実家には
私が5年前に家の前で見つけたグゥちゃんと
兄が4年前に職場で拾ったハナちゃんという猫がいます。
夜の猫たちは
ベランダでくつろぐのが日課のようです。
ただ、その日はただならぬ雰囲気がありました。
ベランダでグゥちゃんが慌てています。
嫌な予感がした母は
ベランダの外を見てみると
手すりの向こうにハナちゃんがいるではないですか。
そこには手すりを飛び越え
ベランダの柵の向こう側の狭い出っ張りの上で
焦っているハナちゃんがいました。
実家はマンションの二階です。
さらに焦ったハナちゃんは
お隣さんの手すりを飛び越え
お隣さんのベランダに入っていきました。
母は
父にお隣さんの玄関のピンポンするよう伝え、
自らは椅子をベランダへ持って行き
手すりを乗り越え
狭い出っ張りを
お隣のベランダへ向かいました。
ピンポンしても出てこないんだよ〜と
お隣から父が戻ってきました。
もう夜の10時を過ぎていました。
お隣さんはリビングでテレビを見ていたそうです。
お隣さんと知ってか知らずか、
開けてくれ、と窓をカリカリするハナちゃん。
お隣さんのベランダの手すりを乗り越える母。
お隣さんの背後に迫りくる狂気ー。
お隣さんにベランダを開けていただき
お宅を通していただき
お隣さんのお陰で
母もハナも無事に生還しましたが、
母は傷だらけです。
にゃーん。
