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麗澤の杜から『日々是探究』

企業勤務から民間人校長として奉職(14年間)。2025年度より学校現場を離れて、新たな社会貢献の道を探究します。

認知のゆがみについて考える

2018年06月13日 13時48分25秒 | 日記
昨日お伝えした心理学の話題ですが、授業で学生に紹介したのは『認知のゆがみ』といわれる理論です。アメリカの精神医学者のアーロン・ベックという人が基礎を築き、彼の弟子のデビッド・D・バーンズがその研究を引き継ぎました。私自身は、キャリアコンサルタントの国家試験の勉強を通して、この理論の存在を知ったのです。一つひとつの項目を目にしながら、自分自身でも「あのときは考えが狭かったな」と思い当たることがあり、あるいはさまざまな場面。たとえば会議での議論であったり、あるいはテレビの討論番組などで「かなり偏った考えだな」と感じたことを思い返しました。どうでしょうか、思い当たることはありませんか?

実際、政治家などは分極化思考は得意とするところで、あえてこうした認知のゆがみを利用していると思わせられることがあります。実はそのことを見出した学者もいて「人間は、集団になると冷静な判断ができなくなり、個人でいるときよりもむしろ、極端な方向に走りやすいという傾向を持っている」とし、この心理的な傾向のことを『集団分極化(または集団極性化)』と名付けました。今世紀の世界を考えるときは、非常に大事な概念であると言われ、この傾向を見出したのは、当時、MITの修士課程に在籍していたジェームズ・ストナー(James Stoner)という研究者です。ストナーの修士論文(1961)は、今も理論として有効なようですが、現実世界でまさに両極で戦ってきた歴史的なトップ会談が昨日、行われました。そもそも軍事的衝突など、とんでもない話であり、民主的に話し合いで解決する以外に選択肢はないでしょう。今回の会談に対する評価はさまざまですが、マスコミや有識者も大切なのは観測することではなく、平和を築くことだとして当事者と世論を導いていってほしいと願うばかりです。
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