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ROCK & CINEMA DAYS

映画とROCKと猫が大好きです

弁当エレジー

2011-06-14 21:44:00 | 家族
「感動する話 親父の弁当」 
というエッセイを読んだ。
涙腺が崩壊する方も多いのでは、と思う。


この「弁当を捨てた」少年の話で
思い出したことがある。


中学の時、同級生だった男子。
仮にAくんとさせて頂く。
Aくんは、いわゆる「不良」と呼ばれるグループに属していた。
教師に反抗したり、警察のごやっかいになることもあったと聞く。
不良といっても、おそらく今の中高生に比べれば
かわいらしいものだったと思える。


しかし、Aくんは
とても頭の回転の速い少年だった。
授業中、教師に反抗するのはしょっちゅうだったが
その反抗のしかたも、ただ食ってかかるというふうではなく
まわりが笑ってしまうような、彼特有の言い回しだった。


不真面目な生徒には違いなかったが
勉強はよくできたと記憶している。
「真面目に勉強すれば、もっといい成績とれるのに、もったいない」
同級生たちはAくんのことをそう評していた。


よくクラスの生徒をからかって楽しんでいたが
「いじめ」という陰湿なものではなく
ほんとに「からかって」いた。
でも、デブとかブスとか、外見をからかうことはしなかった。
私もよく彼にからかわれたものだが
本人がコンプレックスにしていることは言わない人だったので
いやだと思ったことはなかった。


あれは秋頃だっただろうか。
高校受験が間近に迫り
クラスの中も、少しづつ緊張の色合いが濃くなってきた頃。


私の中学は給食ではなく、弁当持参だった。
地元の食料品店が、ヤマザキパンなどの製パンを校庭に販売しにきてくれたので
弁当を持ってこられない場合は、そのパンを購入することができた。
まだコンビニなどない時代。
母親のいなかった私も、よくお世話になっていた。


昼食の時間になり
いつものように、クラスの生徒たちが
仲の良い友達同士で集まって
弁当やパンを食べていた。


その時、教室の後ろで「バシッ」と言う音がした。
みんなは驚いて音の方に注目した。


後ろの壁に
ごはんの固まりがへばりついていた。
Aくんが、自分の弁当のごはんを投げつけたのだった。


「あーあ、こんなもん入れやがって~」
そう言いながら、Aくんは弁当箱の中身を次々に投げつけて行った。
ごはん。おかず。
バシッ、バシッと言う音が響き渡る。


Aくん以外、誰ひとり無言だった。
変に口出しして、災いが降りかかるのは嫌だったからだろう。
もうすぐ受験だし、ケガでもさせられたら…。
ケンカになって、内申書の評定が悪くなったら…。


ドラマのように、つかつかと寄っていって注意する生徒はいなかった。


その日から毎日、Aくんは弁当の中身を壁に投げつけた。
弁当を投げつける時の罵声で
弁当を作っているのは彼のおばあさんだと言うことがわかった。


「ばあちゃん、『今頃、弁当たべてるかな』とか思ってるんやろーなー。
ところがどっこい、こっちは捨てとるんじゃ!」


そう言いながら卵焼きを投げつけるAくん。
私と一緒に食べている友達が小さな声で
「なんで、作ってもらったお弁当をあんなことするんやろ。
おばあさん、かわいそうやん…。
捨てるんやったら、最初から『いらん』って断ったらええのに」。


みんなそう思ってただろう。
だけど誰も彼に注意しなかった。
そのうち、Aくんの仲間が便乗して
校庭で買ってきたカップラーメンの中身を投げつけるようになった。


さすがに教師が気づいたのだろう。
指導が入ったのかどうか記憶が曖昧だが
カップラーメンが投げられたあたりから
Aくんの弁当投げもなくなった。


そんなAくんだから
テストの点は良くても
内申書の評定はとても悪かったようだった。
噂によると、学区内でも優秀な進学校を希望していたのだが
あまりに内申が悪いので、あきらめるように担任に諭されたのだと。


Aくんは私立の高校に進学し
その後、卒業したのかどうかは知らない。
だが、ふと思い出すことがある。


彼はなぜ弁当を投げ捨てていたのだろうか。
家庭の不和?
受験への苛立ち?
思春期特有のジレンマ?
単にわがままだった?


答えの出ない問いを
ふと思い出すことがある。


人生の半分以上を過ぎた今
彼はあの時のことをどう思い起こしているのだろうか。


感動する話のあとに
後味の悪い話ですみません。





最後の文化祭

2010-09-02 20:32:00 | 家族
きょうは次男の高校の文化祭でした。
次男は高校3年生。これで最後の文化祭です。


長男もこの高校に通っていたので
わが家としては通算6年間お世話になった学校。
(細かいことを言えば、夫も義父も義兄も卒業生なんですが)


もう文化祭にくることもないよなあ、と思いながら出かけました。
生徒の家族のみ閲覧が許可されているので
校門で名簿チェックをすませて体育館へ。


次男のクラスの出し物は
体育館での劇「パイレーツ・オブ・カリビアン」。
台本を書いた生徒は、クラス全員をキャストにするべく
4月頃から構想にとりかかっていたそうで
「おっ、すごいヤル気やん。偉いねえ」と話していました。


「で、あんたは何の役?」と次男に聞くと
「おれ、照明係」


照明?全員キャストじゃなかったの?と聞くと
「絶対イヤ!おれ、目立つのイヤやもん」。
自分から希望して照明係になったそうです。


長男は文化祭の時
「ウエストサイド物語」のリフ役をやったり
「美女と野獣」のル・フウ役をやったりと
目立つことが平気な性格だったのですが
(しかもどちらの劇でも勝手にアドリブをいれてた!)


兄弟でも性格がまったく逆。
なのにどちらもボクシング部。
スポーツは性格って関係ないのかな。


体育館に入って、天井に近いところにある照明器具を見たら
次男がライトを動かして準備中。
持っていた日傘を振ったら気づいたらしく
「来たのぉ?」と嫌そうな顔。


とりあえず席について劇が始まるのを待ちましたが
ここは全国屈指の猛暑地区・多治見市。


暑いったらないのよね。


しまった!
扇子持ってくんの忘れた!
タオルも忘れた!


カーテンで閉めきられているから風も通りません。
開演時間が近づくにつれ、観覧の生徒や保護者がたくさん入ってきて
熱気がさらに体感温度を上昇させます。


あまり汗をかかない体質の私でも
汗だらだら。
タオルがないのでハンカチでふいていましたが
首筋や鎖骨まわりに塗ってきた日焼け止めが
全部落ちてしまいました。


そんな中、劇が始まりました。
ジャック役や船長役の生徒たち、衣装が

めっちゃ暑そう~

しかもライト浴びてるもんな~。
いや~、ご苦労様です。


練習時間が短かったものの
みんな演技うまくてセリフ回しも上手。


そしてヒロイン、エリザベス役は
なんと次男と同じボクシング部員のマッチョくん。
ヤマ場の戦う場面では
グローブをつけて華麗なボクシングを見せてくれました。


素早いダッキング(体を上下させて相手のパンチを避ける。アヒルの動きに似ているのでこの名前)や
ウェービング(常に素早く体を左右に動かしてパンチを避ける)など
普段は見ることのないボックステクに
会場からは「おおーっ」と感嘆の声。


うちの子たちも、こんなかっこいいことやってたんだなあ。
考えたら、私は息子たちの練習や試合を一度も見たことなかったんです。
本人たちが頑なに拒んでいたので、結局は見ることなく終わってしまいました。


息子たちは、私の中では
3歳ぐらいの幼児の頃のイメージが常にあるので
「うちのヒヨッコたちが、こんな男っぽい格闘技をほんとにやってたのかなあ」と
いまだに信じられない感が強いです。


劇が終わってから
「どうだった?」と次男からのメール。
「あんたエリザベスやればよかったのに」と返信すると
「あほか」との返事。


次の上演は
別のクラスの劇「デスノート」。
これ、観たかったんですけど
とにかく暑くて暑くて、私はギブアップ。
仕事もあるので、残念ながら退席しました。
観たかった~!


明日は体育祭。
そして3年生の行事は終わり
受験に向けてまっしぐら。
全統模試・駿台模試・進研模試・大学別オープン模試と
来年の春まで受験勉強漬けになります。



今日は、最後の文化祭。


長男の就活はじまる

2010-08-19 17:56:00 | 家族
先週の終わり
大学3年生の長男が京都から帰省しました。


いつもは電車や高速バスで帰省するのですが
今回は初めてバイクでやってきました。


世間はちょうど盆休み期間なので
渋滞にハマるのはいやだからと
夜中に出発して一般道を走り
早朝に到着。


着くなり寝ころんで熟睡。
約2時間後に「寝たぁぁぁっ!」と起きあがって
朝食をとりました。


「夜中は道が空いてて走りやすいけど、標識が全然見えなくて参った」
「琵琶湖大橋を走ったけど、暗くてまったく琵琶湖が見えなかった。もったいない~」
久しぶりの帰省で、次から次からよくしゃべる。
延々と道路情報を教えてくれます。別に知りたくもないんですけど。そんなこと言っちゃいかんか。ははは。


「水曜日、インターンに行くから。大阪。そのあと一旦京都に戻るから、しばらくバイク置かせて」。


インターン?何それ?


「インターンシップやん。知らんの?うそぉ、ヤバいぞ、それ。ネットで調べてみやぁ」


知らん。


すると、高校生の次男までもが
「インターンシップ知らないってありえんね」
などと上から目線で小バカにするではないですか。


だって私が大学生の時は
そんな制度なかったんですから。


さて
大学生の就職が超氷河期だというのは
ニュースでよく聞きますが
長男曰く、今の就活は
世間の人が「大変」と思っているより3倍「大変」なのだそう。


長男の大学がある関西では
京大・阪大・神戸大の
いわゆる「京阪神トリオ」が企業に人気で
私大生である長男は、かなり厳しい状況だそうで。


今の花形企業のひとつは
JR東海で
学生からは別名「JR東大」と呼ばれているらしいです。


私の頃は流通業界が花形で
なんと言っても西武百貨店。
時代の寵児でした。


もう30年近く前になるんだなあ。
就活用のスーツやらバッグやら
就職してからはまったく用なしになりました。


今はインターンシップに辿りつくのも大変。
その中からまた人数を絞られて
採用は若干名。


昔は女子大生の就職はどしゃ降りと言われ
(大体、大卒女子を募集している企業がほとんどなかった!)
わずかに募集している枠に学生が殺到する状況でした。
それに比べ男子は
複数の企業からお誘いがあって
中には青田買いしてくる企業もあったとか。


男子いいな~、とうらやましく思ったものですが
現在は男子も当時の女子と同じ状況なわけですね。
どんまい。


そして長男は
新しいスーツ、新しいワイシャツ、新しいネクタイ、新しいカバン、新しいハンカチと
新物づくしでインターンシップへ出かけました。
この日、全国的に猛暑日。
もちろんここは全国最高気温でしたが
長男の出かけた先の大阪も猛暑。


長袖のワイシャツにネクタイとスーツを着て
「暑い…!」とつぶやいて出て行きました。
見てるだけでも暑苦しい後ろ姿に
「子供ってすぐ大きくなっちゃうんだなあ」と、しみじみ。


倉庫では
長男のバイクのホンダくんが留守番してます。
しばらくはさびしいホンダくんです。



日帰りバスツアー当選…いえ、宝石は買えませんから!

2010-07-31 16:36:00 | 家族
きのう私あてに
「ご当選おめでとうございます 日帰りの旅無料ご招待」
と書かれた封書が届きました。


そんな懸賞に応募した覚えないんですけど?
不思議に思って中をあけたら
次男からの応募ということが書かれてました。


次男がスーパー温泉に行った時
「4周年祭感謝企画プレゼントキャンペーン」という応募用紙に名前と住所を記入してたらしいです。
本人の名前と、家族ひとりの名前・年齢を書くようになってたようです。


「本企画は、ご応募されたご本人様が抽選にもれた場合
ご家族の方を対象に再度抽選させていただく
W応募チャンスという企画内容でした」


へえ。


「静岡うまいもん道中!焼津鮪尽くしと遠州街道」
ちりめんじゃこ・わかめ・静岡茶つめ放題
昼食はまぐろ尽くし。


ただし、当選した本人のみ有効。
同伴者は9800円+消費税490円=10290円で参加可。
小児料金設定なし。


たっけーなオイ!


まあ、ひとりでバス旅行に参加する人ってあんまりいないでしょうし
2人で参加したとして、ひとり5000円の計算だとするツアー会社のやり方か。


と思いながら行程表を見たら


なぜか最初の予定地が
愛知県小牧市のオパールミュージアム。


静岡への旅行なのに
なぜに小牧へ?
しかも他の訪問地が所要時間30分なのに
このオパールミュージアムはなんと90分。


1時間半もオパール見てどうすんねん。


そこでハタと思い出しました。十数年前、夫が話していたことを。


「スーパーで、バスツアーご招待っていう企画をやったらしいけど
それが苦情がすごかったんだって。
高いものを売りつけられたっていう」


あぁ、それか。
なるほど。


さっそくネットで
「日帰りバスツアー当選 オパールミュージアム」と検索したら
出るわ出るわ。
皆さんもお時間があればやってみてください。


検索でわかったことをまとめてみますと



・スーパー、ホームセンター、ドラッグストア、飲食店、スーパー銭湯などで応募用紙を書かされる。


・40代以上の女性は全員当選する。男性は必ずハズれる。


・行程にはオパールや毛皮などの工房が入っている。しかも行程中で一番長い90分。


・工房では一室に集められ、饒舌な社員がいかにも買いたくなるように説明する。


・その後、宝石や毛皮さわり放題つけ放題。店員がひとりづつにぴったりついてセールスする。


・興味がないと言っても外に出してもらえない。軟禁状態。


・途中で外に出られたとしても、バスに乗せてもらえない。或いは、バスが移動している(隠れてる?)。


・価格は10~30万の高額。それを「安い!」と買うサクラがいて、え、じゃ買おうかなという気にさせる。
クレジットでローン組ませたりする。


・出口に近くなるほど安い商品が並べてあり、最後は1000円ぐらいのものがあったりして「これぐらい 買っておこうかな」という気にさせる。←なんと頭のいいやり方だ!感動すら覚えます。


・買ったあとで「やっぱりやめます」と言っても、クーリングオフは訪問販売にしか適用されないのでダメ。



ざっとこのぐらいありました。
そしてツアー会社はホ○デーというところ。
そうそう、私が受け取ったのも、ホ○デーという会社からのでした。


まあ、勧誘には絶対のらない!という強固な意志のある方がひとりで参加すると
すべてタダのお得な旅行になるんでしょうけど。


そんな構えていかなきゃならない旅行って
私は行きたくないなあ。
いくらタダでも。


夫にこの招待状を見せたら
「ああ、オパール買わせるやつね」とあっさり。
やっぱ知ってました。


「行くんなら早めに言ってね。仕事の予定組まなきゃいけないから」
って、おい、買ってこいってか!


お金くれるんなら行くよ♪


まあ、結婚指輪を新婚旅行先に忘れてくるような私には
宝石なんてドブに捨てるようなもんかもしれません。


不思議な話・ユタさんってご存じですか?

2010-06-05 16:16:00 | 家族
きょう、遠方に住む従姉からメールがありました。

「久しぶり。元気してる?」との内容。
彼女とは昨年の夏、大阪の実家で会ったのが最後でした。

実家で会った理由というのは
実家で先祖代々の仏壇を守ってひとり暮らししていた従兄が亡くなったので
その仏壇を処分するためでした。

実家は誰も住んでいない空き家になってしまいましたが
家具や生活道具はそのまま残っていました。
もちろん仏壇も神棚も。

仏壇には代々の先祖と
私の父・従姉の母・そして新しい仏となった従兄が入っています。

(ちなみに、従姉と亡くなった従兄は兄妹です)

家具などは、粗大ゴミで処分してしまえばいいのですが
さすがに仏壇はそういうわけにはいかないですよね。
きちんと魂を抜いてもらってからでないと。

魂を抜くのは
お坊さんとか霊媒師さんとかに頼むことが多いそうですが
従姉が連れてきてくれたのは
「ユタさん」と呼ばれる女性でした。

見た目はごくごく普通のおばさんです。
でも不思議と安心できる雰囲気を持った方で
初対面なのにいろいろお話させて頂きました。

ユタさんとは
沖縄の霊能力者のことです。
検索していただけばウィキペディアでも出てきます。

以前、従姉の家庭で
不運なことが次々と起こり
彼女の小姑に相談したところ
小姑の近所に「ユタさん」が住んでいるので
聞いてあげるわ、と言われたんですって。

そしたら、そのユタさん、
小姑の話を聞いたとたん
従姉の住んでいる家の間取りや周辺の景色を正確に言い当てたそうです。

もちろん
ユタさんは従姉には会ったことないし
従姉の家のこともまったく知らないんですよ。

小姑すら、従姉の家の間取りやら景色など知らなかったので
ユタさんと会ったあと、従姉に電話して
「家の間取りってこういうふうで、窓から○○が見える?」
って聞いてきたんですって。

それが正確だったんで
従姉も小姑もビックリ仰天。
「この人は本物だ!」ってわけで
従姉の家までユタさんに来てもらい
お祓いしてもらったそうです。
そうしたら
不運な事がぴったり止み
平穏な生活が戻ってきたそうですよ。

そのユタさんに私の実家の仏壇の魂抜きと
神棚のお祓いをして頂きました。
仏壇の魂抜きの時は
従姉の母親の魂が体に入ったらしく
故人が言いたいことを口走っていらっしゃいました。

よくテレビとかで
霊能力者が死んだ人に替わってしゃべっているのを見ますが
実際に目の前で見ると
ポカーンと口を開けたまま、何も考えられなくなりますよ。
ただただ、ひたすらポカーン。

前置きが長くなりました。話を戻しますね。

「久しぶり。元気してる?」との
従姉からのメールに返信しました。

「先月、パニック障害になっちゃって、いま通院中。
芸能人がなる病気だとばっかり思ってたんでびっくりしてる」

そしたら従姉から返信。

「実はきのう、小姑がユタさんに会ったんだけど
あんた(私です)のことをすごく心配してたんだって。
で、小姑が私にメールしてきたんで、私も気になってあんたにメールしたんだけど…」



私がパニック障害に罹ったことは
同居の家族と主治医のドクターしか知らないんですけど…。

やっぱり
本物なんだ。
ユタさん…。

びっくりしたなあもう~!

あまりにもびっくりしたので書いていまいました。
この世には科学で証明できないことが確かにあるらしい。