昨日ご紹介した、ベトナム研修旅行の講演会のアンケートを読んでいて、旅の意義というものを考えさせられました。旅は未知の事象に出会う喜びにあふれていますが、純粋に「知らなかったことを知る」だけではなく「知っていたと思っていたことを再認識する、軌道修正する」面もあるのだと思ったのです。生徒諸君が書いた内容を読みながら、そのようなことを感じました。たとえば「ベトナムの講演会を聞いて、まず初めに驚いたのはベトナムの国民性についてだ。日本人と違って女性に対して積極的だったり、でもごめんなさいは恥ずかしくて言えなかったりと、台湾の講演会を聞いても思ったが日本から少し離れただけで人々の特徴というのは大きく変わっているのだと改めて実感した」。ということで、旅は先入観を捨てるところから始めなければならないのですね。
「ベトナム講演を聞き、日本に住む私たちが思っているよりも良いところや魅力的なことが多いんだなと感じました。私は今まで海外に行ったことがなくて、本やインターネット、親から聞いたことがすべてだと思っていて、海外にあまり良い印象を抱いていませんでした。例えば、海外のご飯はまずい、ということや、外は汚いからマスクをする必要がある、といったことです。もちろん、自分で見ないとわからないことや、自分でしか感じられないこともたくさんあると思いますが、先生の講演を聞き、日本と全然違うことや危険なことはあるけれど、行ってよかったと思えるようなところもたくさんあることを学びました。そのような発見ができる研修旅行がとても楽しみです」。
新たな気づきの機会を作ってくださった安里さんに、改めて感謝申し上げます。そういえば大学1年生の時、私はとあるアルバイトで安里さんと一緒に東京から島根県へ「旅」をしました。半世紀後の今でも、昨日のことのように思い出す場面があります。このことはまた、いつか機会があれば。