歌うKANOKO

クリスタルボイス
Singer 野村佳乃子のひとりごと

遠くなつかしい面影

2006-01-26 | Weblog
今日は数年ぶりに伯母に会った。
子供の頃から大好きな従姉のお姉さんにも、その子供にも会えた。
今日は伯父のお葬式だったからだ。

伯父は謹厳実直な人で、なにより先祖供養に熱心で、
朝起きてまずはもちろん、毎食後、出かける前、帰宅後、寝る前…ことあるごとに、一日何回でも必ず仏壇に手を合わせるような人だった。
経済的には余裕があったが、生活は質素で、家庭を大切にする上、
病気ひとつすることもなく、毎日一万歩は歩くという健康な人だった。

だから正直言って伯父のことを心配したことはなかった。
伯父さんならきっと100歳超えて生きると皆が思い込んでいた。
どちらかというと持病があって危篤状態になったことのある伯母の方を、
いつも皆は心配していたのだが。
伯父は自分の母親が亡くなったのと同じ歳になって逝ってしまった。
思ってもいなかった突然のことに皆が驚いた。

棺の中の伯父の顔は安らかで苦しみの痕は全くなく、清らかで顔色も良かった。
眠っているだけのようだった。

火葬場で荼毘に付している間、親族が会食をした。
私の向かいに座った伯母は長年の闘病のせいで、すっかり痩せて歳をとってしまった。
しかし、その顔は亡くなった祖母にそっくりになっていたので驚いた。
若い頃の祖母の写真と、伯母の若い頃は似ていなかったが、
こうして歳を取ると、母子というのはかくも近くなるものか…と感慨深かった。
私は子供の頃祖母と同居していたので、
11年前に亡くなった祖母の面影と再会できたようで、
おばあちゃん子だった私は、なつかしさが胸にこみ上げて仕方なかった。嬉しかった。

自分自身も何代か前の祖先の面影を映しているのかもしれない。
会った事はないけれど、自分が生きているということ自体が、
毎日祖先と出会っているということなのかもしれないと考えたりした。

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