◆花冠年間賞/2011年~2013年◆

2014-04-19 13:36:37 | 日記
●2013年
【第1席】
★柳青みて水に照り水に垂る/藤田洋子
「柳青みて」の上七に力強さがある。以下「水に照り水に垂る」の五・五と続く五音のリズムも力強い。柳はしなやかなものとして詠まれることが多いが、この句は柳を力強く詠んで成功した。(高橋正子)

【第2席】
★秋空は高き欅の触れる処/小西 宏
秋空は高い欅の聳えるところにある。秋空の青さに欅黄葉が触れているのは美しいがそれを見事に詩的表現に変えた。(高橋正子)

【第3席】
★稜線のくっきり帰燕の空となり/佃 康水
山の稜線がくっきりと見える空気の澄んだ季節。空の色は深まり燕は南の国へ帰ってゆく。さびしさとともに色の深まる空である。(高橋正子)

●2012年
※作業中!

●2011年
【第1席】
★セロファンを鳴らし秋の薔薇解く/藤田洋子
秋の薔薇のくっきりとした色をさらに引き立てる透明なセロファン。「セロファンを鳴らし」で、薔薇の色にセロファンの鳴る軽い音が加わり、立体感のある句となっている。薔薇を解く美しい仕草が見える。(高橋正子)

【第2席】
★見ゆるものみな新涼の影を持つ/多田有花
秋に入ると、目に映るものが新鮮に捉えられる。見えるものの影にも夏とは違った新しい涼しさが加わる。(高橋正子)

【第3席/2句】
★雪を掻く真白き光りを乱しつつ/黒谷光子
雪掻きの作業は労働だ。一面に積もった雪に身を置き、白く輝く光を乱して、もったいないように雪を掻く。清潔で、かがやく雪に接すれば、雪掻きもいとわない。(高橋正子)

★葺き終えて霧を一吹き花御堂/佃 康水
小さな花御堂の屋根は、いろいろな花で葺かれる。葺き終わった花に最後の仕上げとして霧を吹きかける。この一吹きの霧によって花がいきいきとし、花御堂も花にかがやくばかり。(高橋正子)

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