぶに相応しい。
ギャンブルマンガでは、大抵心理描写がある方が負けるので、敗者を主人公にしたのは上手いと思う。
ムダヅモ無き改革(大和田秀樹)

日本の総理大臣「小泉ジュンイチロー」が麻雀で戦う作品。
まさか単行本化し、更に連載まで開始するとは思いもしなかった。
登場人物達は到って真剣に麻雀を打っているが、内容は完全にギャグ漫画。
あの4ページ見開きは、色々な意味で驚いたなぁ。
麻雀倶楽部(志名坂高次)

数少ない「リアルな」麻雀漫画。
とは言っても、漫画なので、ある程度のご都合主義はあるのだが。
主人公は、校内に「麻雀倶楽部」を作った高校生達だが、話の内容は基本的に仲間内で打っているだけ。
金も賭けないし、麻雀大会なんてものもない。
それどころか、学校側に見付かるとマズイので、活動場所を見付けるのにも苦労している始末。
……実にリアルだよな、学生時代を思い出す。
そして、麻雀に感けた結果、主人公達は大学受験に失敗して、浪人決定。
しかし、浪人中も、何だかんだで麻雀やってたり。
……。

なお、この作者は現在『凍牌』という作品を連載中。
こっちの主人公も高校生だけど、ヤクザの代打ちやったり、役満連発したり、指切られたりと波乱万丈。
東大を出たけれど(原作 須田良規、作画 井田ヒロト)

こちらも数少ない「リアルな」麻雀漫画。
というより、実体験を元にした話らしい。
東大を卒業したものの、入社後2か月で仕事を辞め、雀荘でバイトを続ける主人公。
内容は、主にその雀荘に来た客の事なのだが、その殆どが暗い話。
作品自体は、話と麻雀の内容が上手くマッチしていて面白い。

他にも麻雀漫画は沢山あるが、印象が強い作品はこんなところ。
I will think of the one in School Days...