長い事、楽器の塗装に付いて半分程間違った先入観があったのです。
楽器は弾けば弾く程 良い音に成ってくる:これは当たっていると思います。
では、合板より単板の方が良い音がする:これも、ほぼその通りであります。
しかし、合板でも良い音がする物もあり、それは価値観の違いよりも事実であり、特にギター等ではトップのみ単板でサイドとバックは合板と言う物が沢山、存在しています。
(ヤイリのギターはオール単板と、バックとサイドが合板のものと2種類あります。このギターはオール単板ですが、塗装はポリウレタンですが、ラッカー塗装のものと差はないと感じました)
(入門用のウクレレは塗装は大体、ウレタン塗装に成ります)
合板も安い物から、本物の薄い単板を重ねて張り合わせた物は、意外にも良い音でしかもライブ活動等ではプロも使っていると言うのが現実の様です(単板より明らかに丈夫で狂いにくいと言う点がその理由の様です)
古くからギター等でも、高級な物はセラックニス塗装の物があり、これはバイオリン等と同じ塗装で大変良い音がすると言われています。
(この3本はニトロセルロースラッカー塗装です)
そして、おなじみのニトロセルロースラッカーです。
大変薄い皮膜で固く、楽器の音を殺さず弾く程に良く成る。
欠点は、塗装が弱く侵されやすい事と温度変化によりひび割れてしまう事があげられます。
(この2本もニトロセルロース塗装ですが、ティーズは下地からラッカー塗装でオーダしました。その結果、クラックが大量に発生していますが、音はとても綺麗です)
自分も、この2つの塗装に拘っていました。
ところが最近のポリウレタン塗装は、大変薄い皮膜の物があり、そう言った物はニトロセルロースラッカーの物と音質的に劣る事が無いと言う事が判りました。
欠点としてはぶつけた場合、ひび割れて剥がれてしまう事があります。
そして、厚ぼったく塗られた物はやはり音質的には劣ります。
(この、カニレアとヤイリは共にポリウレタン塗装ですが、とても音は綺麗なのです。つまり、単純にラッカー塗装と言う言葉だけに捉われないでください。何故ならラッカー塗装と言われて売られているものの大半が、最終的に一番上の層だけをラッカーで仕上げたものが実に多いのです)
では塗装は無い方がいいのではと言うとそうではありません。
塗装が無ければ、木は忽ち汚れ割れてしまったりするのです。
勿論、濡れたりさせてはいけませんが、塗装によって守られているのです。
そして、音質的にも、甘くマイルドな音がするのは塗装のお陰ともいえると思います。
書いた事は自分の経験的な感想も入っています。
参考に成ればと思い書いてみました。
写真は、ウクレレ二千一夜とkimata photo studioから抜粋したものです。
◯ 但し、ウクレレに於いては小さくて良い音を出そうとすると可成りシビアに成るのかも知れません。
お店で色々弾き較べて確かめてみてください。
楽器においては、その性能が総てではありません。
弾き手次第って事が1番目です。
カニレアの塗装はUVで。ポリウレタンでなく、ポリエステル塗装となります。
「UV塗装」というのはテイラー・ギターが本家?の塗装方法で、一般の塗料が揮発性の溶剤で溶いて使うのに対して不揮発性のUV硬化溶剤を使うので塗装後に溶剤が揮発することによって発生するヒビ割れが起こりません。
外観的にも最高の光沢がでますが、ガラスのように硬いのでPUジャック穴を開ける際には慎重に加工しないといけません。
もちろん表面を硬い塗膜で覆うので多少音質にも影響すると言ってサテン仕上げの方を好む方もいます。
ここにでもいいのでPRしてください。
きっと多くの方が興味を持っていると思います、
塗装の事、ありがとうございます。
ポリエステルと言うと一般的には、今着ている洋服の繊維を思い浮かべます。
カニレアのウクレレは手入れしなくともいつまでもバカに綺麗だなと思っていました。
もとより、少し音が小さいウクレレで響きは少し変わっていると言う印象を持っていましたが。
でも、時間と共に音が良くなって行くなら、汚く成って行くラッカー塗装よりは新しい塗装も良いんじゃないかと思う様に成って来ました。
ヤイリのギターがウレタン塗装なのですが、マーチンのギターと遜色の無い音がしたので、このブログを書こうと言う切っ掛けに成りました。
きっと異論もあるとは思いましたが、現実的には長く遊べて丈夫な塗装、細かい管理を気にしない塗装で良い音が出れば言う事は無いと思いました。
一言でいうと、演奏者によって求められる仕上げは千差万別だからです。
きっと、プロ奏者も含めて最大公約数的に「良い」とされるのがニトロセルロース、
そこに初心者プルーフな実用性を加味したものがポリウレタン(この音を求めるプロもいたり)、
手入れを前提にして、より一層、自然な鳴りを求めてオイルフィニッシュ(ライル・リッツとか)、
あ、ネックだけオイルフィニッシュというのもありますね。
従来性能+αをハイテクにより美観と生産性を上げたUVキュア(カニレアですね)、
などなど、ウクレレ創成期とは比較にならないほど選択肢があります。
いやあ、面白くも楽しい世界ですね。
例えば、このヤイリのギターはギター屋さんは、「ラッカー塗装だと思う」と言いました。
自分は違うかと思っても、そうですねと答える。
プロが見間違う訳は無いと思うけれど、そう言って販売するのです。
昔の友達は年中、ギターにコーヒーをこぼしました。
これ、ラッカー塗装だと段々汚れて剥げていました。
しかも、汚れを拭かないので実に汚いのです。
唐揚げをつまんでから、ウクを持つな。
塗装は弾いてから、傷から
気がつく程度で気にしません。
手を洗ってから、楽器は大切に。
かなり傷に強い事は判ります、、爪痕は殆ど気にならないくらい表面は固い様ですね。
ウクレレの真価は買って数年経たないと判らないものがあります。
その間に、見た目がぼろぼろに成るのも嫌ですね。