おまいらも好きですね。童話なら名作が残されてますよ。
871 :本当にあった怖い名無し [] :2007/03/17(土) 15:47:02 ID:l1nd34560
あるところに一匹の黒蛇がいました。ある日、黒蛇が餌を探しに山麓に降りて行くと、小さな神社の
境内から、ウサギとリスの賑やかな会話が聞こえてきました。
「今年は日照で村の水が枯れそうだったけれど、龍神様が雨を降らせてくれた。龍神様のおかげだ」
「うちの村では、山で道に迷った村の子等を、天狗様が道を開いて救ってくれたよ。天狗様も偉い」
ウサギとリスが口々に龍と天狗を褒め称えるのを聞いて、黒蛇は悔しくなりました。
「龍と天狗、あいつらさえいなくなれば・・・・・・」そのとき黒蛇はある光景を思い出しました。
それは神社で手を合わせる老人の姿でした。「生かしてくれてありがとうございます」
次の日黒蛇が神社に行くと、ウサギが龍神に祈っていました。そこで黒蛇はこう話しかけました。
「龍神はみんな神様のところに行ったよ。龍神がいた世界も消滅するから、龍神に祈っても無駄だよ」
しばらくすると、リスが現れて天狗に祈りを捧げました。再び黒蛇は話しかけました。
「天狗は幽界の存在だよ。幽界と感応すると魂を食われるよ。それに幽界はもうじき消滅するから、天狗に祈っても無駄だよ」
ウサギとリスは頭を抱え、互いにこれからどうすればいいか悩みはじめました。
黒蛇はいいました。「生かしてくれてありがとうございますと、何でもすべて感謝すればいいよ。ご利益をもらう秘訣だよ」
ウサギとリスはわかったと安心して帰っていきました。
872 :本当にあった怖い名無し [] :2007/03/17(土) 15:47:41 ID:l1nd34560
数日後、黒蛇が散歩をしていると、切り株に座ったウサギが独り言をいっているのを見つけました。
「生かしてくれてありがとうございます。龍神様今までありがとう。だけど龍神様はもういないと叱られました。
これからは黒蛇君の神様に祈ります。龍神様さようなら」
黒蛇はニヤリと笑って、後ろから近づきウサギに襲いかかると、あっという間に食べてしまったのでした。
あたりには血に染まったウサギの毛が散らばっていました。
そしてまた何日か過ぎたころ、黒蛇がのそのそ這っていると、大木の枝でリスが一心不乱に喋っていました。
「生かしてくれてありがとうございます。天狗様今までありがとう。だけどもう幽界と感応しちゃいけないって叱られました。
これからは自分の神様に祈ることにしました。天狗様さようなら」
黒蛇は舌をチロチロ出しながら木に巻きつき、シュッと鎌首をもたげるとリスを丸飲みにしました。
食べかけのどんぐりが一粒、木の枝からころがって落ちました。
するとどこからともなく風が吹いて、一匹の鹿が黒蛇の前にあらわれました。鹿はいいました。
「あなたのうしろには真っ黒なヤマタノオロチが見える。悪いことはやめなさい」
すると黒蛇は真っ黒な煤をどくどくと吐いて、猛然と怒り狂いました。
「鹿君の脳天に恐ろしいものが突き刺さっているよ!蛇棚のそばで瞑想なんかするからだよ。せいぜい気をつけることだね!」
黒蛇は自分では恐ろしくて近づけないのに、龍と天狗の敷地に出入りする鹿を羨ましいと思っていたので、悔し紛れにいいました。
しかし鹿は哀れみを浮かべた目で一瞥しただけで、遠くへ行ってしまいました。
黒蛇が鹿を退治したとほくそ笑んでいると、今度は空から黒蛇の悪行を眺めていた鷲が降り立ちました。
「そうやって騙して何匹食べたのかね?黒蛇の嘘と小細工は、何もかも天空から丸見えだ」
黒蛇は憮然としていい返しました。
「感謝行を奨励する俺の邪魔をする鷲は魔界の生き物に違いない。ブーメランの法則で鷲がやられるよ!
地獄に落ちた魂は強制的に輪廻終了。魔界も幽界も消滅するよ」
しかし鷲は笑いを堪えきれない様子で、空高く飛んでいきました。
873 :本当にあった怖い名無し [sage] :2007/03/17(土) 15:52:08 ID:Z/H65r/E0
おんきしばそわか
874 :本当にあった怖い名無し [] :2007/03/17(土) 15:52:35 ID:l1nd34560
そうこうしているうちに、日に日に黒蛇の感謝行を信じるウサギとリスが増えていきました。
黒蛇はだんだん自分がいいことをしているような気になりました。
「黒蛇君ありがとう」「黒蛇君のいったとおり感謝行したらいいことがあった」「黒蛇君を拝みたい」
「ふふふ。あなた達に神気を感じるよ」
そのころ天では龍と天狗が話し合っていました。
「最近下界では我々の存在を忘れているようだ。さみしいものよのう」
「龍はもういない。自分の神に祈り感謝しろと変な蛇がいっているそうだ」
そのとき龍の顎の下の鱗がぴくっと動いたのを見た天狗があわてていいました。
「うちのところの鷲が交代で突いて弱らせているところだし、天使の連中も見張っているから」
そこへ眩い光を放ちながら神様があらわれました。
「そなた等の怒りはもっともじゃ。じゃがそう興奮せんでもよかろう。こっちへくるがよい。
見よ。黒蛇の体に異変が起きているであろう」
龍と天狗が雲の穴から覗くと、灰色になった蛇が感謝行を奨めている様子が見えました。
「毒が抜けてきておるじゃろ。アレの中にも神性が宿っておるのじゃ。
人も獣も外道も虫も、天国も地獄も、龍も天狗も天使も悪魔も、あらゆるすべてのものは、このわしがつくったのじゃよ」
このブログの順位が上がればリーマンは来る! 私も来る。
871 :本当にあった怖い名無し [] :2007/03/17(土) 15:47:02 ID:l1nd34560
あるところに一匹の黒蛇がいました。ある日、黒蛇が餌を探しに山麓に降りて行くと、小さな神社の
境内から、ウサギとリスの賑やかな会話が聞こえてきました。
「今年は日照で村の水が枯れそうだったけれど、龍神様が雨を降らせてくれた。龍神様のおかげだ」
「うちの村では、山で道に迷った村の子等を、天狗様が道を開いて救ってくれたよ。天狗様も偉い」
ウサギとリスが口々に龍と天狗を褒め称えるのを聞いて、黒蛇は悔しくなりました。
「龍と天狗、あいつらさえいなくなれば・・・・・・」そのとき黒蛇はある光景を思い出しました。
それは神社で手を合わせる老人の姿でした。「生かしてくれてありがとうございます」
次の日黒蛇が神社に行くと、ウサギが龍神に祈っていました。そこで黒蛇はこう話しかけました。
「龍神はみんな神様のところに行ったよ。龍神がいた世界も消滅するから、龍神に祈っても無駄だよ」
しばらくすると、リスが現れて天狗に祈りを捧げました。再び黒蛇は話しかけました。
「天狗は幽界の存在だよ。幽界と感応すると魂を食われるよ。それに幽界はもうじき消滅するから、天狗に祈っても無駄だよ」
ウサギとリスは頭を抱え、互いにこれからどうすればいいか悩みはじめました。
黒蛇はいいました。「生かしてくれてありがとうございますと、何でもすべて感謝すればいいよ。ご利益をもらう秘訣だよ」
ウサギとリスはわかったと安心して帰っていきました。
872 :本当にあった怖い名無し [] :2007/03/17(土) 15:47:41 ID:l1nd34560
数日後、黒蛇が散歩をしていると、切り株に座ったウサギが独り言をいっているのを見つけました。
「生かしてくれてありがとうございます。龍神様今までありがとう。だけど龍神様はもういないと叱られました。
これからは黒蛇君の神様に祈ります。龍神様さようなら」
黒蛇はニヤリと笑って、後ろから近づきウサギに襲いかかると、あっという間に食べてしまったのでした。
あたりには血に染まったウサギの毛が散らばっていました。
そしてまた何日か過ぎたころ、黒蛇がのそのそ這っていると、大木の枝でリスが一心不乱に喋っていました。
「生かしてくれてありがとうございます。天狗様今までありがとう。だけどもう幽界と感応しちゃいけないって叱られました。
これからは自分の神様に祈ることにしました。天狗様さようなら」
黒蛇は舌をチロチロ出しながら木に巻きつき、シュッと鎌首をもたげるとリスを丸飲みにしました。
食べかけのどんぐりが一粒、木の枝からころがって落ちました。
するとどこからともなく風が吹いて、一匹の鹿が黒蛇の前にあらわれました。鹿はいいました。
「あなたのうしろには真っ黒なヤマタノオロチが見える。悪いことはやめなさい」
すると黒蛇は真っ黒な煤をどくどくと吐いて、猛然と怒り狂いました。
「鹿君の脳天に恐ろしいものが突き刺さっているよ!蛇棚のそばで瞑想なんかするからだよ。せいぜい気をつけることだね!」
黒蛇は自分では恐ろしくて近づけないのに、龍と天狗の敷地に出入りする鹿を羨ましいと思っていたので、悔し紛れにいいました。
しかし鹿は哀れみを浮かべた目で一瞥しただけで、遠くへ行ってしまいました。
黒蛇が鹿を退治したとほくそ笑んでいると、今度は空から黒蛇の悪行を眺めていた鷲が降り立ちました。
「そうやって騙して何匹食べたのかね?黒蛇の嘘と小細工は、何もかも天空から丸見えだ」
黒蛇は憮然としていい返しました。
「感謝行を奨励する俺の邪魔をする鷲は魔界の生き物に違いない。ブーメランの法則で鷲がやられるよ!
地獄に落ちた魂は強制的に輪廻終了。魔界も幽界も消滅するよ」
しかし鷲は笑いを堪えきれない様子で、空高く飛んでいきました。
873 :本当にあった怖い名無し [sage] :2007/03/17(土) 15:52:08 ID:Z/H65r/E0
おんきしばそわか
874 :本当にあった怖い名無し [] :2007/03/17(土) 15:52:35 ID:l1nd34560
そうこうしているうちに、日に日に黒蛇の感謝行を信じるウサギとリスが増えていきました。
黒蛇はだんだん自分がいいことをしているような気になりました。
「黒蛇君ありがとう」「黒蛇君のいったとおり感謝行したらいいことがあった」「黒蛇君を拝みたい」
「ふふふ。あなた達に神気を感じるよ」
そのころ天では龍と天狗が話し合っていました。
「最近下界では我々の存在を忘れているようだ。さみしいものよのう」
「龍はもういない。自分の神に祈り感謝しろと変な蛇がいっているそうだ」
そのとき龍の顎の下の鱗がぴくっと動いたのを見た天狗があわてていいました。
「うちのところの鷲が交代で突いて弱らせているところだし、天使の連中も見張っているから」
そこへ眩い光を放ちながら神様があらわれました。
「そなた等の怒りはもっともじゃ。じゃがそう興奮せんでもよかろう。こっちへくるがよい。
見よ。黒蛇の体に異変が起きているであろう」
龍と天狗が雲の穴から覗くと、灰色になった蛇が感謝行を奨めている様子が見えました。
「毒が抜けてきておるじゃろ。アレの中にも神性が宿っておるのじゃ。
人も獣も外道も虫も、天国も地獄も、龍も天狗も天使も悪魔も、あらゆるすべてのものは、このわしがつくったのじゃよ」
このブログの順位が上がればリーマンは来る! 私も来る。
この話は、感動巨編ですね。(笑)
塊さまはピロートークにこんなロマンチックなお話をしてくださるのかしら、初夜が楽しみだわ~
あんのんのん嬢も童話をお書きになるのよね
創作活動は素晴らしいわ!茸も陰ながら応援するわ!頑張ってね
黒蛇は蛇の道を歩むのみ、茸の習性として胞子活動をするのと同じね。
坂を転がり堕ちるように、魔へと転落していくのね(涙)茸も愛欲と背徳の世界に堕ちてしまうの!
嗚呼菌類の宿命!
皆様、第三夫人の座を狙って激しい諍い!
茸はとれなかったわ!
悔しい!