goo blog サービス終了のお知らせ 

神奈川絵美の「えみごのみ」

古民家と雅楽の雛祭り

今年の3月3日は、
「当店の30周年記念イベントに、ぜひ!」と
千葉の呉服店、衣舞の店主さん。
半年以上前から、予定を入れていました。


会場は、市川に100年前からある古民家「ギャラリー砂河原」。


(衣舞さんのHPより)
全国各地から集まった協賛の織元さんや問屋さんが
所狭しと自慢のお品を広げ、
離れには雛段飾りも。

好天に恵まれ、お客さんもたくさんで
短い時間でしたが賑やかで楽しいひとときを過ごしました。


店主の衣舞の袖さん(中央)と、
ご一緒した着物友、キモトモTさんとスリーショット。
この後、右端に写っている一脇さんで、草履を挿げていただきました。
これについては後日改めて、紹介しますね。
(浦野理一さんの布でつくった鼻緒を挿げたのです

さて、Tさんは糸の良さで知る人ぞ知る織元さんの、
小さな十字がすりの結城紬。

一方、私は……

とても久しぶりに、梨地のピンクの軽い附下を選びました。
桃の節句だったので、どうしてもピンクが着たくて

帯は当初

左の、洛風林の袋帯はどうかな、と思ったのですが、
あれこれ箪笥を見ているうちに
右の、ブランド物ではないけれどとてもしなやかで可愛い
箔織の更紗の袋帯を見つけ、こっちにしよう、と……

たぶん、シルバー系よりゴールド系の方が、ピンクになじみやすいと思うのです。

上半身と後ろはこんな感じ。


イベントでは、プロのカメラマンがお雛様の前で
写真を撮るサービスも
手元に写真がきたら、こちらも機会を見てアップしますね。

この装いで、古民家を出た後向かったのは

国立劇場小劇場での、雅楽と舞楽の公演「国風歌舞(くにぶりのうたまい)」。
宮内庁式部職楽部の出演です。

こちらでご一緒したのは

少し前、銀座もとじのパーティでもお会いしたTKさん。
香りたつような甘い紅色の紬は山岸幸一さんの作品。
白地に抽象的なボタニカル文様の帯は、職楽浅野さん。


トーンは違えど、同じピンク系。ピンクシスターズです
ちなみに上の写真、通りすがりのご婦人にシャッターをお願いしたのですが、
同行の方々が「あらー春らしくていいわね」とにっこり、声をかけてくださったので
私もにっこり。笑い過ぎました……。


今回のプログラムは
東遊一具(あずまあそびいちぐ)
五節舞(ごせちのまい)
そして久米舞。
いずれも奈良・平安時代からある歌舞で、
例えば東遊一具は春分・秋分の日に行われる皇霊祭で演じられるなど、
宮中祭祀と深く結びついています。

特に五節舞は、雅楽で唯一の女性の舞で
幾重もの「襲」が目を引く、天女に扮した5人の女性の美しさが際立ちました。

いずれも武士台頭の時代に断絶してしまうのですが、
江戸時代に復興されて現在に至っているそう。

もっとも印象的だったのは「歌」で、
(こう言ってはムードがないですが)
普通にしゃべれば1分足らずですむ歌詞が、ゆっくり、優雅な節回しで
そして古い日本語で、数十分かけて歌われます。

ちょうど少し前に、取材先の医師から
 「話し言葉になると、日本語は外国語に比べ、一定時間内に伝えられる
  情報量が圧倒的に少ない。
  (一方、書き言葉は漢字の強みで、一定の文字量で伝えられる情報量は
   だんぜん、日本語は多いですよね)
  そのことはビジネスでも学業でも不利である」という話をきいていましたが、

豊かで、馥郁な節回しを体全体で聴いていると、とても気持ちよくて

こんなゆったりした日本独自の文化は、遺しておくべきだよね、と
公演後、TKさんと話したりしました。

舞楽の魅力は、文章だけではなかなか、馴染みのない人には伝わりにくいと思います。
ご興味ある方は、画像検索等で(五節舞など)みやびな世界をのぞいてみてくださいね。

コメント一覧(10/1 コメント投稿終了予定)

神奈川絵美
朋百香さんへ
こんにちは
この更紗の帯、何ともいえず可愛いのですよね。
ホントは、お太鼓の緑色の部分を
もうちょっと上に出したかったのですが、次の課題と
いうことで
TKさんもまさに春を纏っているようで、眼福でした
雅楽の歌は、ホントに現代のスピードにはまったく
合わないですが
それだけに実に「贅沢な時間」を過ごすことができて
良かったです
神奈川絵美
こむぎさんへ
コメントありがとうございます
この帯、箔と織の帯でして、表面は非常に
なめらかです。
つやがあるので、同じくつやのある梨地のきものと
合うのでしょうね

日本が何かと「ガラパゴス」しやすいのは
この言語の特徴も一因かもしれませんね
(と、私は医師への取材を通して思いました)。
でも今回聴いた雅楽の歌、とてもゆったりと
たゆたうようで、
この文化は大切にしたいなと思いました。
朋百香
http://www.tomoko-358.com
絵美さま
更紗の袋帯、いいですね〜。お着物との相性もぴったりだし、何より絵美さんらしい。
TKさんとお二人で、本当に春が来たみたい(外はまだちょっと寒いですけどね)
雅楽、私もそんなに多く聴いたわけでもないですが、いかにも雅な日本文化、現代の速度とは全く合わないけど、そこがいいのよね〜。また聴いてみたいな。
こむぎ
素敵なコーディネートですね♪春らしくて、着る人は勿論拝見する側も嬉しくなります。更紗の帯と着物が引き立て合っていますね。(織りの帯でしょうか)

日本語は書き言葉としては効率的ですね。(英語は単語一つでもアルファベットをたくさん書かなくてはならず、ストレスです(>_<)) 

習得に時間がかかるし、世界とのつながりを考えれば英語等の言語がかかせない今、日本語の未来もなかなか厳しいですが、大切にしていきたいですね。
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。

※ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「着物deオフタイム」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事