なると思うんです」
「そのくらいなら、だいじょぶですよ。
私、2月まではいっぱいいっぱいで、3月はお誕生月だから
ちょっと休みたいし、来年は少しゆるゆるしたいと」
「またまた~ そんなこと言ってて、またすぐ仕事で埋まりますよ💛」
某出版社の編集さんとの、オンライン取材終了後の画面越しの会話。
コロナ禍で、一時期(紙の)書籍は売り上げを回復したとも
伝えられたけれど
私がフリーで仕事を始めた20余年前から見れば
ゆっくりとゆっくりと、衰退していて
それでも、士業、師業はいまだに「名刺代わり」として本を
つくりたいと要望する方が多いので、何とかやってこられているけど。
でもやっぱり、活字に求めるもの、というか、
何をもって読みやすいとするか、の基準が変わってきているような
気がします。
そんな中

少し前に、子育て関連の書籍の制作に
関わることになったと書きましたが
それで知り合った医師からの推薦で
読んだ本。
とても久しぶりの、昔の文学作品です。
多少、女性が下に見られている表現はあるけれど
時代が違うのでそれはよしとして、
文章の流れや言葉遣い、場面展開の“たおやかさ”に
改めて、ひき込まれた次第。
行間にふくらみがあるというか、登場人物の情感を
あれこれ、想像する余地があるのです。
生まれたばかりの子が亡くなったり、父子でとげとげしい応酬が
あったりなど、つらい展開の方が長いのですが
(最後は題名通り和解して、すがすがしく終わりますが)
それでもそんなに私小説に寄らない、作家の感情がむきだしにならない
読む側に「それぞれで感じてください」とゆだねるような
文章で
ああそういえば中学生のころ読んだ井上靖や夏目漱石も
そうだったなあ、と昔を思い出しました。
仕事柄、実用書ばかり読んでいたけれど
改めて、今や古典に分類されるかも知れない文学作品を
読み返してみよう、と思っています。
ある意味、不安定だったりせかされたりする現代社会からの
逃避なのかも知れません。