■2015年月間賞/高橋正子選評

2015-01-26 10:28:28 | 日記

四月賞
★風音の野を渡りゆく仏生会/ 柳原美知子
仏生会と思う一日、心静かに耳を澄ませば、野を風が吹き渡る音が聞こえる。野を渡る風音に万象の小さな声があるような気がする。(高橋正子)

三月賞
★青畳匂う座敷に雛飾る/佃康水
青畳は、藺草の匂いが芬々としてすがすがしい。そして畳替えをした新鮮さがある。その座敷に雛が飾られ雛飾りが力強く印象づけられる。(高橋正子)

二月賞
明日寒明け青空市に花並ぶ/祝恵子
明日は寒が明ける。暦の上のことであるが、「寒明け」には、厳しい寒さに耐えたことから解放される喜びがある。青空市には、とりどりの花が並び、春はそこに来ているではないか。(高橋正子)


一月賞
★正月の山葵を納め灯を消しぬ/安藤智久
正月用の山葵を納品し、今年の仕事がすっかり終わった安堵と充足に灯を消した。働くことへの真摯な姿。(高橋正子)